「芦田愛菜and宮本信子」メタモルフォーゼの縁側 琥珀糖さんの映画レビュー(感想・評価)
芦田愛菜and宮本信子
17歳の女の子と75歳の女性が、BL漫画で趣味で意気投合するあれやこれやと、
喜びを描いている。
好感の持てる映画でした。
ここで2人が意気投合するBL漫画は、恋愛未満の穏やかな内容。
まだ恋には熟していない少女(処女)と、そんな事は卒業した老女。
縁側でお茶を飲み、咲良(さくら)くんと祐真(ゆうま)くんの恋に
ハラハラしたり、ジレったかったりして、
最後には応援している2人。
どこまでも清純で危険な事は起こらない。
芦田愛菜ちゃんが大好きな人には大満足な作品だと思います。
(頭が良くて、機転が効いて、清潔で好感度が高い)
女優?
なんかちょっと女優って言うスペシャル感は薄い。
漫画家役の古川琴音は、
ひときわゴージャスで目を見張った。
これぞ見たい女。
眺めていたい女。
宮本信子についてちょっと語らせて下さい。
伊丹十三監督の妻であり主演女優だった。
伊丹十三は宮本信子の主演作を撮るために監督になったのでは?
「お葬式」「マルサの女」「あげまん」「ミンボーの女」
「スーパー女「タンポポ」
妻・宮本信子の才能を誰よりも分かっていたのが夫・伊丹十三。
伊丹十三の監督作品は今観ても、素晴らしく面白い。
主演女優の宮本信子は途轍もなく凄い。
夫の死後も宮本信子は名バイプレイヤーとして輝き続けている。
宮本信子の大女優の人間力が縁側の下で支えている映画。
(縁の下に力持ちがいる訳です)
芦田愛菜ちゃんが計算された「素の演技」
と、すると
宮本信子は大女優の肩の力を抜いた「プロの自然な演技」
ラストの“うららと雪“のデュエット曲「これさえあれば」
日本人の個性として、素人ぽさ!!
これを割と重要視する文化です。
芦田愛菜の歌は素材だけ。
宮本信子はプロの歌声。
(芦田愛菜は声優としては素晴らしいと思う)
17歳と75歳の好むBL漫画・・・と言う事で、
「窮鼠はチーズの夢を見る」
「his」
「美しい彼」
外国なら、
「君の名前で僕を呼んで」
「ブロークバック・マウンテン」
「モーリス」
などのような過激さも深みも薄い。
まあ、
「趣味で結ばれる年の差の友情」がコンセプト。
うららはまだまだ発展途上。
青春はこれから。
まだまだ果てしなく世界広がる・・・。
そして芦田愛菜も発展途上・・・
どんな役者に成長するか楽しみです。
早々にいいねをありがとうございます。
相変わらず琥珀糖さんの情報量はすごいですね。
わたし、なんもわかっていませんが、この作品も面白かったです。
最近の邦画は最高ですね。
今晩は。
レビューに、伊丹十三の名前が出ていたので、つい。
私、小学生の頃から伊丹十三の名エッセーの数々に耽溺し、(前作、持っており、今でも時折読み返すので、絶対に売らない!)その後、伊丹氏が映画監督にもなった際に、父親に連れられて「お葬式」「タンポポ」をはじめ”女シリーズ”も嵌りました。(ただ、父は伊丹さんがさり気無くエロいシーンを入れてくるので、逡巡していましたが・・。)
では。返信は不要ですよ。
宮本さん(信子)について、詳しくなれた気がして嬉しい!というレビューでした!
「マルサ」も「たんぽぽ」もその頃今ほど情熱的でなかったために観てない俺は助かります! 再びスクリーンにかかる時を逃さないようにします!
自分は書いたように芦田先生(愛菜)の安定した演技を観ていれば、幸せなので。