メタモルフォーゼの縁側のレビュー・感想・評価
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メタモルフォーゼ=変質者(ダブルミーニング)
原作既読済。
大きな盛り上がりも鬱屈とする事もなく、ゆっくりと時間が流れてゆく。
観終わった時にほんの少しの寂しさと優しい幸せな気持ちになれる。
ほぼほぼ宮本信子と芦田愛菜だけでストーリが進行する。二人の役者を心から堪能できる。
こういう映画は稀有である。
私的には費用対効果がかなり高い。
以下つらつらと。
池袋のTOHOシネマズで観たのだが、平日の昼なのにほぼ満席。…そうか、此処は。
うららは今時の子にしては無地の服ばかり着ていて、視覚的に斬新。上手く陰キャを表現する手法と思う。
英莉に対して「ずるい」とうららは言うのだが、こちらの目に映るうららは芦田愛菜なので、全方位で完全勝利していてチョット複雑な心境。
進行ごとに習字で状況を表すのはクスッと出来て、良かった。
今作の原作改変部分は大体許せるのだが、コミティアに雪が参加できない件は許容範囲外。コミケをパスした二人が年の差で参加するのが醍醐味だろうに。
「遠くから来た人」に登場する二人は原作では佑真と咲良のオマージュなのだが、映画では追加されたコマによってうららと雪の関係も投影されている事が解る。「あれは本屋」「あれはカフェ」「縁側で食べるカレー」のくだりは目頭にぐっと来る。と言うか泣いた。
エンディングの曲も良い。二人がカラオケに行ったらこんな感じなのかな…なんて想像してしまった。
追記:雪さんに亡くなった祖母を重ねて視てしまい、うららさんにまだ居ない娘を重ねて視てしまい、感情がかなりバグって大変でした。
年齢問わずオススメ出来る作品
漫画「メタモルフォーゼの縁側」は知っていましたが未読。発想が面白そうなので見てきました。
倍賞千恵子主演の「PLAN 75」と同時期公開でしたが正反対の暖かい作品でした。
宮本信子の老婦人がまず可愛い。さらに芦田愛菜が演技が素晴らしい。憧れの漫画家役の古川琴音が出演してるのも嬉しい。脚本も演出も文句なし。
美しい表紙に魅かれて偶然に手に取ったボーイズラブ漫画をきっかけに友人になる雪(宮本信子)とうらら(芦田愛菜)、更にコミケに向けて自分たちで同人誌を売る計画を実行するというストーリーです。
登場人物が皆心暖かく主人公二人を見守っている姿がとても良かったです。
年齢問わず皆さんにお勧めできる作品です。上映中に是非ご覧ください。
創作活動を止めてしまった人達に観てほしい傑作
内容は原作漫画に沿った物語で、もちろん原作との違いもありましたが
主人公のうららちゃんが自分で漫画を描きだすところからはもうずっと応援してましたね。
漫画を描くという行為、描ききる事がどれだけ素晴らしいことかっていうのもありますが
描いてなおイベントに参加し、アクシデントもあり参加出来なかった自分が情けなく泣いてしまう……。
情けなくなんかないよ!君はとても凄い!素晴らしいことを達成出来たんだ!って叫びたくなります。当たり前にこっちが泣きます。
更に雪さんがコメダ先生に「ありがとう」と伝えるシーン。
作者側の立場で自分の作品で人が喜んでくれたという達成感を味わえる人と
読者側の立場で自分の好きな作品を生み出した人に気持ちを伝えられた幸福という
どちら側でも感動必須の名シーンでした。体感で劇場の9割の人が泣いてました。はず。
とにかくとても爽やかな、それでいて自分がオタクでいて良かった…と思える素晴らしい一作でした。
新しい世界を知るこいつだって人生を彩る
BLに魅了されるおばあさんと、BLが好きだが、そのことにどこか引け目を感じている女子高生の友情の物語。
もの凄い年の差があるのに友だちという関係性。
その2人の共通項がBL。という変わった設定。
しかし、この設定を変わった設定と感じてしまっていた自分はいかに固定概念に凝り固まっているんだなと思い知らされる作品であった。
友だちという関係はどんなタイミング、きっかけでも出来ることだし、ひとの好きなことは全て尊重されるもので、誰もとやかくいう必要がないものである。
そんなようなことを、2人の関係性をやさしく見守るように届けてくれるこの作品によって感じさせられた。
そして、新しいこと目標に向かって進み出すことは世代、年代問わず、はつらつとしていて美しいものであると2人の目標に向かって進む姿勢から強く心に響いた。
セリフは少ないけれど観たら幸せ気分…
「ずるい」
このセリフに全てが集約されている。
これだけで私はこの映画を観て良かったと感じた。
特に何の取り柄もない「私」が、誰にも言わず机の奥にしまっていた数少ない楽しみさえ、あのコたちは瞬時に手軽なコミニュケーションツールにしてしまう。
ずるい。
「持たざる者たちの悲哀」
「でも、少しだけ、一歩だけ進んでみたら、ちょっとだけ違う景色が見えた」
まあ率直に言って、芦田愛菜ちゃん(やっぱり「ちゃん」だなぁ)自身は、ちっちゃい頃から紛れもないスターで、勉強もちゃんとできて有名進学校に進み、今も女性タレントのCMランキングでベスト3に入るほどの「数多くのものを手に入れた」タレントな訳で(もちろん現実のご本人にはご本人なりの苦悩や辛さがあるんだろうことは解った上で)、そんな人がどの口で「持たざる者」を語るのかという気持ちも無くはない。
でも、ちゃんと「持たざる者」に見えるからこそ、彼女は才能に溢れた女優なんだよな。
あのカッコ悪い走り方。
あれも彼女の役作りなワケでしょ。
たまらんなぁ。
…などと卑屈に浸っていてもしょうがない。
「老人と高校生の友情物語」と聞いて、当然最後は老人と死に別れる悲しい話だと思った私はとっても浅はか。
ちゃんと元気になれる良い映画。
(ここから少しネタバレ)
ただ、やっぱりみんな良い人過ぎるのが気になった。
だって、コミケのアレ、まずは怒っていいじゃん。
必死で準備したのに、当日アレじゃあさ。
もちろん不可抗力でしょうがないけど、それをうららちゃんが「自分が情けない」って泣く前に、「分かってるけどやっぱりムカつく」くらいの描写があってくれると、もっと親近感が持てたかも。
あと、マンガの登場人物に対してああいう感情の寄せ方をするのって、自分に経験がないので、二人がマンガの話をするシーンがウソ臭く感じてしまった。
ま、単に私がひねくれてるってだけですが。
可愛いと幸せな気持ちが詰まった映画。
まずは言いたい。
宮本信子さんの雪さんが可愛い!!!
これまでも宮本信子さんが演じられるおばあさん(あまちゃん、奇跡の人etc...)は高齢の方の仕草のリアルさがありながら、愛らしさもあって大好きだったので、絶対本作の役のおばあさんも好きになるって知ってた。
知ってたけどやっぱり可愛い!!
雪さんがうららさんと仲良くなってはしゃいだり、嬉しそうにマンガのこととか色々話したりしてるの見てるだけで幸せな気持ちになった。
そしてもちろん芦田愛菜ちゃん演じるうららさんも可愛い。
嬉しそうに雪さんのおうちに行く姿を見てこちらも幸せな気持ちになった。
お友だちって実は歳の差があったほうが色々と楽しそうだし、互いの色んなものを補い合えるのかもしれないなーと思う。
そして歳の差に限らず同じ好きなものについて話せる友人はいいよね。お友だちこそ前向きな思いで繋がれる人が良い。
個人的に好きなシーンはコメダ優先生のサイン会に行った雪さんがコメダ先生に「この漫画のおかげで私たち友だちになれたの」って言うシーン。とても良かった。
雪さんとコメダ先生(古川琴音さん)の嬉しそうな表情を見ながら、ご都合主義かもしれないけどそれでも美しい奇跡に泣いてしまった。
しかしうららさん、同人誌販売イベントに申し込んだはいいけど、印刷の入稿締め切り10日前からペン入れ始めるところでは「え、落としちゃわない!?大丈夫!?」とハラハラしたぞ(でもちゃんと仕上げたうららさんすごい)。
全編通してうららさんと雪さんの出会いのきっかけとなったBLマンガのストーリーと重ね合わせながら、うららさんたちの物語も進む演出だったんだけど、恋であれ、友情であれ、親愛であれ、相手のことが大好きで大切に想っているっていう点については同じなのよね。
そしてスクリーンの前で「うららさん、雪さん、幸せになれ!頑張れ!」って応援したくなる気持ちも、スクリーンの中でマンガの2人を応援するうららさん、雪さんと重なった気がした。
ほっこり幸せな気持ちになれる可愛らしい映画だった。
EDの主演2人が歌う「これさえあれば」も大変可愛くて良きだった。
登場人物が全て重なり変身してしまうエモい映画。
内容は、隠れ腐女子の主人公と好奇心旺盛な老婦人が、ボーイズラブ(BL)漫画を通じて年齢差を越えて心通わす物語。好きな言葉は『ホントに大切なモノは、ホントに大切にしなきゃダメよ!』老婦人が主人公に告げる時、一瞬無音になり時が止まる場面。雨が降り出し別れ際に借りた傘を☂️開くと真っ赤な花柄が目に入るシーンは主人公の心の機微を映像と演出で上手に表現するなぁと感心したし、転換期のミッドポイントで非常に素晴らしい変化でした。感動とは、罪悪感の解放であるとはよく言われるますが言葉にならない各個人の体験や想い出を追体験させられる様な感じで非常にエモいと共に、残酷な現実も感じました。出せなかったファンレターや主人公の幼馴染みの男の子の羨望の彼女が留学する時も主人公が夢に向かう事が出来たから素直に他人の夢を応援出来たり。幼馴染みの男の子の背中も押してあげる事が出来る。創作活動に苦悩する主人公と尊敬する漫画家等今日の自分は、いつかのあの人かもしれない。いつかのあの人は今日の自分かもしれないとの思いをエモい無音に表現とエレキギター🎸で見事に表現された、原作を上手く映画様に🎞再解釈された珍しい作品だと感じました。しいて言えば最後は映像的に左に走り去る方が自分としては好みでした。映画の影響でカレーを食べて帰りました。
エンディング曲は芦田愛菜ちゃんと宮本信子さんのデュオ!
映画館で予告を観て芦田愛菜ちゃんと宮本信子さんという新旧の名女優の共演ということで面白そうだったので観てみました。
映画はゆっくりていねいに流れ、物語に大きな起伏があったり大きな山場やクライマックスがあったりもせず、ヒューマンドラマとしてはちょっと異例かもしれません。
そのぶん、主人公たちの細かい心の機微を楽しむといった感じでしょうか。
ただ、さすがの芦田愛菜ちゃんなんですが、相手が宮本信子さんとなると、う~ん。
フツーの若干おとなしめの女の子の役なので、感情の起伏を大きく見せるわけでもなく、終始フツーの女の子で終わります。泣きの演技はさすがでしたが・・・。
やっぱり「あまちゃん」の、のんのかなり風変わりな女の子のほうが宮本信子さんの演技に対抗できてたと思います。
芦田愛菜ちゃん、宮本信子さんのキャラに完全に喰われていたかなと・・・。
終始ゆったり進むので、物語的な山場も大きくほりさげることなく、現実味のある感じでサラっと終わってしまいます。
ってな感じで、芦田愛菜ちゃん演じるうららが、宮本信子さん演じる雪さんと、近くなっているようで近づきすぎず、心を開いているようで開ききっていない、そういう微妙な感覚を読み取り感じ取るセンスのある方なら楽しめると思います。
伏線なんかも、気づく人だけ気づけばいい的なスタンスですし。
日常の、少しの変化に喜びを見出していくような映画です。
よくある映画的なクライマックスや盛り上がりを用意してくれているだろうとか期待しちゃうと肩透かしを食らうかもしれません。
できれば、家で仲のいい人と、ゆっくりあーだこーだ話しながら見ると楽しい映画かもしれません。
エンディングテーマの二人のデュオはほっこりしてよかったです。
これさえあれば平気さ
望むものなど何もない
エンドロールに流れる T字路’sのカヴァーを2人のキャラクターが歌う心地よさ
一つの悪意も画面から出てこない夢のような物語
その分 単調なストーリーを 演技で魅せていく
芦田愛菜さんって パシフィックリムでくらいしか見た事無かったけど 素晴らしい存在感
短いシーンだけど 幼馴染と電車で隣り合う時の 複雑な応援する気持ちと 多分仄かな恋心
見送って 切り替えホームで疾走する姿
あの一連の輝き もう一度観たくなる
他の作品も見てみます
いい映画ですねーーーー!
なんだか歳をとるのが楽しみになりました。
感性が豊かだと新しいことに興味が出るし、仲間もできるのですね。
うららと雪さんが大切なことに気づかせてくれた映画。
ありがとう。
芦田愛菜の笑顔は癒される
ヲタクの距離感
メタモルフォーゼの縁側 鑑賞
原作とほんの少し違うところがあって少しうん。。となったところが一箇所あったけど宮本信子さん 演じる雪さんと芦田愛菜ちゃん 演じるうららさんが完璧すぎて文句なし。オタクの関係性とはドライでありホットだと思う。仲良くしてても相手の素性をよく知らなかったり、知る必要もない気がしていて、離れた場所に住んでいても、年齢が離れていても、性別がちがっていても、愛している、推しているものが同じという共通項それだけがあればいいのである。そんな関係性がとても温かく素敵に描かれてたなぁ。
作者の先生に 私たちこの作品のおかげで友達になれたんです。描いて頂いてありがとうございます。 というセリフがあって、このセリフわたしも、とある漫画の作者の先生にサイン会で伝えたことがある。
コミティアやコミケにいくのは欲しい作品があるからだけど、生みの親に会えるから、生みの親にお礼を言えたり差し入れできるからっていうのが大きいです。あの会場には夢と希望と感謝が詰まっていて行くだけで幸せになれる。
作者先生様にはほんとに無から素敵なお話とキャラクターを生み出してくれて、なおかつ同志と会わせてくれて、幸せをたくさんありがとうございます😭って感謝しても仕切れない。だから出会いというのは必然ではなく偶然で大切にしなければいけないなとしみじみ思ったのでした。
じゃのめ先生 の美しすぎる絵もスクリーンで映えまくってました。。✨✨
60歳差の最強コンビ❗️ラスト少し泣ける😢
メタモルフォーゼとは変身という意味だそうです。ひょんなことから、BL漫画を通して繋がっていくおばあちゃんと女子高生。BL好きを隠したいうらら(芦田愛菜)と堂々とBLにハマっていく雪(宮本信子)がなんとも対照的。陰キャのうららが陽キャというより天然の雪に引っ張られて前向きに少しずつ成長いていく姿を描いた作品だと思う。芦田愛菜さんの地味な女の子の演技、演出さすがです。髪型も丁度良い地味さ加減。宮本信子さんは実年齢とほぼ同じ役柄を演じましたが、おばあちゃん役はまだ早いと思うくらい綺麗で若々しいかたです。縁側のある雪の書道教室。裏に大きなマンションが建っていて、ポツンと取り残されたような家がうららのパワースポットになっていく。雪の言葉が素晴らしい。「才能がないと漫画描いちゃいけないの?」「人生どこでどうなるか分からない」などなど。うららがやたらと全力で走るシーンがあるが、彼女の葛藤と変身を表していたんでしょうか。うららの描いた漫画は売れなかったけど、一冊が2人の好きな漫画家コメダ優(古川琴音)に届いたこと。そのサイン会で、雪が多分70年ぶりに子供の時に出せなかったファンレターを渡せたことも2人が出会って縁側で語り合ってこそ。淡々としているストーリーだが、心がほんわかする作品でした。エンドロールで流れる2人の歌も良かった。愛菜ちゃん歌上手いなあ。
「あの頃。」に勝るとも劣らない作り手の心意気
人との交わりの尊さ
頑張れ、うらら
ほっこりするいい作品である。やはり宮本信子は大した女優だ。本作品での市野井雪の役割を完璧に演じ切った。
芦田愛菜が演じた佐山うららは、何から何まで雪と対照的である。それは二人がレストランで名前を名乗りあったときに、雪がいみじくも言った「晴れている人と降っている人」という言葉に象徴される。
雪は能動的でポジティブでブレない。しかしうららは受動的でネガティブで毎日がブレブレである。雪との出逢いはうららにとって幸運であった。雪が「応援したくなっちゃう」のはBLの登場人物だけではない。それ以上にうららを応援しているのだ。
悪人がひとりも登場しない穏やかな作品で、光石研がさり気なく物語の要所を繋げる重要な役を演じている。この人もだんだん名人の域に入ってきた。
芦田愛菜は、言いかけてやめたり、途中で口をつぐんだり、当世の内気な高校生うららを上手に演じている。こう見えてうららは、時に全力疾走もする頑張り屋さんだ。雪でなくても応援したくなるキャラクターである。
やっぱり否定よりも肯定が受け入れやすい。否定するうららと肯定する雪。うららの人生を全力で肯定する雪に強く共感した。頑張れ、うらら。
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