「アニメでこの内容が観れた事が大満足。」THE FIRST SLAM DUNK Theo5さんの映画レビュー(感想・評価)
アニメでこの内容が観れた事が大満足。
中身の内容が全く掴めていない状態のまま映画館に足を運んだ。
おそらくアニメでやっていなかった山王戦を見せてくれるのだろうという期待を持って、上映開始を待った。
原作は既読済み。
映画を観終えての大まかな気持ち的には映画館に足を運んで観れてとても大満足。
満点が100点なら85点ぐらいの満足感を得れた。
アニメならではのキャラクターがぬるぬる動くスピード感に、臨場感溢れる音と迫力に、そうだこれがアニメで見たかった山王戦なのだと感動を覚えた。
というよりも原作だけで100点を優に取れる素材である事は疑う余地が微塵もない。
本当に行って良かった、ありがとうという気持ちでいっぱい。
なのだが、ではなぜ85点なのかという理由を本当に些細な事なのだけれど言及したい。
まずはアニメならではの良かった所は先ほど述べたが、
漫画独自にあったキャラクター達の心理描写がアニメだと、
間が速すぎてちょっともったいないなと感じる場面がちらほらと見受けられた。
なにげないセリフでも名セリフになっているのでもうちょっとしがみたいのだ。
そして原作でのカットシーンである。
個人的に好きな魚住のかつらむきのシーンや、安西先生が「座りなさい」と鬼人化するシーンや、仙道と流川の1on1から「沢北じゃねぇか」のくだりがなかったのが凄い残念だった。
最後に一番言及したいのは主役が宮城リョータになっていた事。
おそらくこの映画の賛否両論部分はここだと思うのだが、
個人的にはやっぱりスラムダンクは桜木の成長物語であると思っているので、
宮城を主人公に据えられるのには違和感があった。
原作ではほとんど語らられなかった宮城の壮絶な過去での、
バスケに対する決意という点においては凄い理解が深まったのだが、
山王戦の間に挟まれるそれらのエピソードが、
はやく続きがみたい気持ちと相まってちょっと邪魔に感じてしまった。
なんというか今じゃない感。
宮城の過去に対して想いを馳せればいいのか、
それぞれのキャラクターに様々な場面で、
成長が凝縮されてスポットがあたる山王戦を楽しめればいいのかが、
映画を観ている間に少し解らなくなってしまった。
それでも本当にあの息が止まりそう試合終了残り20秒をアニメならではの表現で、
その場に自分もいるのではないかというような臨場感で体験出来たのは物凄く興奮出来たし、
本当に細かい些細な部分はあるのだが概ね大満足出来る作品である事は間違いなかった。
わがままを最後の最後にほんの少し言うと、
声優の変更などは別に問題を感じなかったのだが、
『君が好きだと叫びたい』と『世界が終わるまでは…』が劇中なりエンドロールで聴きたかったなと。