劇場公開日 2021年9月17日

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「ブレードランナーに次ぐSF芸術映画」レミニセンス SIGさんの映画レビュー(感想・評価)

4.5ブレードランナーに次ぐSF芸術映画

2021年9月20日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

似てる映画としてみんなインセプションばかり挙げるが、コンセプトとして一番近いのは寧ろ傑作SF映画の「ブレードランナー」。
といっても似ているのはサイバーパンク的なところじゃなくて、荒廃した近未来SFをモデルにした美術品的映画という点。
因みにインセプションは「SF映像美術作品」じゃなくて「SF映像技術作品」。
だから注目すべきは水没都市の荒廃感や妙に古臭いデザインのSF機器、そしてそれらとは対照的に美しく描かれる記憶映像とか。
設定重視の映画に思えるかもしれないが、設定はそれら映像を表現するための道具でしかない。
その証拠に、本当は主観視点の筈の記憶映像が何故か第三者視点になってる。
ストーリーは王道的恋愛ミステリー。
衝撃を受けるほどの展開は無いが、変に奇をてらう事もない分、ストーリーやキャラの心情も飲み込みやすく、また映像美を盛り上げるのに最適なストーリーになってもいる。
この辺が、奇をてらったせいで話がいまいち面白くないブレードランナーよりは良い点だと思う。

総論として、SF美術作品としてはオンリーワンだったブレードランナーには及ばないものの、総合的なSF芸術映画としては同等かそれ以上の名作だったと思う。

SIG