劇場公開日 2021年3月19日

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「物足りない作品」ミナリ 田舎暮らしのサラリーマンさんの映画レビュー(感想・評価)

2.0物足りない作品

2021年5月5日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 アカデミー賞受賞作ということで妻と鑑賞。妻は感動していたが私は物足りなさを感じた。学歴がないと出世できない韓国社会。成功をつかむために韓国から移住し、苦労してやっと農地を手に入れた家族。そこに立ちはだかるいくつかの困難とそれを克服しようともがく家族。その家族を温かく見守る地域社会を描いた作品。
 50代の私は、これとよく似たドラマを子供の頃に見ている。「北の国から」と「オレゴンから愛」だ。当時の日本のドラマは凄かった。重厚だった。この2作の記憶が鮮明すぎて、「ミナリ」が非常に薄っぺらく、終わり方も強引。そのためアカデミー賞受賞作として物足りなさを感じたのである。
 たった2時間で完結させなければならない映画と片や年月をかけて何クールも続いたドラマを比べるのはミナリには申し訳ないが、この2作は、ミナリで提起した要素が重厚かつ深刻に、そして丁寧に描かれており、これこそアメリカでも通じる移民や開拓をテーマにした本格派のドラマだと思う。
 ミナリを見て、もう一度、よりリアリティのあるこの2作を見てみたいと思った。

田舎暮らしのサラリーマン