「セリは本当にワンダフルなんだよ」ミナリ shimoさんの映画レビュー(感想・評価)
セリは本当にワンダフルなんだよ
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映画「ミナリ」(リー・アイザック・チョン監督)から。
邦題ではわかりにくいので、原題を検索したら「Minari」、
内容より先に、タイトルが気になり、もっと調べたら、
原題のMinari(미나리)は韓国語で「セリ」を意味する語であった。
作品中には、こんな会話がある。
「韓国から「ミナリ」の種を持ってきた。
この先の水辺に「セリ」を植えたら、よく育ちそうだよ。
セリは最高の食べ物だよ。
雑草みたいにどこでも育つから誰でも食べられる。
お金持ちも貧しい人も、食べて元気になれるんだ。
セリはキムチやチゲに入れたり汁物に入れてもいい。
具合が悪い時は薬にもなる。セリは本当にワンダフルなんだよ」
作品とのセリの関係性が分かりにくかったが、
公式サイトによると「セリは、たくましく地に根を張り、
2度目の旬が最もおいしいことから、この作品には子供世代の幸せのために、
親の世代が懸命に生きるという意味が込められている」とあり、
妙に納得させられた。
もう少し、分かりやすいタイトルはなかったか、と思いながら、
貧困な生活からなんとか抜け出そうとする移民家族の逞しさは、
伝わってきた気がする。
個人的には、煙突の煙を見ながら「オスのヒヨコ廃棄してんだ」と呟き、
「廃棄って何?」と訊く息子に「難しいよな。オスはおいしくない。
卵も産めないし役立たずだ。俺たちは役に立たないとダメだ、わかった?」
と父親が諭すシーンが印象的だったなぁ。
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