「スポーツ×少年漫画原作映像の真骨頂」THE FIRST SLAM DUNK ひろみちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)
スポーツ×少年漫画原作映像の真骨頂
度肝を抜かれた!
それはさまざま観点から。
まず映像の描写。所謂最近多い彩度高めの綺麗なアニメーションではなく、まるで漫画のタッチがそのまま色を身につけて動いているよう。スポーツという激しく細かい動きが求められる映像において、繊細にかつ忠実に、そしてリアルよりも現実味を帯びて丁寧に動きの一つ一つが描き出されてる。バスケのドリブルのシーン、パス、そしてシュートどこをとっても漫画では味わえないスムーズさと迫力をもって目に飛び込んでくる。
これほどまでにリアルに細部まで表現されたスポーツアニメーション映画は初めてかも。そしてこれから、主流にかるのかも。
それから構成。メインの山王戦をこれでもかってくらい描きつつ、その間間で過去の回想やそれぞれの想いが綴られてくる。スタメンメンバー5人。原作を読んでない人を置いていかないように、とかそんな配慮はない。最初から最後までこの5人で当然、いきなりゲームスタート、しかも山王戦、それまでの道のりなんて描きません。そんな圧倒的に強気な構成がまた最初から最後まで伝わって製作側気合いも感じられたかも。
そしてなんといってもいちばんの驚きはストーリー。
原作の漫画を映画にする場合、作品の大枠は変えずに大抵は最初から最後まで流すか、どこか一部分を切り取って再現するか そんな2通りな気がする。それか全く新しいストーリー(スピンオフてきな)を描く。
今作品はそのどれでもなく、メインはこの作品の大一番の山王戦 というかほぼ山王戦 だけど、スポットライトが当たってるのは花道でも流川でもなくリョウタ。幼少期の父、憧れの兄との死別からバスケを通して這い上がった男の大舞台として描かれてる。それぞれが色んなものを背負ってここに立ってる。バスケしかなかった自分からバスケを奪わずに見守ってくれた母への感謝や憧れである兄と比べられて殻に閉じこもっていた自分の脱却など、この試合を通してそんな奥の深いとこまでこの不器用な男を描いている。好きになっちまうよ。
全体を通して、原作とは違うアプローチ 視点で描きながらも各メンバーの個性や監督の名言などスラムダンクの作品としての素晴らしさは描きつつ、、、
なんか、すごいもの見せられたなぁって気分です。
ストーリーはもちろん、山王戦にも、この作品にも、色々なものに感動させられたなぁ