「ストーリーを楽しみたい人は裏切られます」竜とそばかすの姫 おちゃさんの映画レビュー(感想・評価)
ストーリーを楽しみたい人は裏切られます
まず良かった点として音楽と作画が挙げられます。作中で流れる曲は文句のつけどころがありませんし、映像のクオリティも高かったです。
しかしそれだけでした。肝心のストーリーは手抜き感が半端なかったです。キャラクターの心境が描写されないため、(なんでこんなことしてんの…?)ってことが多々ありました。本っっっ当に多々ありました。また、描写が足りないのは心境だけでなく、時間の経過もです。作中で「今まで積み上げてきたものが〜」というセリフがありましたが、そういった描写がないため、見ている方からすればどれほどの間どうやって積み上げてきたのかわからず、一切の感情移入ができません。ストーリーは進んでいくのに私たちの理解と感情は置き去りにされてしまいます。
さらに言えば、冷める要素が多すぎました。これに関しては賛否あるでしょうが、特に冷めたのは、主人公が現実世界の竜を助けて帰って来た後、みんなで迎えるラストシーンです。サマーウォーズのように感動させたかったのでしょうが、話の大筋に関係ない人たちに満面の笑みで迎え入れられておしまい!wって本当に最悪な終わり方だと思いました。
特に酷いと思った部分だけしか触れていませんが、これ以外にも悪い部分、というか嫌悪感すら覚える監督のおままごとはたくさんあります。それでも見たいと思える人は見てみたら良いのではないでしょうか。
私は映画マニア!と言えるほど映画を見ていませんし、基本的にはどんな作品も楽しめるのですが、これは人生で最も退屈だった映画の1つとなってしまいました。
時間描写は学生服が冬から夏に変わっているのでそこでわかると思います。
橋の上で歌おうとして吐いてしまうシーンでは冬でした。その日の夜Uに登録する流れだったので、少なくとも一年近くはベルとして活動しているはずです。