「スラムダンクという作品の伝説のエッセンスがつまった一作」THE FIRST SLAM DUNK トーリさんの映画レビュー(感想・評価)
スラムダンクという作品の伝説のエッセンスがつまった一作
原作漫画や当時のアニメを記憶している人がこれを観たらそれは
高評価も当然といえる出来。
この映画が完全にスラムダンク初見という人にとっては迫力ある
試合シーン以外の部分を理解するのは難しいかもしれない。
動きまくるキャラはベースは3DCGだけにどの角度でも絶対に
作画的には崩れないので、硬質な肌感とあいまってある種の
怖さを感じはするのだが、そういうこだわりを持っていない
大多数にとっては単純に「すごい」と思えるものである。
井上雄彦先生の描くキャラが単純にかっこよく、美形キャラも
そうでないキャラも個性が醸し出す魅力がめいっぱい再現されて
いる。
BGMもあいまって緩急のつけかたが凄い。
名セリフの数々もしっかり入っている。
試合の激しい展開にとことん没頭しそうになるたび回想シーンに
切り替わったりする進め方はそういう焦らしプレイの手法なの
だろうか。思えば鬼滅の刃もそういった進み方の印象がある。
関係ない話だが、原作漫画の最終回を本誌で読んだ当時、連載の
インターバルを空けて続きがまた描かれるものだと思っていた。
バガボンドの連載が始まったくらいで初めて「あぁ、もうスラダン
は完結したんだ」と実感したように記憶している。
週刊少年ジャンプの黄金時代を担った作品の一つを蘇らせた今回
の映画、タイトルについている“THE FIRST”の言葉が観た人それぞれ
にそれぞれの想いでもって刺さるのではなかろうか。
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