アウシュヴィッツ・レポートのレビュー・感想・評価
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ハードで重い…
あまりの衝撃に言葉を失う。観終わったあとズッシリと重い、そんな感覚だ。 前半50分ほどは収容所での筆舌に尽くし難いほどの恐ろしい行為が映し出される。過激なシーンに少し気持ち悪くなってしまうほど、直視することができなかった場面も幾つかあった。 後半は『命をかけた伝令』を彷彿させるような、二人の逃亡シーン。捕まらないかハラハラドキドキしながら息を呑む。逆さや横向きのカメラワークが新鮮だけど、これってどういう意図の表現なのかしら。 山中での“奇跡的な出来事”と呼べることが12万人の命を救うことに繋がったのかも(あの援助がなければ死んでたよ)。 他の人たちがレビューに書いているように、エンドロールでの音楽の代わりに流れる数々の言葉、ここが最大の見どころかもしれない。 歴史に詳しくないがために多くは語れないけど、二度と繰り返してはいけないし忘れてはいけない、永久に伝えていくべきなんだよね。 もっと歴史を勉強しておけば良かったよ〜。
小国や国際組織の視点
この夏もまたナチス・ホロコーストに絡む映画を見る。この映画は収容所から逃亡し、国境を越えて実情を赤十字に知らせたスロバキア系ユダヤ人の実話で、こうしたナチスの支配下に入った国々からの視点はまだまだ見るべきものがある。また、今回は連合国とも枢軸国とも接点のある赤十字の苦しい立場も見られた。ナチス&ユダヤものは、多少とも倫理的義務感からも見ているが、決して飽きてはおらず、実際にこの映画も緊張する逃亡過程など飽きさせないような工夫がされている。私も今後もこの種の映画を見続けるだろう。 一点だけ、エンドロールに現代のポピュリストたちの音声を被せたのは、気持ちは分かるが、やや安直な感じがした。
人類史上最低
30年ほど前か❓ 『シンドラーのリスト』を観たけど。ホロコーストに関してはシンドラー…を観といた方が良くわかると思うねんけど。あの事件あのヒトラーのした、悪魔の仕業を知った上で観やん事には芯から解りづらいと思うねんけど。個人的には背景を知らずにこの映画を観られる事に不満な気がするぐらい知っといて欲しいねんけど。ヒトラーはユダヤ人やった母親に捨てられた様なことを昔 読んだなぁ。知らんけど。
観てるのがかなり辛かった。
座って観るより、立ち見で観る映画だったかもしれません。 事実を基に作られた作品。 ナチスの収容所「アウシュヴィッツ」でユダヤ人が大量虐殺されている事実を、収容所から二人が脱走してその事実を公にするストーリー。 テンタメ性は全く無し。 前半は残酷なシーンが淡々と進み、脱走後は二人が国境を超えるまでの悲壮感溢れるシーンが辛い。 脱走するシーンに期待してたけど、実際はあんな感じなのかとと思うばかり。 途中、カメラワークのブレブレに酔いそうになる展開は、脱走中の二人の疲労感を表したかったか? 気にるところ。 それにしても100万人以上が殺されたと聞いてびっくり。 固いパンを美味しそうにむさぼるシーンが印象的でした( ´∀`)
アート色が強い印象だった
カットの一つずつを抜き出せば、力強い印象を受けることも多かったのだが、物語のテンポがスローなため眠たくなった。 作り込んだ映像美やカット割りから監督の情熱は感じられたが、この映画のテーマには余り合っていない気がした。 逃亡した二人が手にしているレポートの大切さが、僕にはいまいち伝わらなかった。
政府の間違いを正すということ
タイトルの「アウシュヴィッツ・レポート」は、アウシュヴィッツを脱走した人が アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所の真実を伝えるために書いたレポートです。 冒頭に、「過去を忘れる者は必ず同じ過ちを繰り返す」という文字を入れています。 最後のエンドロールに、音楽の代わりに、現在の極右政権の指導者の発言が入れられています。 私が確認できたのは、ドナルド・トランプ大統領候補の声だけでした。 安倍晋三の「アンダー・コントロール」も入れて欲しかったです。 ホロコーストに関する知識がない人が鑑賞しても、つまらない映画です。 ホロコーストに関する知識がある人には、新たな知識が得られる貴重な映画です。 ホロコーストは、国家を持たないユダヤ人を虐殺することに、関心を示さなかった国々によって、見過ごされていたという歴史に光を与える映画です。 政府が行っていることを正すということは、今も昔も大変です。 日本政府が、新型コロナウイルスが過去最高を更新し、感染拡大している中で、3兆円以上の 赤字となる東京オリンピックを開催するのは明らかな間違いですが、正すことができません。 米国政府が、エシュロンを使用して、盗聴しているのは、明らかな間違いですが、正すこと ができません。 キース・アレクサンダーNSA長官は、連邦議会で、明らかな嘘の証言を平然としている様子が 映画「スノーデン」に収録されています。 中国政府が、少数民族を弾圧しているのは、明らかな間違いですが、正すことができません。 大事なことは、これを知った今、何をするかです。 日本人にとって、ホロコーストは遠い昔、遥か彼方のヨーロッパでのことなので理解しにくいと思います。 アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所やイスラエルの建国についての知識がないと理解できません。 1942年1月25日、ヒトラーは、ユダヤ人をドイツ占領地のポーランド南部オシフィエンチム市にある アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所への移送を命令しました。 ナチス・ドイツは、各地の強制収容所で、600万人ものユダヤ人を虐殺しました。 1944年4月7日、アルフレートとヴァルターは、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所の記録を持って、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所から逃走するために、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所で、身を隠します。 1944年4月10日、アルフレートとヴァルターは、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所からの脱出に成功しました。 1944年4月27日、アルフレートとヴァルターは、「アウシュヴィッツ・レポート」を書き上げました。 1944年6月、「アウシュヴィッツ・レポート」は、公開されました。 1944年6月4日、ニューヨークタイムズが、ガス室について説明し、ユダヤ人が処刑されていると報じました。 1944年6月6日、ノルマンディー上陸作戦が成功しました。 1944年6月25日、教皇ピオ十二世は、「アウシュヴィッツ・レポート」を元に、ユダヤ人の強制送還の停止を呼びかけました。 1944年6月26日、フランクリン・D・ルーズベルト米国大統領は、「アウシュヴィッツ・レポート」を元に、ユダヤ人の強制送還の停止を呼びかけました。 1944年6月26日、ジュネーブのユダヤ機関のリチャード・リヒテイムは英国に電報を送り、連合国にハンガリー政府のメンバーに殺害の責任を個人的に負わせるよう呼びかけました。 1944年7月7日、ハンガリーの摂政ミクロス・ホーシーは、ユダヤ人の強制送還の停止を命じました。 1945年1月27日、ソ連軍がアウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所を解放しました。 1945年4月30日、ヒトラーは、総督官邸の地下壕で自殺しました。 1945年5月2日、ソ連は、ベルリンを占領しました。 1945年5月8日、ドイツは、降伏しました。 1945年8月15日、日本は、昭和天皇による玉音放送をもって、ポツダム宣言受諾 を全国民と全軍に表明し、連合国に降伏しました。 1948年5月14日、ユダヤ人たちは、イスラエル独立宣言を行いました。
あらゆる陰に潜み…
アウシュヴィッツの収容所にて、記録係として活動していたスロバキアのユダヤ人が脱出し、収容所の真実を伝えるために奔走する物語。 本作は、スリリングな脱走劇と言うよりも、収容所の残忍さ、真実を伝えることの難しさ、そして何よりこの悲劇を繰り返さない為の警鐘をならすことがメインテーマでしょうか。 家族や仲間を利用して吐かせようとするやり方、互いを監視させるようなやり方には改めて怒りがこみ上げます。それでも秘密を守ろうと闘った人たちがいたんですね。 物語自体は説明があまりないので、じっくりみないと、その都度何をしているのかが理解しづらいかも。 赤十字の有力者との会話シーンは印象的。ナチス赤十字のお蔭で…抑えられている…って、状況や団体は違えど2020年にも凄く似たような話を聞いたような気がするんだけど…何か、かなり愕然とさせられた。 それと同時に、命がけのレポート内容を伝えるこのシーンは独特の緊張感と迫力があったように感じます。ワンカット撮影の良さもガンガンに出ていましたね。この勇気ある行動が、12万人のハンガリーの人々を救ったという事実を忘れてはなりませんね。 そしてエンドクレジット。この悲劇から戦後世界がどのように変わったのか、或いは変わっていないのか、改めて考えるきっかけになればと思います。
【国際社会として、よく考えなくてはならないこと】
この作品の示唆するものは何だろうか。 エンドロールで流れる様々な主張や声がヒントじゃないだろうか。 エンドロール終了まで席を立たないで下さい。 ガザ地区の「世界一眺めの悪いホテル」をバンクシーが手がけたり、イスラエルのガザ地区への圧倒的武力を背景にした爆撃や、第二次世界大戦後の1948年5月のユダヤ人国家としてイスラエルの独立宣言の経緯をもって、イスラエルにあまり良くない感情を持っている人が結構いることを最近知った。 だが、この問題は、欧米で長い間行われてきたユダヤ人に対する迫害もあって、特定の断面から見るだけでは、理解できない複雑な問題が絡み合っていることは理解してして欲しいなと考えたりする。 簡単に云うと、欧州の大概の国では、もともとユダヤ人に好意的な感情を持ってる人は少なく、その団結する心が強く、向上心が高く、豊かな生活を築いている様に劣等感を抱いて、厄介払いしたいと考えた欧州人が多くいたということだ。 それを、ある意味で、ナチス・ドイツは察し、虐殺の矛先をユダヤ人600万人に向けたのだ。 そして、ナチスの敗戦が濃厚になるにつれ、虐殺は加速度的に増えていくことになる。 人道的にもだが、国際条約でかたく禁止されていた行為だったために、ナチスは口封じも含めて大量虐殺を進めたのだ。 映画に描かれているように、何とかして虐殺を止めなくてはならないと考えたアルフレート達は、ホロコーストの証拠とともに、アウシュビッツ・ビルケナウの収容所の同胞や仲間の命がけの後押し、途中で出会う支援者の助けもあり、国境にたどり着く。 しかし…。 結果的に、この二人の尽力で、12万人のユダヤ人の命は救われたとされているが、600万人という数から考えると、やはり僅かだ。 その背景には、長く続いたユダヤ人への迫害があったことは間違いないと、僕は思う。 言い方は悪いが、助けなければならないと云うモチベーションが決して大きくはなかったのではないかと思うのだ。 確かに、人道的な観点から、ユダヤ人を救った人は多くいた。 あまり、知られてないことだが、ナチス・ドイツと同盟国のイタリアの首都ローマでは、カトリック教会と医師達が、この世にない感染症をでっち上げて、ローマ市のユダヤ人の8割を救ったとされている。 ただ、こうした大規模なものは例外だ。 イスラエルの建国については、更に複雑で、興味のある人は調べて欲しいけれど、多くの欧州諸国が、再び、ユダヤ人を厄介払い出来ると考えたことは想像に難くない気がする。 だからこそ、多くのユダヤ人を救えなかったという事実、イスラエルとパレスチナの問題、イスラエルとイスラム教シーア派の一触即発の状況については、欧米諸国とイスラム諸国が真剣に取り組まなくてはならない問題なのだ。 エンドロール。 流れる声や主張は、全て、差別や迫害を助長するものだ。 一人ひとりの声は小さくても、まとまれば大きな主張になりかねない。 こうしたことが、当時のユダヤ人に対するジェノサイドに繋がったとも考えられるからだ。 そして、今、また、僕達の世界は、こうしたリスクを醸成しつつあるのではないのか。 世界はボスニア・ヘルツェゴビナ紛争でスレプニツァの虐殺を防ぐことは出来なかった。 中国の新疆ウイグル族へのジェノサイドも同様だ。 中国は、内モンゴル自治区のモンゴル人や、チベット人への激しい弾圧も行なっている。 だからこそ、過去の反省に基づいて、世界は、これらに強い反対の意を唱え、そもそも差別や迫害自体がおかしげなものだと伝え続けなくてはならないのだ。 僕達の世界はいつも危ういところを歩いているのだ。
アウシュビッツからの壮絶な脱走劇!
アウシュビッツの強制収容所から脱走するという壮絶な話! 人間はいずれ殺されてしまうことを悟ると、すべての命運を仲間に託し、アウシュビッツごと空爆してほしいと願う! この物語は、当時、国際社会で、ナチスの動向を掴みかねていた状況と、親ナチスと言える人間達とのせめぎ合いがあったことを、よくあらわしている。 数多くのユダヤ人虐殺を描く映画が公開されているが、この映画は、ひとつの壮絶なエピソードと位置付けることができるかもしれない。 歴史は繰り返される。今も、中国共産党により、数多くの虐殺が行われている。国際社会は批判はするが、状況は何も変わっていない。 ウイグルには強制収容所があり、今もたくさんの人達が連行され、音信不通になっている。 当時、連合国側のアウシュビッツへの空爆は行われなかった。 しかし、アウシュビッツからの脱走者でさえ、12万人以上のユダヤ人の命を救ったのだ。 虐殺など許してはならない!正義は、いつの世も勝利しなければならないのだ!
生き延びるためではなく、伝えるため
映画は、一般的には娯楽なのだろうと思う。そういう視点で言えば、この作品は間違いなく、一般的な映画ではない。 そこに描かれるのは、アウシュヴィッツ=ビルケナウ強制収容所のリアル。 今まで映画などで描かれてきた強制収容所とは明らかに異なる。囚人と呼ばれる収容者や、誰かほかの主人公、そういった存在の主観も、感情も入り込まない。そこには、効果音や同じ役割を担う音楽もない、まるでドキュメンタリーのように、そこに起きていただろう現実が展開していく。 全編を通して、非常に重苦しく、心に重りのようにのしかかってくる。 それでも、観たことを後悔させない作品でもある。 エンドロールで流れる音声が、まだ続く悲劇に気づかせる。ホロコースト自体は過去になったかもしれない、けれど、過去が繰り返される危険性はまだまだ潜んでいると訴えかけてくる。 イントロダクションの言葉が、エンドロールとともに、ずしんと再び頭に刻まれる。 「過去を覚えていない人は、過去を繰り返す運命にある」
娯楽作品ではないが見るべき映画
前半は過酷な収容所。中盤は二人の脱走者の過酷な運命。ラストは二人の報告書の作成とその後の経過。 登場人物一人一人の鬼気迫る演技は心が震えます。 歴史は変えられない。 しかし歴史から学ぶことはできる。
エンドクレジットが全てを物語る
アウシュヴィッツを脱走した2人のユダヤ人がまとめたレポートが、ハンガリー系ユダヤ人の命を救った…その行為はもちろん称賛に値する。 しかし、ポーランドやフランスといった他国のユダヤ人は変わらずアウシュヴィッツに移送され続けた。もっと伝わるべき情報が全てに行き渡らなかった悲しさとやるせなさ。これは、伝えるべきニュースがいつの間にかフェイクニュースに取って替わられてしまう現代にも通じるかも。 冒頭の首吊りシーンやクライマックスのワンカット長回しシーンなど、印象に残る場面は多々あるが、一番強烈だったのはエンドクレジット。 上映開始早々に提示される、哲学者で詩人のジョージ・サンタヤナの言葉「過去を忘れる者は、必ず同じ過ちを繰り返す」が意味するものが、ここでようやく分かる。 戦後75年以上経つのに、人類は過去から何も学んでいない――監督の痛烈なメッセージだ。
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