「狂気」スペンサー ダイアナの決意 映画イノッチさんの映画レビュー(感想・評価)
狂気
ダイアナ妃を演じたクリステン・スチュワートが、あまりにも美しかった
化粧によっていくらでも似せることは出来るのだろうけど
そっくりと言う範疇ではなく、ダイアナを超える瞬間もあった
彼女を見るためだけにこの映画を観てもいいくらいだ
最初から最後までずっとずっと暗く胸が締めつけられる
劇中のダイアナの言葉通り「狂気」に満ちた作品だった
イギリス人は、本当にここまで狂っていたのだろうか
キジ狩りをする姿が、国民が求める理想の皇室像だなんて
「伝統」の本来の素晴らしさを、ここまで滑稽に捉えてしまう英国が
ある意味、哀れでもある
チャー●ズ皇太子は、男だから不倫も公にできるなんて
たとえ一昔前のこととはいえ、驚きを禁じ得ない
日本で徳仁陛下が愛人を囲い、籍に入れるなんてことは考えられないし
岸&破は置いておいて、安部総理がもし不倫していたら、彼の実績にかかわらず
政界を追放される可能性だってあるのが日本だ
エリザベス女王は、同じ女性としてダイアナのいわば狂気の原因を
どのように慮っていたのだろうか
欧米では、症状に合わせて薬を出すのが治療であり医療であると最近知った
病気になった原因を追及しないで、対処療法で誤魔化す
ダイアナの不思議な言動も、その原因を意図的に?探らずに病院を勧める辺りは
そういった考えが根柢に流れているのかも知れない
グレゴリーが『アンブーリンの生涯』という本を、
ダイアナの目につくようにそっと置いたのは?
彼がダイアナを愛していたとは思えないから、かなり陰湿な側近だと思う
料理人ダレンの存在は、単なる仕事としての配慮には思えない
観ている側からしても、彼女を支える希望の光として映った
残念ながらマギーは架空の存在だとのことだが、映画の中ではキーパーソン
あのシーンから、ずっと続いた胸の締めつけがなくなった
たった3日間の様子から彼女の苦しみに満ちた人生をつまびやかにするなんて
優れたシナリオだし、凄い監督だ
