竜とそばかすの姫のレビュー・感想・評価
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ネタバレあり。鈴が一人で向かった理由。問題は…児童虐待ではありません。
竜は児童虐待の被害者で竜を父親の暴力から助ける…と勘違いされがちですが、本作の問題点はそこにはありません。竜の母は顔写真を割られていることからも竜に憎まれています。つまり母親がいないのは離婚により去ったことが予想されます。竜の父親は二人の子供の親権をとり、豪華な子供部屋を与え、自由にパソコンやネットをやらせて何不自由なく育てようとしています。竜がネット上で豪華な城を持ったり、防壁たる人工知能を5体も従えているのには相当なネット課金が必要だったはずです。竜の父親は経済的に豊であり、お金が子供を幸せにすると思っています。ただ接し方が全く分からないのです。愛情の伝え方が分からず、規則と躾けが教育と思っているです。けして子供へ暴力を振るいたいわけでもなく、何としても家庭を守ろうとしています。
鈴は竜本人を見て、竜に必要な助けは殴られた傷ではなく、愛の欠乏による心の傷であることが分かります。母親から捨てられ、Uの精神スキャンでバケモノ認定された竜が誰からも見捨てられた存在でないことを示すため、鈴はひとりで竜の元へと向かったのです。周囲の大人達は竜のことを知らないので単なる児童虐待として保護を求めましたが、鈴は竜の問題点の本質を理解していました。竜が本当に「助けて」欲しいのは父からの暴力でないのです。父親が悪人でないことも分かっています。だから一人で向かったのです。そして直接抱きしめることが大切だったのです。
本作のキーワードは「欠けたコップ」と「前足のない犬」です。
どちらも誰かの助けを受けて存在を保っています。母の喪失によって心が欠けてコミュ障になった鈴も同じです。鈴は多くの優しい人々に守られています。U世界で自己解放した鈴は欠けただけで何者からも補完されない竜を見てショックを強い受けたのでしょう。誰なのか?どうして誰も彼を助けないのか?人はヒトのままでは動物のままです。人と人が繋がり、はじめて人間として社会に適合するのです。本作は「人が人間」になるお話。鈴も竜も同じ課題を背負っているのです。フランス文学「美女と野獣」では意地悪な王子が魔女に呪いをかけられて野獣になり、愛されることで人間へと戻りますが、本作では母に捨てられたことで自己承認できない少年が愛されることで自己を取り戻すのです。
どんなに時代が変わろうとも科学が進もうとも、人は他者から認められ愛されて初めて人間となり、他の人を守っていけるいう人間真理は変わることはありません。空にある入道雲と同じように永遠の真理なのです。
美しい映像、音楽などの娯楽性を持ちながら、極めて文学的な内容の作品だと思います。
ディズニー版アニメ「美女と野獣」と対比する人もいますが、ディズニー版はただの童話となっているので深みが全く違います。本作にエンタメ的な要素を期待して鑑賞すると何を観ているのか分からず、「あまり面白くない」という感想になってしまうのだと思います。
タイトルなし(ネタバレ)
2回見ました。1度目は普通の映画館で、2度目はIMAXです。
最初からIMAXで見ればよかった~!!!
ミュージカル映画など、音楽が好きな人は好きだと思います。
人間の描写がリアルでした。主人公の友達の毒のある感じ。ネット社会にはありふれている人格なのに、リアル社会では凄く嫌な人みたいに見えてしまいますね。
竜に心惹かれ、追いかける理由がもうちょっと欲しかったかも。
私は、ここの口コミ沢山見てから、映画館行ったので、全然期待してなかったのですが、2回目見た今でも、もう一回見たいと思います。
細田監督あんまなんだよなって人も見て欲しい。
良い。見てる最中も身終わったあとも感想は良い…。みんな!細田監督くさすぎないぞ!(いい意味で)!ちょっとでも気になったら見に行こう!映画館で見れてよかった。映像美と音楽は一流。感動した。よく日本でやってくれた。
因みに個人的には星4。だけどこの作品のレビューを高くしたいから星五。
ストーリーが酷評な様だけれど、細田守監督の作品を見てきた中で過去一よかったと思う。
でも起承転結ハッキリした作品で80ぱー受動的な作品がに好きな人は不満が出るかも。未熟さはあるけど限りなく未来が見える凄くいい作品。
男の人が書く、女性の書く世界観に見られる繊細さを追求した作品。男の人しか書けない作品だった。いい意味で。細田守監督しか描けない世界観の映画で未来が期待できる作品だった。
正直今までは細田守監督の作品は1回でいいやというものが多かった。酷い言い方するようだけど「映画」というワードで底上げされたアニメのイメージが強く、かと言って心に訴えて来る何かがある様な作品はなかった。1つのテーマに強く絞った真っ直ぐな作品が多かった。男の人が書く硬い世界観で好きな人は好きよね、みたいな感じ。
だけど今回は何かが違った。多分監督凄くアニメ映画勉強されたんじゃないかなと思った。ちゃんと観客の心を全力でつかみに来た作品だった。勿論ストーリー込で。
ジブリ作品とかでもそうなんだけどアニメにしか出来ない描写をよく理解していて、人物の感情をダイレクトなんだけど、さり気ない仕草に落とす表現もやってんな( -∀-)と思いながら見ていた。「人間」がよくかけていた。
笑わせたいポイントもガッツリ描かれていて、クスッとなったし周りの人も笑っていた。外してない!
観客が無意識に惹かれるポイントをよく分かっていた。正直言うとストーリーの転換やしぐさ表現に盛り込んだストーリーがぎこちない部分は見られるものの、本当にこれからの作品が楽しみになる作品だった。
物凄く楽しい作品だった。細田守監督の作品を見てきた事がある人ならわかるはず。大きな転換期を感じた作品。
⚠️注意⚠️見てない人ここから下はネタバレ含む!↓
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⚠️⚠️⚠️ネタバレ⤵︎⤵︎⤵︎⤵︎⤵︎⤵︎⤵︎ただの感想⤵︎ ︎
開始数秒からワクワクが止まらない映像美。いきなり音楽盛り込んできてあ、ここ?ドキドキ。観客を招いている映像表現かと思いきや、すずアングルwそういうの好きです。ありがとう。
母親の行動が無責任で愚かに見えたが自分の感想と作中のネットの声が被って「やられたw」感。
最後すずが竜を助けるシーンも母親と被っていて上手い!と思った。母親のシーンをただの愚かさで終わらせない感じ。すずにとって自分を限りなく表現出来るBelle=命だもんね。最後Belleを捨ててまで竜を助けるシーンが良い。 そこの理由を求める声が激しいけどあえて深く書かないことはお察しだし、色々考察できて楽しい。それに最終的に母親に対する「なんで私を捨てて」という感情を、自然に自分が竜に対してとっていた行動により受け入れていくのも良い。
ラブストーリーに持ってかなかったのもかなり良い。立ち位置構成もいい。Belleと竜は反対ポジだが現実では同ポジ(学校での地味子や母親からトラウマを植え付けられた被害者)なのも面白い。最後自分が成長を感じたことにより幼なじみと付き合う展開まで書いてくれて親切wありがとう。
個人的に吹奏楽の子がカヌーの子恋してて恥ずかしいから演奏中に顔色は変えず体をずらして見ないようにする表現が好き。
今回は顔を逸らす表現がキーポイントですね。すずが何気なく動画を見ていて、竜と弟それから父が出ている動画のシーンは竜が顔を背けていてひと目でこの子が竜ってわかったし、クリオネの子もついでにわかった。父親の不自然さをよく出せていた。うまかった。ただ虐待の描写は軽めに書いているのは分かっているが、実際自分も両親から似たような罵倒や暴力を食らっていたので普通にパニックなったし見てられなかったし吐くかと思った心臓の動機が半端ないし胸糞だし映画館飛び出す1歩手前だったから夢中でポップコーンに集中した。
ちょっと虐待経験ある人にはあれはきつい。軽めだとはいえキツイ。絶対同じ人いるからちょっと予告欲しかったかもしれない。これ書いていてもフラッシュバックが半端ない。でもそのぐらいうまかった。上手。
全体的に声優さんのマッチ度が凄すぎてストーリー以外モヤッとすることが1度もなかった。キャラも可愛いし(アズ) おばはんの赤ちゃんキャラなんて心理ついててめちゃくちゃ好き。ストーリー追いついてないって言いたいのは分かるけど皆が酷評するほど悪いとは思わない。確実にアニメ映画から日本アニメ映画に進化しつつある。
竜の弟くんはしょうがい持ちかな?守り方が異常なのもあるからそういう裏設定ありそう。
お城シーンは余りにも美女と野獣で野獣が右から左に出る描写なんてまんまやんって思ったけどリスペクト具合が分かって面白かったw
ただ2人のダンスシーンの転換が1番ざわっとした。
それから、母親との回想シーンで音楽に触れるきっかけのシーンがあってよかった。すずの音楽のルーツが見られるだけで物語の見方が大分変わってくる。
すずが全然見ていてイライラするタイプの主人公じゃなくて純粋な少女がかけていてアニメの書く人間の良さが出ていた。
あとみんな言ってるから言う必要ないかもだけどネットの声書くのうますぎる。コショコショ喋ってる感じが右から左から聞こえてきて臨場感があった。
正直もう一度見に行きたい。Belle可愛すぎる
非常に綺麗な映像演出
映像演出のクオリティに圧倒された。
Live2dを駆使したキャラクター表現や、楽曲や歌から得られる情景を非常にうまくビジュアルとともにミックスさせていると感じた。リアルでは冴えない主人公が仮想世界ではトップクラスに輝いて脚光を浴びるのは王道なストーリーだが、その基本の主軸を守りつつ、いかに世界観に引き込むのかが巧みなCG技術と相まって表現されている。50億人の利用者がいるオンライン世界上では、そこはもはや現実と変わらないという世界は、現代よりは少しすすんでいるが突飛すぎる世界ではなく、むしろ近しい感覚を得られたのは、youtubeなどで話題になりレーベルなど関係なしに人の心に刺さる表現が昨今多くなってきているのを見ているからだろう。故に現代をテーマとした作品に近いと感じた。
奇しくも母親と同じく自分を犠牲にして他人を助けることを選んだ主人公の話だが、実際には危険な行為、親としては止めたい決断。ほとんど自殺行為かなと。しかし希望を捨てずに突っ走って、綺麗な終わり方を期待したい気持ちがあるので、映像作品としては大変満足。
楽しめた╰(*´︶`*)╯
都市では生きずらい現代に
これまでの作品に比べると、より分かりやすい作品だったと思う。そういう作品は最近、批評家気分な人たちの餌食になりやすいから切ない。短時間エンタメなんだからいーじゃん。と思っちゃうんだけどな。
本作は、Uで表現されるBell周りの絵が、都市部にいると出会うことのない景色、自然の中に住んでいると不意に出会える心を打つ景色の鮮やかさとが紐づいて、歌声と音楽と、景色がぜんぶ気持ちよかった。だから、高知が舞台であることは当然だし、田舎を知ってる人にしか馴染めない感覚であり、優越すら与えたんじゃないかな。今っぽい。
そして、老若男女、アバターも含めて、色んな登場人物がいたけれど、あのお父さん含めて、それぞれの良いところを少しでも引き出してみせたところは、現代社会に対する描き方としても、心地良かったな。楽しかった。
ひっかかりを残すところも確かに多々あるけれど、またの機会で見直すと発見がありそうですね。テレビ放送を待ちます笑
評価が低い意味が分からない❗❗
行く前にレビューを見て、気が進まなかったが友達に誘われて観に行くと...
世界観がサイコー‼️
現代を象徴するようにSNS社会で話が始まっているので内容がすんなりと入ってきました。
また歌などの音楽がとても印象的で内気な主人公がここまで心を開いていてSNSの良い場面、悪い場面両方を取り上げていてとてもいい映画でした。
映画館で是非。歌、音楽、映像が私にとって過去最高。
歌唱力に凄く魅かれた!だがストーリーの締めくくりは相変わらずって感じ
今回の映画はミュージカル映画として観るのが良いかも知れません。美女と野獣に似てるって書いてる人何処でも見ますが似てて当たり前、題材が美女と野獣だから。これは監督自身が美女と野獣のミュージカル的表現に魅了されたから自分の作品でそういう表現を入れたかったからというのが本音(でもちょっとやりすぎな気もした)。後今回出てきたUという名の仮想世界、実はOZの未来の姿。そして今回アニメなのにリアルを押し付けてきたのはわざと、監督は今のネット社会の鬱陶しさと希望の二面性に着目してストーリーを構成したから。そして限りなくリアルに近づけたからこうなった。
ストーリーが最後の方ん?ってなった人結構おると思う俺もそう。何か毎回細田監督って締め方下手くそな気がする。
つかただアンチレビュー書いとるやつは1回調べてから納得出来ない部分があったらそこをアンチしろよなっていうのが俺の本音
また塗り替えられた細田守の傑作
映画館の音響はすごい
世界中の「すず」へのエール
個人の感性で差が出る映画
私からするととっても素敵な映画で、映画館で涙を流しました。
壮大な歌に世界、その中でもがき苦しんで自分の光や意思を見つけていく主人公。
ストーリーがわかりにくいと批判されている部分もありますが、面白い映画はただ単に『わかりやすい映画』だとは思いません。
キャラクター達の関係性や台詞が曖昧な分、そこは自分で解釈して自分で考えて楽しんでく映画なんじゃないでしょうか?
舞台となっている仮想空間(インターネットの世界)も、全員が同じ気持ちや用途で使用しているわけじゃありませんし…観る人個人の感性や今まで培ってきた経験、想像力などに評価がゆだねられる作品なのかな、と思いました。そこもまた面白いですね。
(※評価が低い方を馬鹿にしているわけではありません。映画や楽しみ方に対しての価値観は人それぞれなので)
傑作とはこういいうことか
ミュージカル作品はオペラもそうだが話が単純になりがちだ。細田作品は緩急を使い分ける。
特筆すべきは前半の回想シーン。子供と親が過ごす何気ない、けれどかけがえのない触れ合いのシーンをゆっくりと見せていく。このうまさったらない。
そして高校生の部活動を描くシーンのディテールは、その細やかさ甘さだけでなく、一瞬で見るものを高校時代の切ない思い出の中に引き連れていく。
美女と野獣のオマージュになると絵のタッチがその時代のものになり、当時のCGの質感まで再現してくる。
何より細田作品の中でもこれまで主人公におわせてこなかった生きることそのものへのトラウマに向き合わざるをえないこと、そしてそこへの解決の糸口。
カタルシスはネット内でのマスであるアバターとの意思の交換に持ってくるのかと思いきや、現実へと引っ張り戻して完全な解決に持ってくるわけではない。
ネットのなかを肯定も否定もせず、嘘を言ったり、人を傷つけたり、誹謗や中傷のある世界そのものをたんたんと描く。だから、こうあるべきなのだという善をとくのでもない。
しかし、はじめから最後まで、スローパートからオマージュ、トラウマを受け入れるところまで、完全なる解を提示していない。
そしてだからそれが良い。
傑作とはこんなふうに作られるんだと、ほんとにほんとに感じた。
なにより、歌が上手い。うますぎる。
アニメってここまでできるんだとも思うし、これまで女性の描き方に批判を受けることもあったが、その段階は突破したのだ、と思わされた。
心を吹き抜ける爽やかな疾走感。そして歌声
不満はたくさんある。
Belleになるまでの過程や、竜が暴動を起こす動機、クライマックスも含め過不足な描写が多く「なんでそうなった?」「ちょっと無理がある」と思ってしまう。
特に美女と野獣パートはあからさますぎて冷めた目で観てしまったのは事実。
それらを踏まえて高らかに宣言する。
「この映画が大好きだ!」
映画を何故作るのかと言ったら監督の創作意欲を満たすため。映画を何故観るのかと言ったら非現実的な体験をするため。
監督の脳内、妄想、創作を楽しむのが観客の楽しみだ。
細田守はこの期待に見事応えてくれた。
確かに他の人がいうように細田守のやりたい事を詰め込んだかのような脚本だけど…
それがどうした!監督がやりたい事やってるんだから面白くないわけないじゃないか!
最初にあげたような不満は多々あるけれど、その穴を埋めるかのように映像、音響、編集、演出がビシッと効いていて、不満を感じても激流のように展開される世界に流されてもはやどうでもよくなる。
しまいには流れが速すぎて不満を感じる間もない。速すぎるといっても観客を置き去りにさせないところは細田守すげぇなってなる。
というのも久しぶりに「ここは映画館だ」ということを忘れ、スクリーンに没入した。まさに自分がUにいるような感覚に陥った。
映画とは、アニメとは、夢を与えてくれるもの。
暗い世の中で忘れかけていた興奮を思い出させてくれた。
心を吹き抜ける疾走感は私に輝く夏を寄越した。
最高オブ最高
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