劇場公開日 2022年12月3日

「とても良かったです」THE FIRST SLAM DUNK slamdunkfan2023さんの映画レビュー(感想・評価)

5.0とても良かったです

2022年12月3日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

◎原作漫画は数十回見ている
◎当時のアニメはあまり見ていない
◎バスケ経験者
からのレビューです。

<バスケのディテール>
・とても良かったです。原作に忠実でありながら現実的にありえるプレイに仕上がっていました(NBAレベルですが...)。
・音もこだわっていて、ボールのはねる音などもリアルでした。
・リングの「ガコッ」という音が90年代の旧式のゴールで、井上先生のこだわりが感じられました。最近のゴールは品質が良いので鈍い音はしません。
・原作のコマを抜き出すようなプレイで「止め」のタイミングがなく、高速でシーンが通り過ぎてしまうので目がちょっと追いつかないときがありましたが、それでも最後の1分間は原作以上の緊迫感でとても良かったです。
・花道の「ラストショット」はとてもきれいなフォームで、確かに1万本シュート練習したんだろうなと思わせました。
・全体的にバスケシーンは細かいこだわりが随所にみられ、井上先生が表現したかった世界が再構築されています。しかも原作を裏切っていないですから、ここは評価したいです。

<ドラマ性>
・宮城選手の過去が描かれます。家族構成などが詳細に描かれ、原作ファンなら満足できると思います。
・ジャンプに読み切り掲載された幼年期のエピソードをふくらませたようなものです。
・ネタバレになるので控えますが、最後にアメリカに渡ったある選手とある選手が邂逅します。原作にない設定なので「ええっ?!」となること請け合いです。映画館で確かめましょう。

<キャラクター>
・声優が違うということで最初は違和感がありましたが、最後にはなくなりました。おそらく井上先生も、キャラが特定の声に紐づけられることを避けたのではないでしょうか。自分としてはそれは成功だったようにも思います。オリジナルアニメファンの人には受け入れがたいかもしれません。
・精細な3Dになったことで、山王チームの強さが、絵だけではないパワーとして迫ってくる感じがわかり、とても良かったです。とくに河田と沢北はずば抜けていました。あと深津の落ち着き払ったプレイもとても良かったです。そりゃ強いわ。
・メガホンをもって威圧するような山王の応援団の声援も、「ああ90年代当時こんな応援あったな~」と思い出させるもので、井上先生の記憶力とこだわりに脱帽しました。
・安西先生はイメージ通りで、奥さんとプライベートなシーンが一瞬出てくるので原作ファンには嬉しかったです。また、アヤコと晴子は原作よりもアクがない美人っぽく描かれています。
・改めて、名ゼリフだらけだと思いました。「あ、来るな」と思っても目がウルっとしてしまうことが何度かありました。

<総評>
・原作ファンなら間違いなく楽しめます。若い世代のとくにバスケにまったく興味がない人にはつらいでしょうが、そもそもファン向けのものとして忠実さとリアルな試合の再現に割り切っており、この方向性は良かったと思います。
・今回は宮城選手が主人公でしたが、このクオリティであと4人の湘北選手にスポットを当てて作られる映画が楽しみです。
・サブエピソード的に原作キャラのプライベートなシーンが描かれるのもファンとしては良かったです。海南、綾南、翔陽といった他チームも描かれるのが今から楽しみですね。
・一番の印象は、山王というチームの強さを肌で感じることができ嬉しかったです。こんなの10回中9回は負ける相手です。ですが勝ちました。だから感動するんですね。

slamdunkfan2023
おっちょさんのコメント
2022年12月6日

声優陣が高校生の声にしては老けすぎている印象でした

おっちょ
MUGEN_kaiさんのコメント
2022年12月3日

素晴らしいレビューです!私も同じ境遇なので激しく頷いてしまいました。ボールの跳ねる音とか、ハンドリングの描き方が拘ってて井上先生!って思いました!

MUGEN_kai