劇場公開日 2021年6月11日

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「邪悪な三位一体」インヘリタンス kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0邪悪な三位一体

2022年5月13日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

 銀行家の父アーチャー、検察官となった娘ローレン、政治家となった弟ウィリアム。3人揃えば怖いものなし!てな感じで豪邸に住む裕福な一家。ただし、子どもたちは独立。心臓麻痺で急逝したアーチャー・モンロー氏だったが、とにかく遺産相続がエグい。妻キャサリンに対しては会社の権利、ウィリアムには5千万ドル、そしてローレンには100万ドル??

 まぁ、このインヘリタンスというタイトルがミソだったように思えます。不公平な遺産相続は遺言書にあるから仕方ないとしてもローレンが納得するのにも意味があった。黒人公務員のスコットとの結婚で父親と対立していたローレン。検察官としての地位も確立していたし、何しろ愛すべき家族がいる。金よりも正義感!といった雰囲気なのに、父の弁護士ハロルドから特別にビデオ映像と鍵を貰ったのだ。

 裏庭にある隠された地下室に人が・・・この衝撃的なプロットだけでも満足できるのだが、囚人となったモーガン・ワーナー(サイモン・ペッグ)の凄みのある演技がいいのです。サイモン・ペッグに見えないほど、肉体改造やメイキャップによって徹底したサイコ野郎に仕上げたところに役者根性を見た。

 解放してくれとローレンに懇願し、様々なつてで調査をするローレンだったが、徐々にモンロー家を守ろうと折れていく過程も見応えがあった。だけど、このまま終わるはずもなく、オチを期待していたら・・・・と驚愕の台詞にドキッとしてしまう。

 inheritance・・・単に“相続”と思って観ていたけど、遺伝的な“継承”という日本語にしたらどうなのだろう。性格や悪しき癖、悪事を隠蔽する遺伝子。ローレンの正義感は本物なのか?実は・・・の遺伝子が・・・などと、呆気ないエンディングだったため、後から考えると面白くなってくる。

kossy