「序盤は見ていて気持ち悪くなるのは明らかだ」プラットフォーム KZKさんの映画レビュー(感想・評価)
序盤は見ていて気持ち悪くなるのは明らかだ
ジャンル的にはホラーサスペンスになるのかな。この閉じ込められた場所が縦型のシステムってのは目新しくて興味深く序盤はだいぶ惹きつけられたのだが、後半になるに連れて粗さが気になって興味が薄れていってしまった。
というのもこの施設が何のために作られて何を目的としているのかわからない。
主人公は脱喫煙を目指してここに入所したそうだが、冒頭の同部屋の相方は殺人犯である。
主人公が喫煙者である事で何か社会的に迷惑や悪事を働いた背景は見えない。どう見ても不釣り合いな関係性である。
次の同部屋になった女性はこの施設で元々は働いていたスタッフの1人。入所の強い理由やら彼女の背景見えない。3人目の黒人も同じ事が言える。
同部屋とは関係なしにたびたび現れたアジア人女性の存在もイマイチ存在価値が分からない。
主人公が予想していた250層くらいという最下層も現実は更に下には100層近くあったりアジア人は子どもを探していると言うのは嘘だなんて展開が繰り広げられたと思ったら最後はその子供らしき少女が最下層にいる。
それも最下層なのに元気な様子。
序盤はあの狭い空間で限界を超えた際は同部屋の相方に危害を加えてでも生き延びようとしたり、限界を超えた先に現れる人間の醜さなんかも見え隠れして惹きつけられたのだが後半そういう展開を詳細に描かれる事はなかった。
最初の同部屋のおっさんなんか一年あそこで生き延びてるわけだから限界の先の人間の姿とか色々何か知ってそうな感じしたんだけどね。あっさり中盤で消えてしまった。
あの一日一回の食事を富と揶揄したり、下層に行けば行くほど人は争いそして上を数えるよりも下を数える方が無限に感じる様な描写は社会風刺なのかなというメッセージ性は伝わったけど…それだから結局なんなんだって感じで僕の中では微妙な感じで終わってしまった。
まぁただ序盤の殺し合いが行われるんじゃないかといった緊張感やグロテスクなシーンは楽しめた。
人肉食ったり、糞をふっかけたり見ていて気持ち悪くなるシーンは多々あるのでその辺りが苦手な人は要注意。
また序盤の穴の下を見るシーンは高所恐怖症の僕にとっては気持ち悪くなった。