なんのちゃんの第二次世界大戦のレビュー・感想・評価
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こねくり回すだけ
関谷というのは鎌倉にあるが劇中の関谷市は架空の町、ロケは淡路島、もっともブラックコメディだから場所などどこでもよかったのでしょう。タイトルからして子供目線でのあの大戦への回想かと想像したが、訳ありの石材店の南野一家と市長一家の過去の私怨を巡る泥仕合でした。
アカミミ亀の異常繁殖問題を借りて戦争を揶揄している、亀はアメリカからの外来種だが飼えなくなった人が池に捨てたのが元でしょうと、先の戦争も被害者ぶってはいるが身勝手な日本人こそが加害者なのだと・・。
一見、高尚なテーマを扱っているようだが脚本、俳優も含め素人感が拭えない、映画表現としては稚拙すぎて、単にこねくり回しているだけで終わってしまった残念な映画。
第二次世界大戦と言うタイトルが大風呂敷を広げ過ぎと意味を成していない作品です。
劇場に置いてあったチラシを見て、なんとなく気になったので鑑賞しました。
タイトルのなんのちゃんと言う単語になんとなくスウェーデン映画の「ロッタちゃん はじめてのおつかい」を思い出したのとなんのちゃんと言われると南野陽子さんの愛称を連想w
なので、可愛らしい子供が主人公でシニカルな感じの作品かな?と勝手に想像しましたw
で、感想はと言うと…なにこれ?
いろんな物がごっちゃごちゃに入っているけど、全然整理されてなくて、正直よく分からん。
一言で言うなら…アナーキーでパンキッシュと言うんですかねw
正直辛口な感想ですw
架空の街、関谷市の清水市長は太平洋戦争の平和記念館設立を目指していたが一通の怪文書が届く。
送りつけてきたのは、街で石材店を営む南野和子と言う老女。
弁が立つ和子おばあちゃんを相手になかなか上手くいかない。
だが、ある事件をきっかけに和子おばあちゃんは死去。
そこにスナックを営む長女のえり子や国際ボランティア活動を行う孫の紗江。もう一人の孫で石材店を共に営む光。そして、紗江の娘の幼子マリが合流し、清水市長と対立する南野一家。
様々な思惑と思想をぶつけ合い、被害者と加害者の境を見失い、物語は思いがけないラストへと向かっていく…
と書くとなんとなく面白そうにも感じますが、テーマは反戦かと思いますが、正直何が言いたいのかがよく分かんない。
反戦をテーマに様々な政治的思想感を出してはいますが、なんのちゃんにお婆ちゃんが憑依した様になってるのも意味不明だし、いろんなトッピングをやり過ぎてジャンルの焦点がボケボケになってる。
亀がキーポイントになっている様でそうでもないし、ラストの子供達の妨害工作も意味不明。亀を投げるのってどうなんでしょうか?
もういろんな事がごっちゃごちゃなのでコメディやらファンタジーやらと何がなんだか…
ただ、セリフのテンポが割りと良いだけに惜しい。
シニカルに進んでいくのも良いし、言葉遊び的なのも楽しめるのに、結局やりたい事を詰め込んでやったけど…的なんですよね。
「本作品は、太平洋戦争の平和記念館を設立させることで、ある人物の過去を改竄しようとする市長と、それに反対する戦犯遺族の物語。登場人物が、バラバラの思惑で対立し錯綜していく様は、フィクションでありながらも現代社会“そのもの”をあぶり出す。平成生まれの監督が描く、現代と戦争の不透明な距離感を表現した他にはない作品が誕生した。」
との事ですが、錯綜と言うか、明らかに迷走で現代社会そのものをあぶり出し、現代と戦争の不透明な距離感を表現したと言われても、正直キチンと伝わってない。
物は言いようかなとw
清水市長を演じるのは名優、吹越満さんで孫娘のマリ役の西めぐみちゃんは現地オーディションで選ばれたとか。他のキャストの8割も撮影が行われた淡路島の住人の方々との事だが、町起こし的な物が多分に含んでいるのか、正直その意図が見えない。
単純に予算を浮かしてとした思えないんですよね。
いろんなメッセージ性が含んだ作品と言うのは分かるし、反戦を訴えるのも良いと思う。
でも、正直中途半端。
架空の町としているのはいろんな複雑な事情や妨害なんかもあっての配慮かと思いますが、であればもっと毒を撒き散らしてもよいのに表面をなぞる程度に感じて、結局言いたい事が不明瞭。
「大人なんて信じない」と言うキャッチコピー程、子供のストレートな思いやメッセージも無いし、子供が主人公でもない。
タイトルの第二次世界大戦も大風呂敷広げ過ぎ。
とある町の小さな主導権争いなのに、何故この様なタイトルを付けたのかが謎。完全に名前負けです。
もう、いろんな意味でこんなに迷走している作品も珍しい。
あと、作品の内容とは無関係ですが、個人的に不快だったのは鑑賞した渋谷のユーロスペースで上映中に場内をうろうろされている方がいて、途中立ち止まったりして鑑賞の邪魔になっていたんですが、その方が上映後の登壇された作品スタッフか出演者の方。
コロナ禍の緊急事態宣言で劇場から舞台あいさつがストップになって、とりあえず挨拶だけでもと一言も発せずに挨拶をするのはよいとしても、鑑賞中の邪魔になったのが登壇された方と言うのが理解出来ない。はっきり言って自己満足の登壇にしか思えなかった。
作品も含めて、いろんな意味でちょっと?が幾つつければよいのやらな作品です。
あくまでも個人的な一意見ではありますが、いろんな事を含めて残念でした。
面白いとかつまらないとかいう感想すら持てない難解な作品
正直なところ、とてもシュールで、全く理解できなかった。
「カメ」や「ボーイスカウト」や「清水正一老人」だけでなく、「平和記念館」自体が、何かのメタファーなのだろうか?
大嘘つき一家と、戦犯一家の争いなど、犬も食わないケンカである。どちらにも正義はないだろう。
「被害者と加害者の境」などはなく、ただ単に2種類の加害者がいるだけではないのか?
“なんのちゃん”は、大方斐紗子演じる老女の“生まれ変わり”かと思ったが、そうでもないらしい。
西山真来が演じる、意識高い系の役は、正しいことを語っているものの、文脈が見当違いだ。
金をたかられるほど、市長が低姿勢なのも解せない。
唯一良かったのは、各々の役のキャラが立っていたこと。
面白いとかつまらないとか、そういう感想すら持てないほど、ぶっ飛んだ難解な作品であった。
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