お隣さんはヒトラー?のレビュー・感想・評価
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ブラックコメディ
幸せそうな家族の風景から一転、シーンはコロンビアの片田舎。
人の良さそうな郵便&新聞配達人が配達に訪れた塀に囲まれた古びた家。
やたら気難しそうな老人が住む家の隣に越してきたのも同じように気難しい、癇癪持ちの老人。
主役はポーランド人の設定だが、そもそもイギリス人。
イギリス人が話すポーランド訛りの英語。
ホロコーストで家族を失ったシーンは一切出てこないが、腕の番号だけで深い傷跡(しかもまだ生々しい)を残していることが観て取れる。
お隣さんがヒトラーではないかと疑い、カメラを購入し隠し撮りしたり、本を買い込んでしらべたり。
熱意は底無し。
とはいえ、あの目の色だけで本人だと確信するのも秘密警察に確信させるのもちょっと無理がありそうな。
古びた家に見えたが、お隣さんの家中は結構綺麗でびっくり。
外観だけならどっちも同じなんだが。
生前の奥さんがやっていたように、毎朝食べる卵の殻を潰して黒いバラの根元に水と共に与えるシーンが印象的。
(果たして栄養的にありなのか?)
なんとか本人だと暴くためあれやこれや手を打つ主人公。
コミカルだが、やはり内容はブラック。
南米の片田舎で1人っきりでブラックローズを生涯愛情かけて育てていく姿は物悲しい。
ナチスものとしては異色な心に沁みるコメディ
ナチスものは好物なので遅まきながら拝見してきました。
予告通りの展開で想像している流れで物語は進むのですが、「イスラエルとポーランドの合作ならば、ヒトラーを肯定的に扱うはずはないのに、この終わり方だとヒトラーと友情を築くエンドになってしまうぞ……」と思いながら、なるほど、と思わせる物語の締め方。
発想は面白く、展開も悪くないのですが、個々のシーンが淡々としているというか、あまり丁寧に作りこまれてない印象で「それだけでヒトラーと気づくか?」とか「いや、そこまでのことやらんだろ」みたいな細かい突っ込みを入れるところも多かったです。
心に沁みる作品にもなっているのは事実ではありますが、制作陣にはもう少し頑張ってほしかった、というのが本音です。
小品だが、見て損のない佳作
一族で唯一ホロコーストを生き延び、南米で余生を送るポルスキーの隣に越してきたのは、ヒトラー? というお話。
ポルスキー役のデヴィッド・ヘイマンの表情、実に味がある。隣人との関係が深まっていく、ややコメディタッチのストーリーも面白い。そして、幕切れがなかなかいいのだ。小品だが、見て損のない佳作だった。
Black Rose
ヒトラーは南米に逃亡して生きた、という有名な都市伝説を使った映画。
この都市伝説を信じている自分には興味ありあり、最初は目を輝かせて観てたけど途中ダレてきて、少しウトウトしました。
コメディタッチで笑えます(笑)
終わり方が好きです。
ウド・キアの目力すごい。
コレはコレで良いけど、思ってたよりコメディ色が強かったので少しガッカリ…
この都市伝説を使った、手に汗握るハラハラなサスペンスを作ってほしい。
評価は甘めです。
60~65点ぐらい。
これから観る方は、何も調べないで観るのをオススメします。
その方が、どっちなんだ?どうなんだ?とドキドキできて面白いと思います。
まずはヒットラー?の顔が怖かった。「どう捉えていいのか」と訝しみながら鑑賞。
新しいタイプのリメンバー・ナチ映画。初めのほのぼのとしたユダヤ人家族集合写真シーンで、その後この家族に襲いかかる惨劇は十分に伝わる。舞台は一転戦後15年ほど経った南米コロンビア。最後の最後で「なるほど〜、そういうことか〜」と思わせる。影武者って、古い鄙びたポツンと2軒屋、獰猛?なシェパード(たち)とその行く末、媒体としてのチェス、外観は同じでありながら家屋の内装の格差、、、いろんな背景が丁寧に描かれていた。
黒い薔薇を通した物語、というモチーフもアクセントになっていた。そういえば昔よく道端の植木鉢にも卵の殻刺さってたの見かけたけど、最近はどうなんだろう。ちょっとした習慣に半世紀以上の月日を感じさせてくれた。
黒い薔薇は自然には存在しない。ヒットラー?が描いた肖像画の背景の薔薇も赤く描かれていた。例えようのない苦しみの中を生き抜いたユダヤ人のおじいちゃんに見える世界の時間は止まったままだったのかなあ。どこかで記憶も修正されて、、、とか考えてしまった。
片タマは公然の秘密?
確か、戦時中の子供の替え歌にもあったと聞く。
(ヒトラーのキ〇タマで検索)
タイトルから、どんなオチになるのかと見に行った。
(内容はほとんど把握せず)
夜の上映だったので、中盤、睡魔に襲われつつも、楽しめた。
ヒ総統らしく見えないのが・・・ただ、目つきだけに限定すれば許容範囲なのか・・・?
画的には不衛生な場面も多く、ちょっと気になる。
ヒ総統の人物画と言うと、「帰ってきたヒトラー」の画のほうがらしく感じたりするものだが、良い画に仕上がっていたと思う。
黒いバラ
もしも隣に憎きアドルフ・ヒトラーが引っ越してきたら!?
毎年、ナチス関連映画は正攻法から変化球まで手を変え品を変え作られておりますが、今回は「もしも」シリーズ
誰しも隣人に関するエピソードの一つや二つはお持ちでしょう
私の実家の隣家は常に貸家状態で、何年かごとに隣人家族が変わっていたのですが、小2(1979)のときに引っ越してきた若夫婦の話
年の頃は30前後の小柄な旦那は歩くとき片足を常に引きずっており、奥さんはいかにも水商売風、あとモンローという名の小型犬
はっきり言って堅気にはみえず、特に旦那の方はいつも顔が青白く、目を合わせても挨拶もしない異様な人でした
あるとき学校から帰ると、母親が「隣の人が逮捕された!」と
理由を聞くと「覚醒剤」
子供心に衝撃でした…
川俣軍司のあの衝撃映像は2年後なので(アラフィフ以上はみんな知ってるアレ)、恐怖感というよりは、隣人の違和感に当時は納得した記憶が…
ヒトラーに比べれば隣人がシ○ブ中なんて大したことはないのですが、小2だったんでね…
お陰様で、あれから今日まで覚○剤には…←当り前すぎる発言
映画自体はコメディ展開のなか、主人公の壮絶な過去を想像させる作りで、個人的には大満足
長い人生、常によき隣人でありたいものです! オワリ
ヒトラーが似ていない
ヒトラーかも知れないと言う俳優があまり似ていない。その事が最後まで違和感となってしまう。
配役の際、もう少し似ている俳優を使うか似ているように特殊メイク等(CGやVFXでも良い)をするべきでは⁉︎この映画はコメディなのか、ただのドラマなのか判別出来ない。コメディだとすると犬を殺してしまうのは良くないし、ドラマだとすると盛り上がりに欠けます。内容的にもう少しコメディに振り切った方が面白かったかも⁉︎ ホロコーストの場面は描いていない訳だし。
コメディ作品(しかも下ネタ満載)。それでも高く評価したい!
第二次大戦終結から15年、コロンビア郊外で独り暮らしを続けるポルスキーの隣に、いわくありげな老人が越してくる。
転居早々、越境してきた隣家の飼い犬に大事な薔薇を荒らされたうえ、「落とし物」までされてフン慨したポルスキーは、「証拠物件」をその日の新聞に包んで抗議に出向く。そこで初めて目にする隣人ヘルツォーク(ニュー・ジャーマン・シネマの巨匠に配慮したのか、劇場版の字幕は異なる表記に)の沈んだ青い目と他者を拒絶する不信に満ちた眼差しに、忌まわしい人物の記憶と過去のつらい経験が蘇る。
ウンの悪いことに、ウ〇チを包んだ新聞はナチスの大物アイヒマンが南米で捕縛された記事を大々的に報じていたため、ポルスキーの疑惑は確信へと変わっていく。
かくして、ウ〇チまみれの当日の新聞は、ポルスキーの手元に保管されるウン命となる。
本作品は、ホロコースト生存者やナチハンターなど、重くなりがちな題材を扱いながら、のっけから観る側の多くに、この映画をコメディとして観るよう、作り手が求めていることを再認識させる。
第二次世界大戦の最大の犠牲者は?と問われれば、何と答えるべきだろうか。
民族という観点なら、推定600万人もの命が犠牲になったユダヤ人と答えても議論の余地はないだろう。
では、国家としての最大の犠牲者は?
少なくとも大西洋側に限っては、やはり全人口の1/5に相当する600万の人命が奪われ、都市を徹底的に破壊されたポーランドでは?─そう考えたくなるが、世界中にはナチスドイツのホロコーストに協力した加害者としてポーランドを非難する声は少なくない。積極的に加担した者も存在しただろうが、多くは「関心領域」(2023 ポーランドほか)でヘス夫人に「あんたも灰にしてやるから」とすごまれるメイドのように否応なく従わされるケースがほとんどだった。
ヒトラーがポーランドに侵攻した一番の理由は、ユダヤ人が同国に集中していたからだと言われている(ポーランドの犠牲者の半数に当たる300万人がユダヤ系だった)。ポーランドが他の欧州諸国に比べユダヤ人に寛容だった結果だが、両者の関係はヒトラーのせいで修復困難なまでに引き裂かれたまま、今に至っている。
加害者呼ばわりされる過失がポーランド側にまったくなかった訳ではない。
戦後、運良くホロコーストを生き延びたユダヤ人が戻ってみると、家や土地がポーランド人に占有されており、衝突に至ったケースは非常に多く、流血や殺人事件にまで発展したものも少なくない。「イーダ」(2013 ポーランド)や「家(うち)に帰ろう」(2017 スペイン、アルゼンチン)は、この際の出来事を作品の題材にしている。
ユダヤの人たちがこの件を快く思うはずもなく、彼らの憎悪が世界に拡散された結果、古くからあるポーランド人差別が今なおはびこる一因になっている。
そして、その傾向が顕著なのがハリウッドを中心とする映画業界なのである。
ポーランド人(またはポーランド系)と登場人物の出自をさらしたうえで、悪人や間抜けなキャラクターに仕立てる映画はかつていくつもあったし(「ゴーストバスターズ2」(1989 米)のヤノシュはその典型)、近年露骨な作品は減ってきたが、オスカー(外国語映画賞)を獲得した「サウルの息子」(2015 ハンガリー)は寓意的ではあるものの、ポーランドへの憎悪剥き出しに描かれている。
「サウルの息子」ほどではないが、同じ賞を獲得したヒット作「戦場のピアニスト」(2002 仏・独・英・波)もポーランドを好意的には描いていない。
主人公であるポーランド在住のユダヤ人ピアニストは、ドイツの侵攻後、ナチスの魔の手をからくも逃げ延び、終戦後、何事もなかったかのように優雅にピアノを弾く場面で映画は幕を閉じる。
ドイツが撤退したあとのポーランドは、平穏を取り戻した訳ではない。ナチスの黒い鉤十字の支配から、ソ連の赤い共産支配へと、地獄の色が変わったに過ぎない。
同作の続編ということではないが、巨匠アンジェイ・ワイダ監督の遺作「残像」(2016 ポーランド)とは時間的な連続性があり、同作品では自由が抑圧された政権下での表現者の悲劇が綴られている。
ワイダ監督が名作をいくら世に放ってもオスカーに手が届かなかったのは、彼がポーランド人だからで、その背景には、アカデミー会員の多数を占めるユダヤ人の意向がはたらいていたという話は、都市伝説よりも信憑性を帯びた噂として長く信じられてきた(ワイダ監督は2000年に個人として栄誉賞を受賞)。
実際、「コルチャック先生」(1990)を発表した際には、ユダヤ系のジャーナリストから「事実をフィクションにすり替えようとしている」という趣旨の非難を浴びている(作品のラストシーンが問題視されたが、はっきり言ってイチャモンである)。
映画「お隣さんはヒトラー?」は、ナチスによってもたらされた不幸な記憶を呼び起こす内容でありながら、ポーランドとイスラエルの合作によって成し遂げられている。
このことは、「意外」とか「画期的」などという単純な言葉では言い尽くせないほどの重要な意味を持っている。「歴史的快挙」という言葉で語っても、決して大袈裟とはならないだろう。
前述のように、「戦場のピアニスト」や「サウルの息子」がオスカーを受賞して以来、ナチス関連の題材を扱うことは、言葉は悪いが、賞獲りレースのツール化してしまっているきらいがある。
この作品も同様のテーマを用いながらも、気負ったところがまるで見受けられない。それどころか、放尿シーンやウ〇チにキ〇タマなどと下ネタ満載で(ヒトラーってほんとに片キンだったの?!)、アカデミックに仕上げようとする気概すら感じられない。
劇中のイスラエルの機関は当初、ヒトラーの生存説を相手にせず、呑気というより牧歌的ですらあった。だが、ターゲットがナチスの関係者だと知るや俄然、行動が迅速になる。詳しくは語られないが、ヘルツォークは既にリストアップされて逐われる身だったのだろう。冒頭の彼の眼差しの険しさは、それで説明が付く。
彼自身の口から語られる、ヒトラーのボディダブルとしての人生は悲惨の極みである。
体格維持のために食事もまともに与えられず、恋人を失い、アイデンティティーさえ奪われる。ヘルツォークもまた、ナチスの被害者である筈なのに、ナチハンターはそんなこと斟酌してくれない。彼の逃避行はいつまで続くのか。ヘルツォークの悲劇性は、ナチスドイツに蹂躙されながら加害者として非難され続けるポーランドのメタファーにしか見えないが、イスラエル(ユダヤ)の人たちが抱く歴史観とは相容れないものだろう。
監督のレオン・プルドフスキーはロシア出身のイスラエル人。こんな映画を作れば本国から批判されることは承知の筈。
ただでさえコメディ仕立てにしたことで、「JOJOラビット」(2019 米)と同じく不謹慎と批判されることは目に見えている(しかも下ネタ満載)。
それでも自分はこの作品を高く評価し、喝采を贈りたい。
ポーランド・イスラエル両国合作のこの作品が、未来への新しい方向を示していると信じているから。
「いつも通り」と言い残して行方を晦ますヘルツォークは、愛犬ウルフィを殺したポルスキーに二匹目の犬を託して去って行く。
二人の間でどんなやり取りがあったかは一切描かれないが、おそらく意図的に語らなかったのだと思う。
作り手は、今度は観る側それぞれに、このラストシーンの解釈を問うているのだ。
同じジャーマンシェパード種なのに、攻撃性剥き出しで主人にしか懐かなったウルフィと違い、二匹目の犬は極めてフレンドリー。決めつけや偏見からは正しい答えは出ないのだと思う。
黒い薔薇。
1960年南米コロンビア、町外れの家に住む先住者ポルスキーと隣に越してきたヘルツォークの話。
隣人トラブルから揉み合いになり、かけてたサングラスを落としたヘルツォーク、そのヘルツォークの目を見た瞬間に、見覚えのある目…、その越してきた隣人を15年前に亡くなってるはずのヒトラーではないかと疑い始めるポルスキーだった…。
ホロコーストで亡くなってる家族、そこへ隣に越して来た人間がヒトラー!?それは気になるだろうし、気になると思う…、でも気にしすぎじゃない?(笑)
ヘルツォークは堂々と生活してて、ポルスキーはコソコソ監視と盗撮、確かに夜でもサングラスかけて素顔を出さない隣人がいたら確かに気にはなるかもだけど。
互いに警戒してる2人だったけど「チェス」を機に話すようになり、疑いは残こしつつも距離の縮まる関係性は観てて良かった。
本作鑑賞前はヒトラーとかナチスとかって私的には苦手ワードで観ても楽しめない作品かな何て思ったけど話はシンプルだしコミカルだし、ポルスキーのやってる事は犯罪だしキモかったけど、そのキモさも効いてて面白かった。
となりの高史
ポルスキーさんがどうしても笹野高史に見えてしまって…。
不穏ながらもなんとなくユーモラスな音楽が流れつつ、お隣に引っ越してきた老ドイツ人、ハルツォーグの正体を探り当てようとする高史…もとい、ポルスキーさん。
ちょっとハラハラドキドキさせてくれますが結構やばい事をしでかしてしまいます。
その癖、しれっと誤魔化し、ハルツォーグと友情を築き上げる高史さん。ハルツォーグよりもやべー奴です。最後はちょっとセンチになってますけどやべー奴です。ストーカーです。
派手なアクションがあるわけでもなく、特にすごい伏線があるわけでもなく、淡々とストーリーが進行していきますが、古典的な下ネタが随所にあります。
お話はコメディタッチで面白いが・・・
題名の通り、1年に何本か公開されるナチス物でした。今年はアウシュビッツ強制収容所の”音”を聞かせるという新しい手法が注目された「関心領域」が公開されましたが、本作の出来栄えは如何ばかりだったでしょうか。
お話の内容としては、史実では1945年に自殺したことになっているヒトラーが、実は南米に逃亡したのではないかという都市伝説を基に創られた作品でした。都市伝説を基に創られたというと、つい先日観た「フライ・ミー・トゥ・ザ・ムーン」も、アポロ11号の月面着陸映像はフェイクだったという都市伝説を逆手に取って創られていましたが、結構知られているこの類の噂話を利用すると、物語世界を理解するハードルが下がるので、観る方にとっては非常に分かりやすい親切設計という感がありました。
本作の場合、ホロコーストの生き残りの主人公・ポルスキーが、南米コロンビアの片田舎で1人で暮らす一軒家の隣に、題名の通りヒトラーにソックリなドイツ人が引っ越して来るというお話でした。掴みはOKなのですが、個人的にウド・キア扮する”ヒトラー”が、全くヒトラーに似ておらず、正直「帰ってきたヒトラー」を観た時のような驚きが全く感じられませんでした。ストーリーそのものはコメディタッチで描かれており、結構面白かっただけに、非常に残念なところでした。
作品そのものとは全く関係ありませんが、現在進行形で続いているイスラエルによるガザ地区へのジェノサイドと指摘される攻撃が、一日も早く終わりを告げることを願って止みません。
そんな訳で、本作の評価は★3とします。
シンプルで物悲しく、ハッピーに終わる映画
基本的に登場人物は二人だけ。
小説のように登場人物の行動が
細かく表現されています。
あまりヒトラー含むナチスドイツの
歴史に詳しくないので(私が)それに関わる部分は
ただただ悲しく、虚しい気持ちになりました。
最後に心が揺れる結末が待っており
個人的には感動と少しの寂しさを感じました。
半ば隣の人が寝てたので、たぶん単調なシーンが
苦手な人向きではないかもしれないです笑
星はいつも三つです。
プロローグは1930年代の東欧、幸せそうな一家の声。ユダヤ人のようだとわかる。
一家はそろって写真を撮るが、ひとりだけセルフタイマーのタイミングがずれて写らなかった男がいる。
映画で写真を撮る場面は、この先の不幸を暗示する。
映画の文法を使ったすぐれた導入部。
続いて1960年南米、というクレジットが出る。ひとり暮らしの老人はプロローグでひとりだけ写真に写らなかった男だ。
1930年代の東欧に家族と一緒に暮らしていたユダヤ人の男が1960年には南米でひとり暮らしをしている。男の身の上に何があったか、知識として知っ
ている。
そのため、ユーモラスなトーンで進んでいく映画なのに、この映画を「楽しんで見ていいのか」という思いにずっとつきまとわれていました。映画との距離感がつかめなかったです。
映画の半ば、隣人がヒトラーなのではないかという疑いを抱き続けている男が隣人の愛犬を死なせてしまった
場面で、ようやく私も呪縛が解けて映画を楽しめました。
さて、隣人の正体は?
決して下品で目をそむけさせられるような描き方ではないのですが、この作品には放尿、排便、嘔吐、犬の大便といった「生き物の最も醜いもの」が繰り返し登場します。
ホロコーストを下敷きにしていながらユーモラスな作品だけに、汚穢を頻出させることで蛮行、醜さを忘れさせまいという意図ではないかと思いました。こんなに面白い映画になるのだから、ナチスやヒトラーも悪いばかりではなかったんじゃない、などと思っては大変。現に映画には、ヒトラーを強く信奉する連中も登場しています。
濡れ衣ワンちゃん
ホロコーストで家族を失いながらも生き延び余生を過ごす男の隣に、あろうことかあの人物が引っ越してきた!?…といった物語。
ブラックジョークを交えながら、笑処満載で少しグッとこさせられる作品。
初っ端からお前のウ◯コだとか車にひっかけようとしたりだとか、やる事ががきんちょレベルに質が悪いw
そんな隣人ヘルツォークの特徴はどこをとってもあの男と同じ…いよいよ疑心暗鬼になったポルスキーの調査は柵を越え度を越えて…。
ポルスキーの哀しさを垣間見せながらも、クスクスさせられる場面の多いこと(笑)
対局前だ対局後だのくだりは声を出して笑ってしまったw
そんなこんなありながらも、腕のナンバーをチラリと見せたり、細かな伏線も満載でのめり込まさせられる作りはグッドですね。
なんなら、史実通りなら当然ヒトラーではないわけですが、コメディ映画の世界線ならもしかしたらねぇ…と思えば、二転三転の展開は中々に見応えあり。
それでいて、心の暖まるような場面もありでホッコリ。
笑わせるだけでないコメディ作品としてとても面白かった。
前半はかなり退屈。中盤は認知症予防啓蒙みたいだ
急に現れた憎悪のはけ口への執念は鬼気迫るモノはあるが、役所の抗議や侵入シーンは認知症例を見ているようで、人生後半の自分には辛い。
事情を承知で崇拝する取り巻きの背景はもっと描写が欲しいし、序盤の土地問題も目立ってはいけないのに荒立てる必要が全くなく演出の練り不足を感じる。
最近の関心領域同様、私には知識の壁が高かったが、ラストの心情描写は見せてくれました。
名優かもだが、ヨレヨレの爺さま2人で絵面が惹かれなかったです。盗撮カメラが往年のMINOLTAの名機、昔持っていたのと同じでそこが一推し😆
ニコタマ
事前に時代背景や舞台となる土地をあまり把握していなかったので、コメディタッチな妄想老人が主人公の作品なのだろうと勝手に決めつけていたのです。
ところが、始まってみればポーランド在住のユダヤ人で戦争によりドイツ軍に全てを奪われてしまった主人公だからこその思い込みなのですよね。やはり戦争というものは人の心に深い傷を負わせてしまう。
しかも1934年にチェスの大会で直接相まみえ、だからこそあの男の顔を忘れるはずも無い。
そこからの追いかけ方には危なっかしい部分もありましたが、自らの命をなげうってでも、のような信念を感じました。
まあ、なんだかんだありながら、互いの辿ってきた境遇や運命に共感しあい、ラストに向けて……みたいな感じで、パンツを下げさせてのイチモツ検査などもありまして。
それにしてもヘルツォーク役を演じたウド・キア!「スワンソング」でのちょいポッチャリーなゲイの美容師を演じたかと思えば、本作品での威厳あるキャラまで幅が広い!そして目が綺麗!
しんみりしつつも心がちょっと温かくもなるような良作でした。
どの時代でも悪いのは戦争、ヒトとヒト同志は繋がるはずだと改めて思わされました。
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