科捜研の女 劇場版のレビュー・感想・評価
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いつでも頼ってね♪
長らく続く「科捜研の女」初の劇場版。恥ずかしながら、ドラマ版は一度も見たことがありません。
評判が中々良いので、どうせ1年後くらいに地上波放送されるだろうなと思っていたが、時間が空いたので見ることに。
面白いじゃないですか。
ドラマファンの人は数多くあるキャラクターに懐かしさを感じるだろうし、未鑑賞の人でも満足できる内容で非常に楽しめた。
京都の医科大学で起きた女性教授転落事件。早速、科捜研のマリコ(沢口靖子)たちは鑑定を始めたが、殺人と断定でいる証拠がなく自殺として処理される危機に迫っていた。
やはりこの映画の素晴らしい点は「映画」であること。
私はもしかしたら一生この作品に触れることは無かったかもしれない。それが、こうして劇場版として科捜研の女がスクリーンへと映し出されたことによって、見る機会を与えてくれた。こういう人、私だけじゃ無いはず。映画を通してこの作品を知る人が増えた。これだけでも価値のある映画だと思う。
しかも、ちゃんと面白かった。
コナンの脚本を手懸けている脚本家なだけあって、かなり見応えのあるストーリーで釘付けとなった。テンポはいいし、尺も丁度いいし、バランスの取れた映画だこと。
事件解決に徐々に迫っていく感じが、飽きを感じさせず紅葉で秋を感じさせていた。キャラクター設定を全く知らない科捜研の女初心者でも、分かりやすい登場をするし内容を把握しやすい。置いてけぼりになることも無かったので、シンプルにミステリー映画として楽しめた。
まぁ、ただ全体的に古臭い。
そりゃ20年以上続く作品なのでしょうがないっちゃしょうがないんだけど、台詞は棒読みだし笑わせようとしているのは滑っているし、海外にいる人?は特にしょうも無かった。
劇場版ならでは、が欲しかったなと。
全然面白いんだけど、大きなスクリーンで見るべき要素があっても良かった。悪役もなんか呆気ないし、ドラマとあんまり変わんない気がした。キャラクターはいっぱい出てるからそこが違いなんだろうけどね。
まぁでも、大満足です。
科捜研の女見たことないから見ないどこーと思っている人は、是非この機会に本作に触れてみてください。意外と面白いですよ。
TV版見なくても楽しめます!
展開が早くて詳細な演出だから視聴率が高いんでしょうね?!ほとんど年配の方でした( ꈍᴗꈍ) TV版見ないのは主演の方の喋り方が好きでは無いのと出演者がテレ朝俳優ばかりなので相棒同様に見ていません。推理物として良い作品だと思います。
安定感と言う幸せ
ご長寿ドラマ
まず冒頭の人物紹介がとてつもない。
今まで登場したレギュラーメンバーを全て登場させるという少々、いやかなり無茶な要求に最高の形で応えた脚本家さんがまずすごい。
多少強引ではあるもののそれぞれの登場人物にきちんと専門的な活躍シーンを持たせているし、最後には主人公のマリコをちゃんと引き立たせるようなシーンも用意していて見事。
他の方のレビューにあったが落下シーンの演出の綺麗さは確かに目を見張る。
なんであそこに番傘があるのかとかそういう理屈をこの手の映画に求めるのは少しあれなんだろうが色とりどりの番傘や紅葉が殺人現場を綺麗に彩る画はかなり素晴らしい美的感覚だと思った。
が加賀野の悪さがいまいち際立たないように感じた。
佐々木蔵之介さんはいかにも極悪非道のマッドサイエンティストという感じで演じているのだが、それにしてはちゃんと毒性を消すための研究をしていたり、殺人にしても直接指示したわけではないなどいまいち悪の決め手にかけた。
これは脚本と佐々木蔵之介さんの演技、監督さんや制作陣の思惑(せっかくの劇場版だからスケールの大きな話にしたいなど)の齟齬が生じたように思えた。
安定のマリコさん。
良くも悪くも、沢口靖子を見る映画
全く不思議な人気刑事ドラマ
現在継続中のTVドラマで最長寿シリーズの、満を持した映画化です。
元々は刑事ドラマの一類型ですが、警察の裏方である科学捜査研究所(科捜研)を主役に据えて事件捜査の地道なプロセスを描いており、派手なアクションシーンや息詰まる掛け合い、聞き込み張り込みや白熱を帯びる取調べ対峙シーンもなく、またロマンスも皆無です。といって推理ドラマのような主役の天才的洞察力で快刀乱麻に謎を解くような痛快さもなく、ひたすら研究員たちの実験・調査・分析するシーンが尺を占め、ドラマの殆どが室内で展開する、刑事ドラマとしては異例の地味な展開にも関らず20年に亘り高い人気を得てきた、不思議なドラマといえます。
但し、本作は、単にTVドラマを焼き直したのではなく、TV版を知らない観客でも十分に楽しめる、映画館で観るに値する作品に仕上げられています。
冒頭、主人公の榊マリコと老紳士との掛け合いシーン、夜の鴨川を見下ろしつつ、上空から徐々に視座を下げて屋上テラスラウンジに移る長回しは、実に見事なスタブリッシュ・ショットです。伊東四朗の下心を湛えた誘い方と、洒落たドレスやメークにも関わらず無粋でジコチューの沢口靖子との珍妙な遣り取り。TVドラマを知らない観客にも、舞台が優雅さと神秘さに満ちた京都であることと、マリコのキャラを強く印象付けながらも、ストーリー上の巧みな伏線を張っていました。
また本作では、TV版のように京都各地を映すこともなく、TV版以上に殆ど室内のみで展開し、アクションシーンもなく動きが少ない静的な画面が続きます。その上、20年間のTVシリーズ中の歴代レギュラーを次々と登場させます。長年の「科捜研の女」ファンへのサービスであり、歓心は高まる一方、やたらと登場人物が多くなっていきますが、但し、幹になるストーリーは一貫し、ブレたりサイドストーリーが膨らむことは全くありません。常にマリコとそのパートナーである土門刑事を中心にして、一気通貫で事件を深掘りしていくので、観客は混乱したり、ストーリーを見失うことは一切なく、ただただスクリーンに引き寄せられていきます。
時間はほぼ同じでも、本作は、時折TVでも放映される2時間スペシャル版とは全く異なります。CMで途切れることがないのは当然として、映画館の大画面に合わせて、寄せカットは少なく、引きのパンやトラッキングの多用によって空間的な広がりとスケール感ある躍動感を充満させ、室内のみで展開する映像の地味さを補う、映画館で観るに値する映像に仕上げています。ストーリー展開のテンポが速く、カット割りも小気味よく、次々とシーン転換はされながらもマリコの強烈な使命感とナチュラルな強引さを面白可笑しく描き、観客を弛緩させず、飽きさせません。
東映京都撮影所生え抜きの兼崎涼介監督は、これまでTV版で数多く監督をこなしてきており、手慣れた演出は澱むことなく、科捜研の女ワールドに浸らせてくれましたが、それは宗野賢一助監督との息の合ったコンビにもよると思います。宗野助監督はTV版では監督も務める技量であり、兼崎-宗野の名コンビ、それにキャラ設定やストーリーのツボを十二分に知り尽くした東映京都撮影所スタッフの並外れた経験値と創造性、更に桜井武晴氏の切れ味鋭い脚本、この三位一体によって最後まで息をつかせない上質の作品に仕上がったといえるでしょう。
ただ本作の結末は、やや不完全燃焼気味にフェードアウトしますが、これは劇場版そのものが、10月から始まるTVドラマ「科捜研の女Season21」の壮大な伏線となっているためです。小さな謎は解けたが、より大きな不透明感は寧ろ増しています。
尚、京都の名所シーンは少ないものの、ラストでの東福寺通天橋の紅葉は、艶やか且つ鮮やかさにマリコが映える優美さがあり、更にストーリー上での緊迫感の最高潮でもあり、このシーンは冒頭と並んで、本作で目に留めておくべき名シーンの一つです。
科学的根拠
評価が高かったので見ましたが、凡作で残念
お昼に放映してる地方の温泉や名所案内兼ねた刑事ドラマと同列な感じ、、
捜査が進むに連れ、色々な壁が立ち塞がるが、殆ど主人公のマリコさんの家族とか旧知の仲で、障害が取り除かれるのが、あまりに都合が良すぎる、、
お話はほぼ予測が付くし、
科捜研の皆さんや監査機関の皆さんに、どうも緊迫感が感じられず、この人達、暇なんだろうか、、と思える。
特にお父さん、、
腸内細菌のダイエット菌も凄く練られたネタとは思えず、アニメ働く細胞の乳酸菌の方が驚きが沢山あった。
日本の科学捜査って、色々な方法や機関があるんだなあと、それは感心しました。
それから、沢口靖子さんの演技が仰々しいか、棒読みかどちらかで、そこも、ちょっと三文芝居に感じた理由の一つ。
内藤さんは良かったです。
科学捜査という事で、
清水玲子のトップシークレットみたいな話を連想してたのですが、
人間ドラマも弱くて、引き込まられず。
折角の敵役、佐々木蔵之介さんも研究熱心な優秀研究者だけだとなあ。もう少し人間描写を掘り下げて欲しかったです。
映像美が映画ならでは、でした😃
ネタバレ含みますが、
2番目の被害者(だったかな)が傘の上に落下するシーン、
あと、終盤で綺麗な紅葉の中で落下するシーンの
映像美が凄すぎて、「映画ならではだなぁ」と
思いました。
ただ、これまでのキャストを全員見れたのは
嬉しいけど、
最初の自己紹介のような、ほのぼのシーンが
少し長く感じました。
あのほのぼのシーンの前に、
「えっっ、どういうこと?!」って
ハッとするサスペンスならではの
シーンを入れて欲しかったなぁ。
科学者とは。
もともと母の影響でテレビドラマを観ており、
映画化と聞いてずっと楽しみにしていた。
ドラマを全話鑑賞している訳ではない私にも、登場人物の相関図がわかりやすく脳内に浮かぶストーリー構成で、テレビドラマシリーズを観たことがない人にとってもやさしい作品だったように思う。
相変わらず榊さんの常軌を逸した行動力にはハラハラさせられるが(それが醍醐味でもある)、映画らしくスケールの大きいエンターテインメントになっていた。
科学者vs科学者の構図も面白く、かと言って専門知識を詰め込むだけでもないので、非常にわかりやすい。
科学者は、想像ではなく、証拠に基づいて、理論を展開しなければならない。嘘なんてもってのほかだ。
真の科学者は、どちらなのか。
言わずもがなのような気もするが。
事件だわ!
ドラマシリーズは未鑑賞。沢口靖子さんの物真似だけを頼りに鑑賞。
良く言えばしっかりとした劇場版、悪く言えばTVSPって感じでした。
科捜研が巧みに事件解決への糸口を見つけていく流れはとても丁寧で、ドラマを見ていない自分にも分かるような感じでいて、かつ説明口調にならないように、柳マリコのおてんば感も良い味を出していて飽きませんでした。
犯人サイドにはう〜んって感じです。ダイエット菌の毒素をかけたり、荷物に仕込ませたりってのはまぁ分かるんですが、高所に呼び出したりする理由が明確に描かれていないので、いかんせん不自然さが拭えませんでした。あと熱心にダイエット菌発見の教授を支持していた子が特に何のミスリードにもなっていなかったとこにも違和感です。蓄積した毒素が事件解決と同時に回り始めるのも都合がいいなと思ってしまいました。
多分TVで見る分には満足できたんですが、劇場版らしいとまではいきませんが、犯人に魅力をもっと持たせてほしいなと思ってしまいました。あと太った痩せた言い過ぎ問題。
ただ、オールスターを108分に詰め込んだ脚本はすごいなと思いました。
鑑賞日 9/18
鑑賞時間 13:55〜15:55
座席 I-3
科学の二面性に迫る、20年の集大成
通常スクリーンで鑑賞。
ノベライズは既読。
シーズン20の最終話で本作の製作が発表された時歓声を上げた。シリーズ20周年の節目での映画化である。ようやくこの時が来たと云う感じで、子供の頃から「科捜研の女」が好きで観ていた私にとってこれほど喜ばしいことは無かった。
大スクリーンで展開される榊マリコをはじめとした科捜研での鑑定シーンなどのお馴染みの場面や、映画館ならではの音響で聴く「科捜研のテーマ」は格別の味わいと迫力があり、感無量だった。これぞ、劇場版の醍醐味だと胸がいっぱいだ。
歴代のレギュラー・キャラクターが総登場しアベンジャーズ状態。マリコの暴走具合も相変わらずで、20年間の人脈を駆使した総力戦はとてつもない高揚感をもたらしてくれた。
ドモマリの関係性に、シーズン3以来の再登場となったマリコの元旦那が波紋を投げ掛け、秋からスタートするシーズン21でも継続する模様。果たしてどうなるか、楽しみだ。
劇場版だからと大掛かりなアクション・シーンや迫力のスペクタクルがあるわけではない。悪く言えばいつも通り。だがこの「いつも通り」が20年掛けて築いた世界観なのだ。
それを映画だからと崩してしまう必要は無い。では映画でなくても良いのではないかと云うと、そうではない。そう思わせるほどに、扱われていたテーマが重厚だったからだ。
雑に扱えないテーマだからこそ、「ながら観」を出来てしまうテレビより、観客にじっくりと鑑賞してもらえる映画と云う媒体にした意味があるのではないかと感じた。
マリコと加賀野の対決に象徴されているように、人類の進歩に不可欠でありながら、その逆も齎してしまう科学の二面性に迫り、実証に必要な証拠提示の難しさを描いていた。
それは、トリック解明のプロセスが、新型コロナウイルスのワクチン接種と、副作用と考えられる事象の因果関係の科学的判別の難しさを暗喩していることから容易に察せられる。
こんなにタイムリーな題材を、このような絶妙且つ微妙なタイミングで、しかもシリーズ集大成となる劇場版で扱おうと決断した製作陣の情熱と勇気に心からの賛辞を。科学を真摯に描いて来たシリーズだからこその迫真性があったように思う。
秋の京都の美しさを捉えた見事なカメラ・ワークも見逃せない。ドローンでの撮影を多用していたり、スクリーン映えする素晴らしいシーンばかりだった。観光映画的で、旅行に行きにくいご時世だが、鑑賞後には京都に行った気になれたし、コロナ禍が落ち着いた暁には秋の京都へ行ってみたくなった。
[余談]
マリコさんの母親役で出演していた故・星由里子さんを、流用映像なのだろうけれども登場させてくれたことに、製作陣の愛を感じて涙がこぼれた。これで本当の全員集合である。
[以降の鑑賞記録]
2022/02/12:Blu-ray
2024/07/28:Blu-ray
※修正(2024/07/28)
タイトルなし(ネタバレ)
テレビシリーズの放送開始は1999年、20世紀から続く長寿シリーズの劇場版。
毎シリーズ、楽しみに観ていますが、映画館で観ることもないだろう、と思っていましたが・・・
京都の洛北医科大学、解剖医・風丘早月(若村麻由美)の目の前を、同僚の女性助教授が「助けて!」との叫びを残して落下していった。
京都府警科捜研の面々が臨場し、遺留物の鑑定を行うが、自らの意思で飛び降りたとしか思えない。
それでも、法医研究員・榊マリコ(沢口靖子)たちは、信頼する風丘の証言を信じ、事件の証拠を掴もうとしていた。
そんな矢先、洛北医科大学の別の助教授も転落死し、調査を進めると、海外でも2件同じような事案が発生していた・・・
といったところからはじまる物語で、ストーリーの枠組みなどはテレビ版と大差はない。
ま、海外でも同様な事案が起こっているのでスケール的には大きいけれども、大々的な海外ロケなどは行わず、低予算で切り抜けています。
と書くと貶しているように聞こえるかもしれませんが、これは誉め言葉。
テレビシリーズから劇場版を作る際、得てして製作サイドの方が舞い上がっちゃって、普段以上の予算を掛けて(ほぼ浪費するだけ)、スカスカの内容になっちゃうことも多々あるので、そんなことにはしないぞ、という製作陣の強い意志が感じられます。
その代わりと言っちゃなんだが、これまでレギュラーで出演してくれた面々を、同じキャラクターでありながら、時を経て、別の役職として登場させており、これがシリーズファンへのごちそうです。
ざっと挙げると、
科捜研の元同僚としては、相馬涼(長田成哉)と吉崎泰乃(奥田恵梨華)、
かつての所長として、マリコの父で前所長の榊伊知郎(小野武彦)、その前の所長・宮前守(山崎一)、
捜査陣側では
前刑事部長・佐久間誠(田中健)に、元刑事部刑事・木島修平(崎本大海)、
さらには、管理官・芝美紀江(戸田菜穂)に、マリコの別れた夫・倉橋拓也(渡辺いっけい)、マリコに恋慕している他大学の解剖医・佐沢真(野村宏伸)。
マリコの別れた夫役なんて、テレビでは初期シリーズだけの登場で、話の端に上ることはあっても、再び画面に登場するとは思っていなかった。
もっといえば、マリコの母役の星由里子までワンカットであるが登場する。
(星さんは既に他界して数年経過しています)
このゲストの出演が長年シリーズを観てきたファンにとっては嬉しい。
(今回がはじめての観客にとっても、それほど違和感がないように登場させているあたり、さすがはシリーズの中心を担う櫻井武晴の脚本だ)
その後、事件は、ダイエット菌と呼ばれる腸内細菌を研究している加賀野(佐々木蔵之介)の研究室にたどり着くのだけれど、テレビシリーズ同様、安直に「このひと、犯人!」とならない。
ここいらあたりのミスリード、定石的だけれども、安定感があります。
そして、クライマックスにマリコの危機! 急転直下の犯人が判明! というのもテレビシリーズと同じパターン。
そうそう、長年築き上げてきたパターンを壊しちゃいけません。
というわけで、基本的には長年のテレビシリーズファンへ向けた劇場版スペシャル。
あ、これ、誉め言葉ですから。
書き忘れましたが、冒頭には科捜研の面々の私生活の様子も描かれていて、それもファンには嬉しいところです。
なお、土門刑事役の内藤剛志と佐沢真役の野村宏伸のふたりは、妙な太り方でスクリーンで観るには見苦しいです。
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