竜とそばかすの姫のレビュー・感想・評価
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詰め込み過ぎたかもだけど叩く人が残念
映像、音楽素晴らしかったし、青春劇はいじらしかった。
不満点はあるけど、叩く対象ではないんじゃないだろうか?作品に対してなんの権利があるのだろう?
四国の田舎(去年旅してほんとに東京から遠い
Uの世界、ともに魅力的な世界なのに描き方が半端すぎてワクワクが途中で終わり、小さな小さな二人の話に終始してしまった残念さ、
小さな小さなお話を描くのに大きすぎる設定を用意しすぎちゃったのね
なんか残念、酷評する人たちの気持ちも残念
オリンピックを叩いてる現実に似てて残念
芋虫とか虫をモチーフにしたAIキャラが可愛かった
雰囲気は良いが、全体的に散りばめられたご都合主義感がぐぬぬ。
予告でみて割と面白そうだったので観賞。
つまらなくはないけど突っ込み所等のせいでいまいち物語に入り込みづらい作品でした。
ストーリーとしては大筋やどのように物語を運んでどこに着地したいかは伝わって来ますし、
盛り上げたいだろうシーンでは割と盛り上がる感じもあり、なかなか楽しめます。
が、いかんせん気になる点が大きく足を引っ張ってしまっている印象を受けました。
気になる点はいくつかあり、一つは声とキャラの相性。
違和感を感じるキャラが多く、これがなかなか没入感を妨げます。
中盤には大体慣れましたが、中には一部最後まで慣れないキャラも。
そしてもう一つ、一番気になった点がタイトルにも書いたご都合主義感。
節目節目での物語の展開に対して説得力が薄いというか、伝わってこないのが致命的です。
全体的に、ある出来事がありその上でこの結果がある・・・といった流れではなく、
この結果を起こしたいのでこの出来事を起こす、というような雰囲気があり、
脚本上の都合に応じて無理やりキャラクターを動かしている印象を強く受けました。
とは言いながらも好きなシーンもありまして、
中盤からちょこちょこあるカミシンが出てくるシーンは全部良かったと思います。
むしろここをメインにおいてストーリーを作っても良かったのではと思うくらいにはすきです。
物語の説得力を重視してしまう方にとってはは少し怪しい感じはありますが、
細かいことは気にせず作品の雰囲気を重視します!という方はお勧めできるかと思います。
現代版美女と野獣?
他の映画作品の予告編で見てからずっと気になっていた作品。
しかも、私の大好きなサマーウォーズと同じ仮想現実世界で繰り広げられる物語と言う事で期待値爆上がりでいざ鑑賞!
こ、これは、現代版美女と野獣?
途中何度か「これディ○ニー映画だったっけ?」と頭を抱えた。
サマーウォーズと同じく一人の少女の成長物語ではあるものの、爽快感がない。
それは恐らく作品のゆったりしたテンポに比べて人物描写が唐突過ぎるから。
どうして、ベル(鈴)が竜にそこまで興味を持つのか、どうして、兄弟に会いにわざわざ高知から東京まで行ったのか。
なんとなくは解るけれど、その行動に説得力がない。
また、ネットトラブルや虐待などテーマが沢山ありすぎてとっ散らかっている印象。
少女の成長物語でまとめて欲しかったかな。
とは言え、映像の美しさと歌の力強さに涙が止まらず、必死に鼻啜るのを抑えてました。
私は、昔、虐待されていた子どもを上手く助ける事ができなかったので、恵の言葉を聞く事もとても辛かった。
鈴と向き合った時の台詞も色々と唐突だなとは思ったけれど、最終的には前を向いてくれて良かった。
そういった感傷を抱えている方には響く作品かも知れません。
ネックだった声優さんもそこまで違和感なく見れたので良かった。
ライバルはサマーウォーズ
一度レビューを消しました。
それはシンプルに、2回目の鑑賞で感想がガラッと変わってしまったためです。
まずいえるのは、やはり私は細田守監督のテイストが好きなんだということ。
しかしながら、今作の表現がサマーウォーズに似ているために、やはりそこと比べてしまって批評があれているのも実感できます。
なので、このレビューでは、サマーウォーズとどう違うかを確認しながら批評したいと思います。
先にいまいちなところから。
まず、第一に対人関係の密度。
正直、サマーウォーズをイメージしている限りでは対人関係の薄さ、並びに接点の描写があまりに少なすぎるための違和感や整合性のなさは否めません。
友人との関係もそうですが、お母さんつながりの5人の女性との関係も、正直だいぶ強引だったと思います。
しかし、ここは主役がいったい誰なのかを把握しておく必要があると思います。
サマーウォーズはなつきとケンジがいるものの、実際のところは陣ノ内家が主役と言えます。
先導役のなつきが現れ、なつきの向かう所に陣ノ内家の親戚が集まって、各人物の間柄、友好関係、確執がそれぞれ描写されていき、それをまとめている大家主の栄ばあちゃんが亡くなる、遠回しに殺されてしまう事から、陣ノ内家の弔い合戦が始まります。
家族の描写をしっかりするために、親戚一同が集まって栄おばあちゃんの誕生日を祝うという展開が、各キャラの誘導であり描写するフラグが立っているわけです。
これと比べて、今作の人間関係はあまりに数も少なく、また接点を劇中の中であまり描かないために、話が薄いと言われています。
それは、あくまでも主役は鈴だからです。
恐らく監督の中では、このストーリーは「鈴のひと夏の思い出」というスタンスで描いているのでしょう。
だから、各登場人物との接点が描かれず、あくまでも鈴が登場しているシーンばかりで表現されているのだと思います。
鈴が、果たしてお母さんがいったいなぜあんな事をしたのか。
自分が一体何で竜が気になってしまうのか。
自分が出来ることは何なのだろうか。
これらの心情をなぞっていく(表現するというよりもこちらの方があっているかと思います)ことにより、鈴自身のカタルシスをもたらすシナリオが、今作の大元になります。
まあでも、そうは言っても地味ですね。
サマーウォーズと比べた地味さが、恐らく批判に移り変わってしまっているのでしょう。
また、今作のシナリオでの先導役は、誰でもない鈴自身です。
劇中では鈴の友達のヒロちゃんがいて色々やってくれるわけですが、結局は鈴=ベルの歌声、ミステリアス/カリスマ性、それと対になるかのような鈴自身の引っ込み思案な性格からくるギャップ。
この鈴/ベルのキャラクター性そのものが先導役であり、しかしながら一目でわかる先導役のキャラが見つけにくいというのも、今作であまり爽快感を感じない原因の一つではないでしょうか。
2つ目は、話の規模。
サマーウォーズのシナリオは、言わずもがな結構規模がでかいです。
実質陣ノ内家&世界中のアカウントVSラブマシーンなわけですから。
それに比べると、あまり内容が言えませんがとにかく話のすぼまり方が極端です。
どれくらい窄まるかというと、瓢箪の出口のような狭さを感じると思います。
結局、ここの理由も鈴が主役だから、に繋がっていきます。
今作は、サマーウォーズと違い、自身の葛藤や困難そのものが巨大な敵となります。
それは、ベルではなく、一個人として鈴がどうやったら目の前のあの問題がクリアできるのか、という所にシナリオ全体も鈴自身も執着しているからにすぎません。
結局あのシナリオ構成の都合、あくまでも助けられるのは一握り。
それを助けるためにUの世界で助けを求めても、結局危険を招きかねません。
そのために、Uのベルとしてではなく、一個人として等身大の鈴として助けに行った。
という解釈になるものと思われます。
逆に、この行動をすることによって、鈴の中にあるお母さんの行動理念と一致し、気持ちも察することでカタルシスに繋がるきっかけになるわけです。
この時点で、だいぶシナリオの構造上、ライバルにサマーウォーズが浮かび上がりやすいのは言うまでもありません。
ただ、あくまでもシナリオの中心は鈴。
逆にいいところもあります。
特に今作で目を引くのは、millenniumparadeの楽曲と、それを中心に構成されたミュージカルシーン。
今作は、巷では日本版ディズニーと言われているくらいに歌唱シーンが多いです。
それに合わせて、ベルが様々な姿をして歌うさまはまさにディズニー。
これらの表現は明らかに手書きの2Dでは真似できないシーンです。
PVなんかでも見られますが、ベルがクジラの上に立って進んでいく中に花びらがバァっと飛んでいく様は、劇場で見たときはいたく感動しました。
曲も非常に低音が強く、劇場の音響にもよるでしょうがかなり壮大さを感じられる曲調です。
私は2回目にはIMAXで視聴したのですが、初日に見た映画館と比べて低音の響きや量感が非常に強く感じられ、壮大さがより増したおかげでとても楽しめました。
また、今作はVtuberに使われているLive2Dの技術もあちらこちらの登場人物に使われています。
アバターの表情や顔つきを見て、「明らかに2Dでもなく3Dのようなモデリングでもない」動きがみられて、正直最初はLive2Dで動いているとわかりませんでした。
今作ではアバターであるアズのキャラがそれこそ大量に出てきます。
それを手書きや3Dのモーションで書いてしまうよりも、シーンに合わせて顔や手などが連動して動いて合わせに行く方が作画作業としても楽だったのかもしれませんが、こういう斬新な手法を取り入れるのも実験的で非常に面白いですね。
もっと言えば、Live2Dであっても使い方を間違えなければ映画にも流用できるといういい例になったのではないでしょうか。
今作は結構今のトレンドを抑えていて、Youtubeのような配信、Vtuber、動画を編集した切り抜きや音MADみたいなものや、ライブ動画、アダルトなサイトへの誘導、スーパーリンクの貼り付け、ビデオカメラ通話、ネットによくある特定行為など。
また、スマホゲームのPVPのような表現もあり、こういう時事的なものが入っていると、不思議と関心がわき、また数年後に見返すと懐かしみを感じられます。
人物描写は確かに薄いものの、その分シナリオ全体のテンポは非常にいいです。
今作では演出面も強化されていて、喋っている登場人物に対して重ねるように小さい声で話すシーンがちらほらと見られ、時短ないしボリュームの密度を上げた演出が取られています。
シナリオ運び自体が全体的に速いため、途中で遊ぶシーンも入れたりするくらいにはサクサク進みます。
人物のリアクションも、所謂ステレオタイプな表現。
こういう感情の時はこうだよね、こんなこと言われたらこうなっちゃうよねといった様が実にわかりやすいです。
監督はこういうわかりやすい描写が非常にうまく、そもそも下積みの頃に原画や演出を多く携わっていたため、その点における演出力は高いのだと思われます。
人の感情の動きとか、深堀したキャラクター性が見える演出は少ないものの、全体的にサッパリとして話運びが早いのは、逆にいいことだと思います。
ガンダムやエヴァの映画は、決して嫌いというわけではないものの、まあだいぶコッテリとしたシナリオや言い回しなので疲れてしまう事もあります。
それが夏の映画として見れるかと言えば、正直きついですね…。
そういう点も含めると、やはり細田守監督の作品は「夏に向いている」作品なのだと感じられます。
いいところ
3DやLive2Dを使った最新の映像表現
鈴が自身の中の疑念とぶつかり、カタルシスを迎え成長していく物語
シナリオ全体のテンポの良さ、わかりやすい感情表現
いまいちなところ
鈴中心のために他人との接点、人物描写も希薄
話の規模の終息が地味すぎる
こんなに点数高いのに批判が強いのも珍しいですが、とにかくこういう映画は自分の目で確かめたほうがいいです。
レビューで図るより、自分の感性に任せて見に行った感想を抱く方が絶対おすすめです。
シナリオは合うあわないがあるにせよ、この演出は絶対に映画館で見るべきだとも思います。
ぜひ足を運ばれますことを。
ツッコミどころ完備
取り敢えず 「未来のミライ」からV字復活…かと思ってたらL字だったわ。テーマが見えない。すずちゃんを救いたかった?何から?彼女は何に気付いたのかしらん?
歌が上手な子を起用したのは分かる。ミュージカル仕立てでディズニー寄り?と思ったら歌詞が聴こえてこない。アレンジが前に出過ぎ。ここはちゃんと歌詞を聴かせなきゃ説得力に欠ける。歌ってる時の映像が回想シーンだなんて手抜き?もったいない。仮想空間の映像美を期待したのになぁ。それから…しのぶ君必要?どんな闇を抱えてるのよ?って期待したら普通に幼なじみだった。もうちょっと絡んでもよかったんでない?憶測炎上は瞬で自力で火消ししたけどこれからどうするんだろ?身バレしたし…ねえ?そう言えば…Uの世界はその後…?あー聞いちゃいけなかったか そうか。ご想像にお任せしますしますってヤツね。声優さんの起用には文句はありませぬ。田舎ぽい朴訥な感じが出ててよかったのではないでしょうか?(褒めてないな) 「未来のミライ」よりマシの☆3です。観といてよかったデス。
惜しい!!
主人公のネットの中の世界 ベルのデザインが良くて 見惚れてしまっていました。
つかみは良かった けど 竜というキャラが出てからは置いてきぼりに・・・
竜にどんな目的があるのか、竜がどんな犯罪?
を犯したのか全くわからないまま 一億 2億の数の人々に恨まれて 正義を名乗る謎の組織に追われています。主人公もなぜかよくわからず竜というキャラに興味を持ち 執着します
そして追われている竜を助けよう!って雰囲気になります 終盤も主人公が一人で現地にに突っ込んで何故か解決できたらしい雰囲気醸し出して戻ってきます。そんな感じです、
ベルのデザインと設定は良かっただけに 惜しい!!って感じでした。
感動の波状攻撃
お前がっ!・・・泣くまでっ!・・・殴るのをやめない!
没入感の高い仮想空間の描き方が、歌声が、これでもかと私の涙腺を刺激してくる。
もう大号泣ですよ、後半のライブシーンで、ええ。
本作のキモでもあるライブシーンのクオリティが全方位にすさまじく、乱暴な言い方をすればストーリーなんか知らなくてもこの歌唱シーンだけでも鳥肌が立つくらい、予告編で感じた期待感は裏切られることは無かった。
反面、そこに至るストーリーがやや説明不足に感じたのは残念な点
主人公とそれを取り巻く登場人物たちの関係性や仮想空間"U"について、主人公達が起こす行動の動機や心情の変化、様々な場面での"書き込み不足"が目立つ。
割とデリケートな内容に触れているからこそ、細部までしっかりと書き込んでもらえたら…と、残念に思う。
美女と野獣
忍の存在意義
全体的にいろんな要素(サマーウォーズ、美女と野獣、時かけetc)がざっくばらんに混ざった感じのストーリー。ところどころ良いシーンもあって駅でのカミシンとルカちゃんのやりとりやお父さんとのラインのシーンなんかは細田守作品ならではのシーンだった。
ひとつ大きく不満だったのは幼なじみの忍の存在
鈴の見守り役みたいなポジションで「なにか困ってない?」といつでもお金貸してあげるよおじさんみたいな事を言ってるくせに全然ストーリーに絡んでこず挙げ句の果てにラストシーンで「これで鈴のことちゃんと同じ目線で見れるようになったわ」と何もしてないくせに謎の上から目線で「お前はもう俺の手助けなしでもやっていけるな」とでも言いたげなクソ上司みたいな発言でもう消えてくれないかとも思った。
前半のストーリーはこいつとの恋愛要素があって学校内でけっこうモテてる設定なのだがどこが良いのかまったくわからんし鈴も幼い頃に「俺が守ってやる」とプロポーズされたと勘違いしたまま好きなってるだけで結局勘違いで好きになってるのでこの辺りは観てて全然ストーリーにのれなかった。
ストーリーの流れはしっちゃかめっちゃかでキャラも現実世界とUの世界で実はこのUは現実ではコイツでしたーみたいなのも無く薄い内容だが細田守らしいコメディさやハッピーエンドへの強引な持っていきかたは嫌いじゃなかった、ただ忍の存在この作品唯一の醜さだ。
世界観はサマーウォーズ
前半はなんだか乗れない話だったが中盤から後半はやはり細田守監督作品、感情の載せ方がうまい。歌も前半は多すぎの用に思えたが後半の歌パートははもっと聞かせてと思うほどに。
テーマはサマーウォーズと同じ。バーチャルでは無く現実が大事。今作はよりテーマが分かりやすく、深くなっていた。
結局匿名のネットの中では人間だめになるって話のように思う。
まあまあだった
アプリのUの世界がめちゃくちゃで、運営がなってない。ネット世界の現実で虫とか動物みたいになっている人らはどういうつもりなのだろう。一方で美女がいる世界で、それをよしとするのはどうなのだろう。竜の背中の痣と言っていたが、マントの模様にしか見ない。
ベルの顔の圧がすごくて好みじゃない。目頭切開してそう。自警団みたいな連中の正体は子ども部屋おじさんの引きニートなのだろうと思っていたら明らかにされなかった。歌も好みではなく、主人公の女の子から自然に出て来る感じがしない。児童虐待がとってつけたようで、エンターテイメントの出汁にしていいのか、深刻に悩んでいる人はムカつかないだろうか。竜の正体の少年が主人公に恋をしたらどうするのだろう。
新しい価値観を提示してくれるのかと期待したのだが結局、ネットの世界でも才能があって人気者で称賛されることがよしとされており、現実と大差ない。チャンスが広がっているくらいだ。
お母さん、人助けは立派だが、川に行く時は天気予報くらい見てから行って欲しいし、子供用の救命具がなぜないのだ。しかも子供に着せず、着ている自分が抱く方が安全ではないのか。主人公のすずはお母さんを亡くしてから心を閉ざしているとのことなのだが、それほど暗いわけでもなく、健やかですらあり、お父さんにのみ心を閉ざしているのが何か変。カラオケでたくさんのマイクを突き付けられるのも変な場面で、あんなにたくさんのマイクをカラオケボックスで使うか?
今回も好みではなかったが映像は美しかった。表現や物語に対して心が薄い印象だ。
サマーウォーズ越えならず
細田守監督と言えば"仮想世界”。
『デジモンアドベンチャー ぼくらのウォーゲーム』『サマーウォーズ』でその印象が強い。
そして今作も仮想世界"U”が舞台ということで非常に楽しみにしていました。
結論から言うと、う〜ん…という感じ…
冒頭は『サマーウォーズ』そのもので、それはそれでテンションが上がり良かった。
主人公すず/ベル(中村佳穂さん)の圧倒的な歌声で始まり、一気に観客を取り込んでいった。
ただ、全体的に話の展開が急というか無理矢理な感じがして、特にすずに全く感情移入することができなかった。
内容を詰め込み過ぎて大切な心情の変化・成長の過程が疎かになってしまっていたなと…
"こういうの面白い!”って広げた風呂敷が大き過ぎて、全然畳めていなかった。
前述で触れた冒頭シーンや母が亡くなった時のすずの表情など、これまでの細田作品を彷彿させるような描写への気付き、お馴染みの積乱雲や赤面したキャラクターは見ていて楽しかった。
今作で自分が1番気になったのが"U”の中にいるキャラクターたちの輪郭線。
今までだと異世界を表現するのに、それらは朱色で描かれている。
もちろん今作もそうなのだけれど、これまでと比べて黒に近いように感じた。
これは異世界がまさに"もう一つの現実”になりつつあるという細田監督の示唆ではないかと勝手に思っている。
第三者の声が多く使われているのも現代のSNS背景を映し出しているようで、『サマーウォーズ』からの時代変化を感じられて良かった。
改めて感想を言うと期待には遠く及ばず。
『サマーウォーズ』越えならず…
うーーーーん
歌と映像は皆さんの言う通りとても素晴らしかったです。
でも違和感だらけで色んなことが中途半端で疑問ばかり残るし、まず何故そんな父親との関係がギクシャクしてるのかわからないから父親に対して感じの悪い態度をとる主人公を好きになれない。
サマーウォーズ、時をかける少女大好きだったから本当に残念。
そして皆さんのレビュー見て私の好きな2作品は脚本が違ったということに凄く納得してしまった。
この映画にスタンディングオベーション14分?本当に??映像と音楽に対してってことかな?
カンヌって映画好き…というか目の肥えた人達の集まりじゃなかったのかな?ってちょっと疑問持つくらいガッカリ感が凄い。
映像も音楽も良かっただけに本当に残念。
この映画がツイッターでは大絶賛されてることについて解説
私も、観た時の感想はここでレビューを書いてる方々と同じ酷評でした。
その後、ツイッターで検索してもらえるとわかるのですが、概ね大絶賛されています!
歌だけでなく、ストーリーも込みで!
これは一体どういうことだろうと思い、多くの感想を読みまくりました。
で、一つの可能性に気づきました。
それは、
「この映画は、新ジャンルであり、既存映画に対するアンチテーゼなのではないか?」
というものです。
まず、伏線が張られていないことや、伏線を回収していないことについて。
これは、「伏線は絶対必要」「伏線が全て回収されている映画は素晴らしい」という映画の原則に対するアンチテーゼです。
そういう新ジャンルなので、これで正しいのです。
例えば、ホラー映画というジャンルを知らない人がホラー映画を観て、「なんで突然幽霊が出てくるの?」とか「なんで車のキーがかからないの?」という文句を言っていたら、「いや、そういうジャンルだから」というしかないですよね。それと同じです。
この「竜そば」の場合も「なんで突然〇〇が・・・」という文句は、「いや、そういうジャンルだから」というしかありません。
そして、一般の視聴者は、伏線なんて気にしていません! なのでこれほど絶賛されています。
(気にしてるのは映画ファンやクリエイターだけ!^^;)
某作品をパクってるという意見もありますが、これも、既存のリスペクトの範囲を大きく拡張した意欲作という見方ができます。
そういうジャンルなのです。
例えば銀魂でこのくらいのことをしても「銀魂だからOK」と思われるのは、銀魂が「そういうジャンル」だからですよね。
あと大人の言動がおかしいことについては、これも「そういうジャンル」だから。
主人公の「心理描写こそが最優先」で、他の要素はむしろ間引くべき、という考え方です。
例えば、ラピュタのパズーが人間離れした動きをしても、「そんな動き、普通の子供には無理だろ!」と怒る人はそんなにいないですし、
シータが大人びたセリフを言っても「子供がそんなこと言うわけないだろ!」と言う人はいませんよね。だって「その方が面白い」から。
竜そばも同じです。 その先に見せたい演出&面白い演出があればOKなのです。
以上が私なりの「竜そば」の解釈です。 如何でしょう?
私の解釈が正しければ、細田監督は新ジャンルを作った天才です。
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追記)
制作開始時、この脚本を読んだスタッフやプロデューサーが何も突っ込まなかったということはあり得ないと思っています。(皆さんもそう思いますよね)
皆が突っ込んだけど、「伏線伏線うるせーよ! だったら伏線なんていらねー! これが俺の映画だ!」
みたいな感じだったんじゃないかと勝手に妄想しています。
で、試写会してみたら大絶賛で、「ほら見ろ!」ってなってこの上映数に至る感じです。
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評価の★は3つにしました。
私には合わないジャンルでしたが、新ジャンルに対する評価です。
竜は誰なのかを期待しすぎた。
僕は、付箋を張るストーリーが好きです。今回は、お母さんが亡くなり、人前での自分の存在を隠そうとするすずの話。Uという世界はサマーウォーズの進化した版。発想はいいし、起承的にはいい滑り出しだったが、転結に向けて最悪の流れとなった。個々のキャラの強さは良かった。しかし、流れが作れなかった。個人的には、お母さんが犠牲になってまで助けた女の子に何か竜との関係性があっても良かった。現実世界で助けに行く様子は、不自然だった。一番の見せ場、すずが自分の姿で圧倒的歌唱力で人の心を掴む場面で、竜の今を何かをもって助け出せるように仕向けた方が鮮やかに終われたのでは?など不完全燃焼だ。あと、監督が言っていたが、美女と野獣を憧れているのは分かるが、マネしすぎて引いた。映像はもちろんだが、歌唱力は、さすがだったし、豪華声優陣で、一気に引き込まれた。
細田守の「As」の名はハヤオ
『美女と野獣』のモチーフで、現代的なネットの仮想世界を背景に、現実のシビアな問題を提示したいとの意図はわかるが、ストーリーが説得力に乏しく、肝心な部分が曖昧である。竜の「オリジン」が虐待に耐える子どもだと知ったベル=すずは彼を助けに向かうが、そもそもなぜ、そこまでするのか理由が不明だ。
増水した川の洲に取り残された子どもを助けに行き、亡くなった母親へのミメーシス(感染的模倣)なのか、父親の育て方が奏効し、親切で優しい娘になったからなのか。竜との出会いが彼女の何かを変えたのなら、その部分を描かないと、仮想世界「U」ではなく、なぜ現実で大胆な行動力を発揮できるようになったのか、観客に納得させられない。虐待されていた子どもたちの家庭も母親が不在のようだが、自分と境遇が似ているから、程度の理由では希薄すぎる。また、仮想世界で活動するアバター「As」は、精神分析的に言うと、「反動形成」により表面に表れた人格の「真の姿」を反映させる側面があると思われる。だから、被害者意識に凝り固まり、虚飾を装う中年女性のAsが赤子だったりする訳だ。
さて、Uの武道場でかなりの強さを誇り、自警団をなぎ倒すほどの力を持つ竜が、虐待に耐えて抑圧された子どもの負のエネルギーの反映だ、というだけで説明がつくか。50億超のアカウントの中で、飛び抜けて暴力的で力を持った存在のオリジンが? もっと悲惨な境遇の子どもなら大勢いて、竜をしのぐ力を持ちそうなものだが。児童虐待の深刻さを表現しようとしたのかもしれないが、その帰結が竜の強大な力につながる根拠が薄弱だ。
総じて、映像や音楽が素晴らしい分、ストーリーの欠陥が目についてしまう。やはり、細田監督は脚本から手を引くか、もしくは、プロの脚本家と共同で作業した方がよいものが出来上がると思われる。
さて、細田監督の脚本執筆力に難点があることを指摘したが、もうひとつ、気になる点がある。『おおかみこどもの雨と雪』が『となりのトトロ』へのオマージュだとすれば、今作は『風の谷のナウシカ』へのオマージュになっているように見える。だが、そろそろ「宮崎アニメの呪縛」から自由になってもいいのではないだろうか。細田監督の持ち味の「家族」モチーフをもっと自由に展開させることができれば、オリジナルな「細田アニメ」になると思う。その時は、監督のことをよく理解しているプロの脚本家の助力が必要だとも思う。
映像の技術は高い
全1518件中、881~900件目を表示












