メタモルフォーゼの縁側のレビュー・感想・評価
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セリフは少ないけれど観たら幸せ気分…
庶民の目標はささいな日常にあってそれが出来たら日々幸せ…なんかそんな感じ。主人公ふたりの関係のみならず幼なじみやら友達やら登場人物全員の関係が優しい。宮本信子がとってもキュートなんだけど愛菜ちゃんはやっぱりうまかった。思わず号泣シーンではもらい泣き。いやー、良作。
「ずるい」
このセリフに全てが集約されている。
これだけで私はこの映画を観て良かったと感じた。
特に何の取り柄もない「私」が、誰にも言わず机の奥にしまっていた数少ない楽しみさえ、あのコたちは瞬時に手軽なコミニュケーションツールにしてしまう。
ずるい。
「持たざる者たちの悲哀」
「でも、少しだけ、一歩だけ進んでみたら、ちょっとだけ違う景色が見えた」
まあ率直に言って、芦田愛菜ちゃん(やっぱり「ちゃん」だなぁ)自身は、ちっちゃい頃から紛れもないスターで、勉強もちゃんとできて有名進学校に進み、今も女性タレントのCMランキングでベスト3に入るほどの「数多くのものを手に入れた」タレントな訳で(もちろん現実のご本人にはご本人なりの苦悩や辛さがあるんだろうことは解った上で)、そんな人がどの口で「持たざる者」を語るのかという気持ちも無くはない。
でも、ちゃんと「持たざる者」に見えるからこそ、彼女は才能に溢れた女優なんだよな。
あのカッコ悪い走り方。
あれも彼女の役作りなワケでしょ。
たまらんなぁ。
…などと卑屈に浸っていてもしょうがない。
「老人と高校生の友情物語」と聞いて、当然最後は老人と死に別れる悲しい話だと思った私はとっても浅はか。
ちゃんと元気になれる良い映画。
(ここから少しネタバレ)
ただ、やっぱりみんな良い人過ぎるのが気になった。
だって、コミケのアレ、まずは怒っていいじゃん。
必死で準備したのに、当日アレじゃあさ。
もちろん不可抗力でしょうがないけど、それをうららちゃんが「自分が情けない」って泣く前に、「分かってるけどやっぱりムカつく」くらいの描写があってくれると、もっと親近感が持てたかも。
あと、マンガの登場人物に対してああいう感情の寄せ方をするのって、自分に経験がないので、二人がマンガの話をするシーンがウソ臭く感じてしまった。
ま、単に私がひねくれてるってだけですが。
可愛いと幸せな気持ちが詰まった映画。
まずは言いたい。
宮本信子さんの雪さんが可愛い!!!
これまでも宮本信子さんが演じられるおばあさん(あまちゃん、奇跡の人etc...)は高齢の方の仕草のリアルさがありながら、愛らしさもあって大好きだったので、絶対本作の役のおばあさんも好きになるって知ってた。
知ってたけどやっぱり可愛い!!
雪さんがうららさんと仲良くなってはしゃいだり、嬉しそうにマンガのこととか色々話したりしてるの見てるだけで幸せな気持ちになった。
そしてもちろん芦田愛菜ちゃん演じるうららさんも可愛い。
嬉しそうに雪さんのおうちに行く姿を見てこちらも幸せな気持ちになった。
お友だちって実は歳の差があったほうが色々と楽しそうだし、互いの色んなものを補い合えるのかもしれないなーと思う。
そして歳の差に限らず同じ好きなものについて話せる友人はいいよね。お友だちこそ前向きな思いで繋がれる人が良い。
個人的に好きなシーンはコメダ優先生のサイン会に行った雪さんがコメダ先生に「この漫画のおかげで私たち友だちになれたの」って言うシーン。とても良かった。
雪さんとコメダ先生(古川琴音さん)の嬉しそうな表情を見ながら、ご都合主義かもしれないけどそれでも美しい奇跡に泣いてしまった。
しかしうららさん、同人誌販売イベントに申し込んだはいいけど、印刷の入稿締め切り10日前からペン入れ始めるところでは「え、落としちゃわない!?大丈夫!?」とハラハラしたぞ(でもちゃんと仕上げたうららさんすごい)。
全編通してうららさんと雪さんの出会いのきっかけとなったBLマンガのストーリーと重ね合わせながら、うららさんたちの物語も進む演出だったんだけど、恋であれ、友情であれ、親愛であれ、相手のことが大好きで大切に想っているっていう点については同じなのよね。
そしてスクリーンの前で「うららさん、雪さん、幸せになれ!頑張れ!」って応援したくなる気持ちも、スクリーンの中でマンガの2人を応援するうららさん、雪さんと重なった気がした。
ほっこり幸せな気持ちになれる可愛らしい映画だった。
EDの主演2人が歌う「これさえあれば」も大変可愛くて良きだった。
登場人物が全て重なり変身してしまうエモい映画。
内容は、隠れ腐女子の主人公と好奇心旺盛な老婦人が、ボーイズラブ(BL)漫画を通じて年齢差を越えて心通わす物語。好きな言葉は『ホントに大切なモノは、ホントに大切にしなきゃダメよ!』老婦人が主人公に告げる時、一瞬無音になり時が止まる場面。雨が降り出し別れ際に借りた傘を☂️開くと真っ赤な花柄が目に入るシーンは主人公の心の機微を映像と演出で上手に表現するなぁと感心したし、転換期のミッドポイントで非常に素晴らしい変化でした。感動とは、罪悪感の解放であるとはよく言われるますが言葉にならない各個人の体験や想い出を追体験させられる様な感じで非常にエモいと共に、残酷な現実も感じました。出せなかったファンレターや主人公の幼馴染みの男の子の羨望の彼女が留学する時も主人公が夢に向かう事が出来たから素直に他人の夢を応援出来たり。幼馴染みの男の子の背中も押してあげる事が出来る。創作活動に苦悩する主人公と尊敬する漫画家等今日の自分は、いつかのあの人かもしれない。いつかのあの人は今日の自分かもしれないとの思いをエモい無音に表現とエレキギター🎸で見事に表現された、原作を上手く映画様に🎞再解釈された珍しい作品だと感じました。しいて言えば最後は映像的に左に走り去る方が自分としては好みでした。映画の影響でカレーを食べて帰りました。
エンディング曲は芦田愛菜ちゃんと宮本信子さんのデュオ!
映画館で予告を観て芦田愛菜ちゃんと宮本信子さんという新旧の名女優の共演ということで面白そうだったので観てみました。
映画はゆっくりていねいに流れ、物語に大きな起伏があったり大きな山場やクライマックスがあったりもせず、ヒューマンドラマとしてはちょっと異例かもしれません。
そのぶん、主人公たちの細かい心の機微を楽しむといった感じでしょうか。
ただ、さすがの芦田愛菜ちゃんなんですが、相手が宮本信子さんとなると、う~ん。
フツーの若干おとなしめの女の子の役なので、感情の起伏を大きく見せるわけでもなく、終始フツーの女の子で終わります。泣きの演技はさすがでしたが・・・。
やっぱり「あまちゃん」の、のんのかなり風変わりな女の子のほうが宮本信子さんの演技に対抗できてたと思います。
芦田愛菜ちゃん、宮本信子さんのキャラに完全に喰われていたかなと・・・。
終始ゆったり進むので、物語的な山場も大きくほりさげることなく、現実味のある感じでサラっと終わってしまいます。
ってな感じで、芦田愛菜ちゃん演じるうららが、宮本信子さん演じる雪さんと、近くなっているようで近づきすぎず、心を開いているようで開ききっていない、そういう微妙な感覚を読み取り感じ取るセンスのある方なら楽しめると思います。
伏線なんかも、気づく人だけ気づけばいい的なスタンスですし。
日常の、少しの変化に喜びを見出していくような映画です。
よくある映画的なクライマックスや盛り上がりを用意してくれているだろうとか期待しちゃうと肩透かしを食らうかもしれません。
できれば、家で仲のいい人と、ゆっくりあーだこーだ話しながら見ると楽しい映画かもしれません。
エンディングテーマの二人のデュオはほっこりしてよかったです。
これさえあれば平気さ
望むものなど何もない
エンドロールに流れる T字路’sのカヴァーを2人のキャラクターが歌う心地よさ
一つの悪意も画面から出てこない夢のような物語
その分 単調なストーリーを 演技で魅せていく
芦田愛菜さんって パシフィックリムでくらいしか見た事無かったけど 素晴らしい存在感
短いシーンだけど 幼馴染と電車で隣り合う時の 複雑な応援する気持ちと 多分仄かな恋心
見送って 切り替えホームで疾走する姿
あの一連の輝き もう一度観たくなる
他の作品も見てみます
いい映画ですねーーーー!
なんだか歳をとるのが楽しみになりました。
感性が豊かだと新しいことに興味が出るし、仲間もできるのですね。
うららと雪さんが大切なことに気づかせてくれた映画。
ありがとう。
芦田愛菜の笑顔は癒される
ヲタクの距離感
メタモルフォーゼの縁側 鑑賞
原作とほんの少し違うところがあって少しうん。。となったところが一箇所あったけど宮本信子さん 演じる雪さんと芦田愛菜ちゃん 演じるうららさんが完璧すぎて文句なし。オタクの関係性とはドライでありホットだと思う。仲良くしてても相手の素性をよく知らなかったり、知る必要もない気がしていて、離れた場所に住んでいても、年齢が離れていても、性別がちがっていても、愛している、推しているものが同じという共通項それだけがあればいいのである。そんな関係性がとても温かく素敵に描かれてたなぁ。
作者の先生に 私たちこの作品のおかげで友達になれたんです。描いて頂いてありがとうございます。 というセリフがあって、このセリフわたしも、とある漫画の作者の先生にサイン会で伝えたことがある。
コミティアやコミケにいくのは欲しい作品があるからだけど、生みの親に会えるから、生みの親にお礼を言えたり差し入れできるからっていうのが大きいです。あの会場には夢と希望と感謝が詰まっていて行くだけで幸せになれる。
作者先生様にはほんとに無から素敵なお話とキャラクターを生み出してくれて、なおかつ同志と会わせてくれて、幸せをたくさんありがとうございます😭って感謝しても仕切れない。だから出会いというのは必然ではなく偶然で大切にしなければいけないなとしみじみ思ったのでした。
じゃのめ先生 の美しすぎる絵もスクリーンで映えまくってました。。✨✨
60歳差の最強コンビ❗️ラスト少し泣ける😢
メタモルフォーゼとは変身という意味だそうです。ひょんなことから、BL漫画を通して繋がっていくおばあちゃんと女子高生。BL好きを隠したいうらら(芦田愛菜)と堂々とBLにハマっていく雪(宮本信子)がなんとも対照的。陰キャのうららが陽キャというより天然の雪に引っ張られて前向きに少しずつ成長いていく姿を描いた作品だと思う。芦田愛菜さんの地味な女の子の演技、演出さすがです。髪型も丁度良い地味さ加減。宮本信子さんは実年齢とほぼ同じ役柄を演じましたが、おばあちゃん役はまだ早いと思うくらい綺麗で若々しいかたです。縁側のある雪の書道教室。裏に大きなマンションが建っていて、ポツンと取り残されたような家がうららのパワースポットになっていく。雪の言葉が素晴らしい。「才能がないと漫画描いちゃいけないの?」「人生どこでどうなるか分からない」などなど。うららがやたらと全力で走るシーンがあるが、彼女の葛藤と変身を表していたんでしょうか。うららの描いた漫画は売れなかったけど、一冊が2人の好きな漫画家コメダ優(古川琴音)に届いたこと。そのサイン会で、雪が多分70年ぶりに子供の時に出せなかったファンレターを渡せたことも2人が出会って縁側で語り合ってこそ。淡々としているストーリーだが、心がほんわかする作品でした。エンドロールで流れる2人の歌も良かった。愛菜ちゃん歌上手いなあ。
「あの頃。」に勝るとも劣らない作り手の心意気
人との交わりの尊さ
頑張れ、うらら
ほっこりするいい作品である。やはり宮本信子は大した女優だ。本作品での市野井雪の役割を完璧に演じ切った。
芦田愛菜が演じた佐山うららは、何から何まで雪と対照的である。それは二人がレストランで名前を名乗りあったときに、雪がいみじくも言った「晴れている人と降っている人」という言葉に象徴される。
雪は能動的でポジティブでブレない。しかしうららは受動的でネガティブで毎日がブレブレである。雪との出逢いはうららにとって幸運であった。雪が「応援したくなっちゃう」のはBLの登場人物だけではない。それ以上にうららを応援しているのだ。
悪人がひとりも登場しない穏やかな作品で、光石研がさり気なく物語の要所を繋げる重要な役を演じている。この人もだんだん名人の域に入ってきた。
芦田愛菜は、言いかけてやめたり、途中で口をつぐんだり、当世の内気な高校生うららを上手に演じている。こう見えてうららは、時に全力疾走もする頑張り屋さんだ。雪でなくても応援したくなるキャラクターである。
やっぱり否定よりも肯定が受け入れやすい。否定するうららと肯定する雪。うららの人生を全力で肯定する雪に強く共感した。頑張れ、うらら。
心温まる良作
終始ほっこりしました。
出てくる人全てが優しく温かい素敵な映画でした。
雪さんが可愛すぎる。
おちゃめで、好奇心旺盛で、人を否定しない。
なんて素敵な人。
ひょんなことから出会い、友情を深めていく2人ですが、うららが出会ったのが雪さんで本当に良かった。
自分に自信が持てなくて、好きなものを好きと言えなかったり、一歩踏み出せない気持ちは誰もが共感できるはず。
私もいつの間にかうららを心の中で全力で応援していました。
うららの気持ちを包み込んでくれる周囲の方々の優しさも素敵。
その優しさに上手くいかなかった自分自身の過去も救われていくような感覚になります。
自然と主人公に感情移入でき、改めて芦田さんの演技力に感嘆しました。
終始ほっこりですが、気付いたら涙が流れています。
映画を見終わった後も2人の幸せを願ってやみません。
心の中に清々しい余韻が残る良作でした。
損得抜きで結ぶ友情が生む小さな奇跡
一口に「BL」と言っても、
描かれる中身は広範。
例えば「BOOKOFF」の売り場では
『よしながふみ』も(今でも)「BL」にカテゴライズされている。
〔西洋骨董洋菓子店〕などは、多少の片鱗が見えるくらいも
〔執事の分際〕あたりでは、かなりハードな描写もこれありで。
まぁ、次第に仄めかす程度の表現の仕方になって行くわけだけど。
で、本作、件の「BL」を鎹に、
随分と歳の離れたJKと老婆が友情を結ぶ。
主演はリアルJKの『芦田愛菜』。
役柄は自分に自信が持てない引っ込み思案の、
世間に数多居る少女。
それが、おそらく六十ほども歳の差がある『雪(宮本信子)』との交流を経て、
大人への階段を登る脱皮をする。
そのために用意されたエピソードは何れも秀逸。
勇気を出しても、なかなかに思い通りにならない現実が
まことに真実っぽい。
そうした通過儀礼を経て、少しずつの成長をするのだが。
それにしても、彼女が演じる『うらら』の態度は
傍から見るとかなり過敏。
以前よりも「腐女子」は市民権を得ていると思うのだが、
そうでもないのかしら。
コミックを買う時にしろ、それをカフェでテーブルの上に置く時にしろ、
周囲への気の使いようは尋常ではない。
一方、同好の士が多く蔓延る「乙女ロード」近辺では、
そうした気遣いは無用のよう(笑)。
『宮本信子』の演技については論を待たず、他方
〔星の子(2020年)〕に続きリアルな年代を演じた『芦田愛菜』は
やはり頭抜けた力量と感じる。
とりわけ、難しいと思われる泣きシーンでも、
その自然さに殊の外感心する。
また喜怒哀楽の表現が秀逸で、説明や科白に頼らずとも
内に秘めた感情が皮膚や服装を通しても外に発露するのは素晴らしい。
彼女を観るための一本と言っても過言ではナシ。
劇中で提示される「BL」コミックのストーリーや科白が
現実の二人の関係性に照射される等の仕掛けも上々の出来。
物語の流れから、そうなる予感は既にしてあるも、
実際に場面として目の当たりにすると
爽快感さえ覚えてしまうのは不思議。
純粋に好きな趣味で繋がり合う交流が
なんとも温かく微笑ましい。
雪さんみたいな女性になりたい
雪さんが本当に可愛らしくて魅力的な女性でした。うららちゃんもとても優しくて周囲を思いやれる素敵な女の子で、美人のクラスメイトに嫉妬してしまう多感なお歳頃らしさも含めて愛おしくてたまらなかったです。
素敵な二人の間に生まれた友情が素敵でない訳がなく、温かい気持ちになれるやり取りで溢れてました。
単行本の発売頻度をみて、長生きを決意する雪さん、世界で1番可愛いおばあちゃんだと思います。雪さんの言動は終始可愛らしくふふと思わず笑いがこぼれました。
雪さんにおすすめするBL本に悩みまくるうららちゃんの気持ちは痛いほど共感できました。そっと見守る本屋の男性店員さんも良かったです。
幼馴染の紡くん、うららちゃんの部屋でBL本見つけても気づいてないフリするのできる男すぎました。それなのに、終盤ちょっとうじうじしてるのは可愛すぎました。
初めての漫画1冊描きあげる過程は、最初はうららちゃんの画力がリアルに悩ましくて、先行きが見えなかったけど、雪さんがうららちゃんを全肯定してくれるから、ずっと安心して見てられました。あんな素敵な作品になるとは想像しておらず、内容にとても感動したし、コメダ先生が元気付けられたのも分かる気がします。即売会で売り子やってる雪さんを見たいので、いつかリベンジして欲しいです。
うららちゃん母の「わたしたち小市民はせめての精神で」的なセリフが個人的に作中イチの名言かなと思ってます。
サイン会は号泣でした。二人が友達になれて本当に良かったと心から思いました。
押し付けがましくなく相手の意思を尊重しながら趣味を共有する、人付き合いで大切な心得を改めて教えてもらえるような作品でした。好きなことに真っ直ぐでい続けられるためにも、そんな関係でいられる友達を大切にしたいです。
起と承が特にスゴイ
2シーン目ぐらいで宮本信子と芦田愛菜が出会うんだけど、流れが自然ですごいね。それで、それぞれを描写して、また出会う。ここで芦田愛菜が『貸しましょうか』と言って一気に仲良くなるのかと思えば、それはフェイントで……って自然な流れがスゴイの。
やっとカフェで話ができたと思ったら、BLの恥ずかしさを、年の差で話をする恥ずかしさと誤解して、でも、それも解いてって流れもいい。
それで、芦田愛菜は、BLについて語れる相手ができてすごく喜ぶんだけど、それを、校舎内を走るシーンだけで表現するんだよね。うまい。
そこからも最小限の台詞で表現して良かったな。
物語が進んで「これは、芦田愛菜は、描くしかないだろ、マンガ」ってなって。『才能ない人はマンガ書いちゃいけないの』が勇気をくれるね。
それで芦田愛菜、作品を書き上げるんだよね。これがスゴイ。いきなり完成させた。
ここで『やったー!』と喜びを爆発させても良さそうだけど、『たのしかった』と呟くだけで、爆発と同じ効果を出してくるのもスゴイ。
コミケに行って出展できないのは『わかる』って感じだったな。冷静にみたら、周りのレベルと全然違うしね。でも「あんなに喜んでたのに」と気持ちを寄せちゃうね。買ってくれた幼なじみは偉い。それで宮本信子が『こんなに立派なマンガを創ってすごいじゃない』と締めてくれる。冷静に考えて、スゴイと思うよ。いきなりコミケに出せる作品を創ったって。
そのマンガの内容もいいね。そんなに面白い訳じゃないけど、初期衝動を感じる。縁側で食べるカレーは美味しいよね。
あと芦田愛菜のヲタクっぽい演技すごい。色んな芸能人がヲタク役をやるけど、みんなただ早口で蘊蓄をしゃべるだけなんだよね。キョドった感がない。
大体、芸能人なんてきらびやかな世界でやれる人たちで、ヲタクとは対極なんだよ。だから真似できる訳がない。
でも芦田愛菜はキョドってた。本好きだって言うし、陰キャ成分を持った人なんだろうな。
エンドロールを観てたら『脚本 岡田惠和』で、「これは、うまいの当たり前か」と思いました。
芦田愛菜も好きになったし、良い作品だと思うよ。
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