「海外も含めて多様な才能を結集させて創られたアニメ映画って凄い、細田守想像以上にやるじゃんと思わされた」竜とそばかすの姫 Kazu Annさんの映画レビュー(感想・評価)
海外も含めて多様な才能を結集させて創られたアニメ映画って凄い、細田守想像以上にやるじゃんと思わされた
細田守・原作・脚本・監督による2021年製作(121分)の日本映画。配給:東宝
すぐそこに迫っている様にも思えるインターネットによる巨大仮想空間を題材にした細田監督のミュージカル映画を目指した様な意欲作。
主人公の女子高生すずが暮らすリアル田舎風景(高知県)の従来のアニメ的描写と、彼女のアバターであるベルが活躍し称賛/誹謗が集中する仮想空間のCG描写は見事に成功していると思った。
すずとベルの声、更に劇中歌を謳ったのが京都出身の眼鏡の女性ミュージシャン中村佳穂(1992年生まれ)さん。全く知らなかったが、素朴な感じだが秘めた凄い才能が羽ばたく感じも有り、とても良かった。何か事前情報はあったと思うが、地方でのコンサートに単身行って見い出したという細田監督に脱帽である。
すずが仮想空間で出会った父親の虐待により傷ついた心を持つアバター竜の少年を救うため、本物の素顔を世界に晒し、誰の力も借りずにただ一人彼の東京の家まで乗り込むストーリー展開は、とても現代的。そして、少女の成長する姿を体現してとても良く、感動もさせられた。正直どこかで、自分は女の子1人で危ないとハラハラする気持ちもあったのだが、敢えて監督はそうした勇気を持った行動をするヒロイン像に設定したのだろう。拍手を送りたくなった。
岩崎太整(『モテキ』で第35回日本アカデミー賞 優秀音楽賞を受賞)を音楽監督として、多様性を意識して「King Gnu」常田大希や坂東祐大 (東京藝大卒作曲家で米津玄師の編曲も)等、多くの人材を束ねて作成された音楽もハイレベルな感じでかつ統一性も有り、とても良かった。
すずの親友ヒロちゃんの毒舌キャラクターもとても良かったが、声は何とYOASOBIの幾多りらで、見終わった後に知って声優も上手にできてしまうのかと驚いた。その他,すずの父は役所広司で、すずを見守る合唱隊メンバーとして森山良子、清水ミチコ、坂本冬美、岩崎良美さんも参画と、豪華な共演陣。また、キャラクターデザインなど才能有る海外アーティストの力も十分活用しているところにも関心させられた。
監督細田守、原作細田守、脚本細田守。
企画スタジオ地図、製作指揮沢桂一、製作伊藤響 、田中伸明 、菊池剛 、齋藤佑佳、プロデューサー齋藤優一郎 、川村元気、 高橋望 、谷生俊美、制作プロデューサー石黒裕之、作画監督青山浩行、CG作画監督山下高明、CGキャラクターデザインジン・キム 、秋屋蜻一 、岡崎能士 、ippatu 、岡崎みな、 イケガミヨリユキ、 エマニュエル・エデコ、CGディレクター
堀部亮 、下澤洋平、美術監督池信孝、プロダクションデザイン上條安里 、エリック・ウォン
色彩設計三笠修、衣装伊賀大介 、森永邦彦 、篠崎恵美、撮影監督李周美、 上遠野学、 町田啓、編集西山茂、音楽監督岩崎太整、音楽岩崎太整、 ルドウィグ・フォシェル(スエーデン人で19歳来日、元コナミ勤務)、坂東祐大 、挾間美帆(ジャズ作曲家)、メインテーマmillennium parade × Belle、メインテーマ(作詞・作曲)常田大希、メインテーマ(歌)ベル(中村佳穂)、リレコーディングミキサー佐藤忠治、スーパーバイジングサウンドエディター勝俣まさとし、ミュージックスーパーバイザー千陽崇之、キャスティングディレクター増田悟司 、今西栄介、制作スタジオ地図。
声優
中村佳穂内藤鈴(すず)/ベル、成田凌久武忍(しのぶくん)、染谷将太千頭慎次郎(カミシン)、玉城ティナ渡辺瑠果(ルカちゃん)、幾田りら別役弘香(ヒロちゃん)、森山良子吉谷さん、清水ミチコ喜多さん、坂本冬美奥本さん、岩崎良美中井さん、中尾幸世畑中さん、森川智之ジャスティン、石黒賢恵・知の父親、宮野真守ひとかわむい太郎/ぐっとこらえ丸、島本須美鈴の母、ermhoiペギー・スー、Hana Hope知/天使、津田健次郎イェリネク、
小山茉美スワン、宮本充フォックス、多田野曜平野球評論家、牛山茂司会者、役所広司鈴の父、佐藤健恵/竜。