劇場公開日 2021年9月3日

  • 予告編を見る

「ドラマ版を見ていない人にも世界観の面白さが分かり、ファンにはより楽しめるように脚本が練られている作品。」科捜研の女 劇場版 細野真宏さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0ドラマ版を見ていない人にも世界観の面白さが分かり、ファンにはより楽しめるように脚本が練られている作品。

2021年9月5日
PCから投稿

1999年の放送開始から20年以上にわたり人気を博してきた「科捜研の女」シリーズ。実は私は今ではかなり少数であろう、ドラマ版「科捜研の女」を一度も見たことがなかった1人なのです。
どこまで理解できるのか少し不安もありましたが、「なるほど、これが人気の秘密か」と、本シリーズを初めて見た私でさえも面白さと人気に納得できました。
本作で注目したのは脚本家・櫻井武晴。劇場版「名探偵コナン ゼロの執行人」などで大ヒットを飛ばし、「相棒シリーズ X DAY」では財政破綻問題に鋭く斬り込むなど才能のある脚本家です。
本シリーズには初期から関わっていたようで、医療などの専門分野を詳細にリサーチし物語を論理的に構築する能力は本作においても健在でした。
加えて本作では歴代の登場人物らも綺麗にまとめ上げ、ファンには、より楽しめる作品となっているのは「映画」ならではの仕組み。
「医療サスペンス」と「20年超にもわたる多くの登場人物」という2つの複雑な軸を108分でまとめ上げるのは、かなりの難易度だったと思われます。
劇場版だからと気負い過ぎずに、あえて普段通りの京都を主軸にするのも無理がなく好感を持てました。

コメントする
細野真宏