「【"アメリカンドリームを追い求めて・・" 辛い事があっても、家族で”セリ”の様に逞しく生きて行こう。移民として大地に根を張り、懸命に夢を叶えるために生きる家族の姿を描いた、アーティスティックな作品。】」ミナリ NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【"アメリカンドリームを追い求めて・・" 辛い事があっても、家族で”セリ”の様に逞しく生きて行こう。移民として大地に根を張り、懸命に夢を叶えるために生きる家族の姿を描いた、アーティスティックな作品。】
- 韓国、軍事政権時代にジェイコブとモニカは豊かな生活を夢見て、心臓に病を抱えるデビッドとしっかり者の娘アンと4人で、アメリカ・アーカンソー州の片田舎に移り住む。韓国野菜農業での成功を夢見て・・。-
■感想
・年代は、レーガン大統領が一瞬映されるので、1980年代であろう。
韓国では、”漢江の奇跡”と呼ばれた高度経済成長が続いていたが、一方では光州事件に代表される軍事政権が国を支配していた。
ジェイコブ達が、アメリカに来た背景は特に語られていないが・・。
物語は淡々と進む。彼らが漸く到着した家は、トレーラーハウス。愕然とした表情のモニカ。
- 喧嘩の絶えない二人に子供達が"喧嘩は止めて"と書いた紙飛行機を必死に投げる姿が、沁みる。広大な土地に君たちしかいないのだから、力を合わせようよ・・。-
・ジェイコブが、購入した土地の土を握りしめて言う言葉。”アメリカ最高の土地だ。だから、ここを購入したんだ・・。”確かに、肥沃な土の様に見える。そして、自力で水源を探すジェイコブの姿。
ー 彼の開拓者精神が、良く分かるシーンである。トレーラーハウスの周囲の緑が印象的である。が、そこには嵐もやってくる。自然の脅威との共存。ー
・ギスギスした夫婦関係に中、韓国からモニカの母がやって来て・・。
- 文盲で、明るくて賭け事の好きなおばあちゃんの姿が良い。彼女が、近くの川辺に植えたセリ。生命力の強いセリは移民してきたジェイコブ一家の逞しさの”象徴”であろう。
ラストシーンとの繋がりも、良い。-
・最初は、おばあちゃんを遠ざけていたデビッドが、徐々におばあちゃん子になって行く姿。
ー おばあちゃんと亡きおじいちゃんは、朝鮮戦争で国を守った人たちなのである。
そして、ジェイコブを手伝うポールが、毎週日曜日に十字架を背負って歩く姿。彼も、朝鮮戦争に従軍した際に心に傷を負ったのであろうか・・。ー
・そのおばあちゃんが、脳梗塞になってしまい、起きてしまった悲劇。
ー 自分の侵してしまった事に驚き、家とは反対側に歩いていくおばあちゃんを必死で、引きとめるデビッドとアンの姿。きっと、ジェイコブ一家は、おばあちゃんを責めることなどせず、逞しく生きていくだろう、と思う。ー
・そして、ジェイコブとデビッドがおばあちゃんが撒いたセリの種から、立派に成長したセリを刈り取るシーン。親から子へ。子から孫へ、生命力が引き継がれていく様子を表した見事なシーンである。
<韓国移民の一家が、様々な経験をしながらアメリカの土地で、苦労しながらも逞しく生きていく姿を静かなトーンで描いた作品。
エンドロールで流れる”すべてのおばあちゃんに捧ぐ”という言葉が、儒教思想が浸透している、韓国の強さを示している作品でもある。>
コメント失礼いたします。
〉儒教思想・・・
そうお聞きすると年長者を敬い家族仲良く・・・
そして野生のミナリの生える水辺と歌がなんとも心地よく、
不幸な出来事にも負けない・・・
〉韓国人の強さを、
感じました。観終わって、爽やかでしたね。
こんにちは😃ミナリも観ました。エンドロールにあるすべてのおばあちゃんに捧ぐとの言葉は、怪しい彼女の作品にも共通していますね✨ミナリのようなたくましい生き方を感じ取りました。Nobuさんは、レビューのタイトルも工夫して書いてますね。映画に対しての深い敬意を感じました✨
初めまして♫
ほんとですね。親や祖父母を、大切にする儒教の教え。
最初は一緒の部屋で寝るのも嫌がっていて、男の子はベッド、おばあちゃんは下の布団。やがて、2人で一緒に寝て、そして脳梗塞のあとは、おばあちゃんにベッドを譲り、自分が下。自然ないい流れでした。ps:「アンモナイトの目覚め」のコメントをありがとうございました🙇♀️🙇♀️