THE FIRST SLAM DUNKのレビュー・感想・評価
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あきらめたら、そこで試合終了だよ
スラムダンクにはこれまでほぼ縁がなく、安西先生のあの有名なセリフと桜木花道という主人公の名前ぐらいしか知らなかった。
そんな無知でもすごく楽しめる作品だった。主人公は花道ではなくリョータなのだが、安西先生にも桜木花道にもちゃんと見せ場が用意してある。敗者となる山王工業高校チームへの眼差しがあたたかいのも素敵である。
試合の進行とリョータの生い立ちを交互に描いていくストーリー。リョータと母親の関係が修復される物語がもう一つの柱だ。広島で行われる試合を内緒で観戦した母親が、試合から帰ってきたリョータに「山王との試合どうだった?」と白々しく尋ねる場面がとてもよかった。そうそう、母親ってこんな感じなんだよ。
アニメ作品だけど、人の動きはほぼ全編にわたってモーションキャプチャーの技術。それぞれのキャラクター専用のアクターが用意されていたことが、エンドロールでわかった。「それなら実写でもよかったのでは?」という疑問も頭をもたげかけたが、この「熱さ」はアニメでなきゃ描けないと思いなおした。
評価を★5つとしたのは、『トップガン マーヴェリック』に4.5を点けちゃったので、それ以上にしたかったから。私の中ではマーヴェリックを超える。
内容は想像と違ったが感動が爆発
スラムダンク自体は私が小学生の頃からやっていた漫画で、アニメも含めて何度も観ていました。
今回の映画に関しては事前情報が全くなく(あまり検索もしなかった)、個人的には山王戦の映画化かな?程度で行きました。
冒頭のシーンからCG感がいっぱいで少し「ん〜」って感じでしたが、それが気にならないくらいかっこいい始まり方でスタート。
音楽もとてもカッコよくてチョイスが絶妙でした。
話の内容は知ってる方もいるとは思いますが、一応ネタバレを懸念し書きます。
湘北高校バスケ部のスタメン5人の中の1人のサイドストーリーにそって話が進み、過去の人生の中で辛いことや悔しいことを乗り越え、現在のバスケ人生に至るところがとても感動的でした。
今回は声優陣が全員変わっているのですが、アニメのスラムダンクの続きとかそう言う考えを持たなければ全く気になりませんし、私的には違う作品だと思って観ていました。
本当に感動しました。
評価を満点にしなかったのは、過去の回想シーンが所々入る際に間延びを感じてしまう時があったのでそうしました。
作品は最高でした。
認めよう、今はこの動画を。
初めての感覚
先が読めてはいるものの、試合と回想が目まぐるしく切り替わっていき、ドキドキとしんみりが入り混じった、アニメ映画にしては初めての感覚であった。
試合に引き戻す重要な要素となる音楽も、スポーツ映画にしては珍しいバリバリのロックで新鮮だった。
ドルビーシネマで見たが、その意味があった。
肝心なアニメーションは、CGベースではじめは違和感があったが、アップでは線画で描かれ、井上雄彦の漫画らしさが出ていた。
あれだけ動くバスケシーンがあると、CGでないと作るのが非常に困難だろう。
スラムダンクは昔一度読んだくらいでそこまで思い入れがある自分ではないが、作品として非常に満足である。
強いて言えば、昔のOPかEDを流してくれたら涙腺崩壊だったろう笑
かっこよ!
一見さんは絶対見ない方が良い
某映画批評などで一見さんでも大丈夫!楽しめます!と触れ回っていますが、
楽しめません。
私は、原作漫画をリアルタイムで読んではいるものの当時の記憶は薄く、大筋の流れとメインのキャラクターしか知りません。
なので、今回はほぼ一見さんと同じポジションで見に行きました。
一見さんでも楽しめる、ということは、試合がメインで予告にあったような原作リスペクトの3Dがカッコよく動くのとばかり思っていました。
ところが、蓋を開けてみると1人のキャラに視点を当てて回想と試合を行ったり来たり。
そのせいで、試合で盛り上がってきたところで回想に行き、見てるこちらの気持ちは盛り下がるばかり。
しかも、その回想が暗い。
試合を見る高揚感がいっきに冷めてしまう。
そしてまた試合に戻って気持ちがたかぶってきたタイミングで落とされる。
この繰り返しで全然映画にのめり込めませんでした。
せめて主人公の回想であればここまでの成長を垣間見れて楽しかったかもしれません。
でも、視点が当てられるキャラは主人公ではない。
そこにも大きな違和感があり、試合中の主人公が浮いてみえて、彼の言動行動の重要性が薄れていました。(他レビューで声優がダメと言ってる人が多いですが、原因はこの構成せい。これで変に見えてしまっていると思います。)
キャラのカッコ良いプレーが全然ないのも残念すぎて、もっと席を立ち上がってしまうような熱狂を作って欲しかったです。
逆に原作が好きな人にとってはキャラの裏側が垣間見れてとても楽しめる内容だとは思います。
とはいえ、一見さんは見ない方が良いです。
…全く知らない人が見たら、誰が主人公か分からないのではとか思っちゃいますね…
原作に忠実
この映画を見た後スラダンにはまるまで
スラムダンクの原点
最高のバスケシーンと最高のドラマシーンで紡いだ傑作
原作マンガのアニメ化、
しかもアニメは既にテレビで放映済み、
監督は原作者、だが映画監督としては素人。
期待はしていなかった。
だが凄まじい完成度だった。
試合と過去のカットバックで
見せていく構成はセオリー通りだったが
過去のドラマが想定を大幅に超えていた。
唐突に始まる原作に無い
オリジナルのストーリーを皮切りに
次々にキャラクターへ感情移入させられた。
原作を知らない人への説明を捨て
純粋にスラムダンクファンのために
作られた作品のように思えた。
そしてリアルな試合を見ているかのような
臨場感溢れるバスケシーンは圧巻そのもの。
井上先生は桜木花道のように
映画監督の「ド素人」でありながら
映画を突き詰めて
最高の結果を出した。
男惚れ
こんなに「かっこいい」映画が日本映画であることが本当に誇り!
井上雄彦カッコ良すぎるよ、ダサさが何もないよ、
スピード感も展開も構成も
笑いのタイミングもぴょんの出し方も
映画そのもののリズムがカッコ良すぎ!
(オープニングと劇中歌最高鳥肌)
最初リョータが軸になってるって聞いて疑ってたけど
漫画全巻を2時間にまとめるための方法として大正解だったと思う
そうだよね、桜木と流川の物語は漫画でもう語られている
何かを失った悲しみを昇華させて進化する物語は、
今このコロナ時代に映画を作る大きな意味になってると思う
ただ漫画の二番煎じをやるんじゃなく、
「今」こそ必要とされる作品として生まれ変わらせていて、
そーいうところが
惚れる
かっけぇ
原作者でなければ出来ない大胆に抉られたエッセンスが忘却の彼方にあった興奮をこれでもかと鼓舞する、凄まじい熱量が封じ込められたスポーツ映画の金字塔
あらすじはシンプル、山王工業高校対湘北高校、以上。
ほぼほぼ30年前に原作を貪り読んでいた世代にとってはウソみたいに意外な滑り出し。喩えるならヴァン・ヘイレンのベストアルバムの1曲目が“暗闇の爆撃機“じゃなくて“Humans Being”だったくらいの衝撃。NHK朝ドラの第1話みたいな展開の後はリョータ、三井、流川、桜木、赤木、 彩子、安西先生といった主要キャラ達の心情を巧みに掬い上げるエピソードをグルグル回しながら怒涛の対決を活写。ナラティブな台詞もなければ親切な注釈もないので原作を知らない人は一瞬怯むかも知れませんが正直何の問題もないというか予備知識がゼロの人にしか味わえないカタルシスがちゃんと用意されています。原作者の井上雄彦が監督・脚本を手がけているというのがとにかく物凄いアドバンテージで、膨大な物語を拙速に描くのではなく原作者じゃなければ出来ないであろう大胆な取捨選択で124分にトリミングしています。そこに足されるのが長い年月の中ですっかり忘却の彼方にあった名台詞の数々、そして何より原作がそのまま動き出したかのような美しい映像、そしてまるで夢中にコミックを読み耽っているような錯覚に陥る没入感を誘うサウンドトラック。特にギターリフの使い方が絶妙で、ここぞという時にザクッと鼓膜に楔を打ち込んでくるので何度も何度も鼻と目をハンカチで拭うことになります。耳をつんざくような爆音もそれとは真逆の無音も感情を激しく揺さぶる。武部聡志とTAKUMAの力量に圧倒されます。
声優陣の演技も見事で一点の曇りもない。どのキャラにも血が通っているのでアニメを見ている感覚も途中から抜け落ちてしまい、試合後の静寂やその後にも続くドラマの断片はもう実写を見ている気分でした。
とにかく途方もなく爽やかで切なくて美しくて、エンドロールは涙で霞んで読めなくなりました。
一つ残念なのはこれほどの大傑作を自分が小学生の頃に観れなかったこと。逆に言うとこれを観た小学生の中からドエライ才能が開花するはず。それぐらいのエネルギーを全方位に放つスポーツ映画の金字塔です。
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