劇場公開日 2021年5月21日

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「人生のわき役は誰だ?」地獄の花園 フリントさんの映画レビュー(感想・評価)

人生のわき役は誰だ?

2021年6月2日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

OLが派閥争いに巻き込まれる話

バカリズムの映画は「殺意の道程」が面白かったので期待していた。

結論から言うと、迫力不足。
面白かったけれど、満足感は少なかったですね。

ストーリーは少年漫画の定番感があるし、劇中でも不良漫画の話が出るのでそれにのっとた話なのは重々承知だが、捻りはほとんどなかった。
役者のビジュアルと所々挟まれるバカリズム節が面白いんだけれど、肝心の喧嘩シーンがなんとも微妙。

ドキュメンタリー「スタントウーマン」を見ていたので女性のスタントの凄さや可能性はある程度理解していたけれど、この作品にはもう少しアクションを頑張ってほしかった。
難しいのはわかる、綺麗な女優さんばかりだし、ケガさせちゃ駄目だし、いろいろと制約があってのことだろうから。
でも「クローズ」「ハイアンドロウ」などの昨今の喧嘩映画を見てる側としては物足りなさ凄かった。
殴るにせよ蹴るにせよもっと腰を入れてくれ…

喧嘩以外はよかったです、普段絶対に見ることのできない不良OLの姿が見れたのは喜ばしいし、この発想は素直に凄いと思う。

菜々緒のコーンロウとかかっこよすぎて最高です、これを拝めただけで鑑賞の価値ありだった気もする。
小池栄子の神々しさ最強感もよかったですね。

男性俳優陣は微妙だったかな、衣装とかの見た目はなかなかだけれど、パワフルさ力強い攻撃はあまりなかったので、ただのお笑い担当って感じでしたね。
遠藤憲一は高身長なだけにスラっとしてて見入っちゃいましたがね。

社内派閥→他社派閥→最大最強派閥→ライバル戦
不良、ヤンキー漫画の鉄板ネタが目白押しで楽しい。

あえて女性でやるからこそのギャップがこの映画の醍醐味なのでそこだけで十分なのだろう、これ以上を求めるのはもはや贅沢なのかもしれない。
見せかけの喧嘩だっていいじゃない、これはコメディなんだし。そう割り切れなかった私が勝手に不満がってるだけです。

万人受けする面白い映画だと思います。頭空っぽにして楽しみましょう。

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劇中セリフより

「あんたと戦わなきゃあたしは進めないんだよ」

真の友情は対等な立場でないと成り立たない。
強さの有無ではなく対等に殴り合うことが大事なんだけれど…
彼女らはこの喧嘩の後に対等になれたのか?

フリント