「恐竜なら中国が本家?」ジュラシック・アイランド odeonzaさんの映画レビュー(感想・評価)
恐竜なら中国が本家?
ポスターのようなシーンは出てこないでしょ、怪獣狩りのような映画ではありません。原題は杀出侏罗纪(ジュラ紀から)、確かにジュラ紀のジュラシックは汎用語ですがパクリと言われても仕方ない邦題ですね。
髑髏島ならぬ幽霊島、そんな謎のドラゴン伝説の島で消息を絶った考古学者、その娘が寄せ集めた傭兵たちで救助に向かうお話。
なんでも大洋を彷徨う不思議な島なのだそうですが大昔から中国人が渡っているようです。強烈な電磁波で船を止めるのですが磁力で動く島なのでしょうか、その割には救難信号が届くのは不可解ですね。
冒頭から龍に関しては中国が本家本元と言わんばかり、世界に追い付け、追い越せで懸命な中国だからCGでもアメリカに負けていませんと言いたかったのでしょう。シーンは少なかったものの恐竜CGはなかなかでした。ただ襲われる割には喰われるショットはありません、残酷なので避けたのか、俳優との合成が難しかったのかもしれませんね。
この手の映画はCGに予算がかかるので人間ドラマの方で尺を稼ぐのが相場ですが脚本がお粗末、キャラクター設定がありきたり、みえみえの伏線だから、こいつ犠牲になるな、とか裏切るな、とか退治方まで読めてしまう。おまけにツンデレのヒロインと気難しい探検家の恋愛モードまで織り込んで尺を稼いでいます。探検家の彼も恐竜相手にサバイバルナイフ一丁で剝きになるだけ、すごいのは恐竜の卵の臭いや可燃ガスの臭いに敏感なところだけでしょう。金の亡者の若い学者、やることがいちいち陰湿なので終始イラつきます、卵を盗むのも本家の映画のパクリでしょう。パクリでないのはかまいたちのような殺人蝶位かな。巨大トンボの話は聞いたことがありますが蝶もいたのか知りませんでしたが2018年にドイツでジュラ紀の蝶の化石が発見されているらしい。
まあ、パクリや人間ドラマが貧弱なのは東宝特撮ものでもアメリカB級SFでもよくあるパターン、それだけ本家のメジャー作品が価値あると言うことでしょう。その辺は観る前から予想は大体つきますからそこそこ愉しめました。