「壮大なMVとして楽しんだ」竜とそばかすの姫 kenshuchuさんの映画レビュー(感想・評価)
壮大なMVとして楽しんだ
インターネットの世界を描いたアニメって結構難しい気がする。どのようにも描けるが、あまり変な世界観だと感情移入しづらくなるから。
本作に出てくる仮想空間「U」は仕組みが正直よくわからなくて最初違和感を覚えてしまった。イヤホンをつけると音がUの空間に入るのはわかるけど、視覚的にはどうなるんだろう。何人かいる部屋でUにアクセスしたすずの姿を意図的に見せなかった気がするのはそこらへんをごまかしていたのかもしれない。
ただし、Uの映像はキレイで冒頭からやられてしまった。そしてベルの歌声。中村佳穂さんの歌声は知っていたが、とにかくその美しさに魅了された。映像とあわせて、壮大なMVとして考えたらかなり満足度は高い。
肝心の話は、すずの母の話がうまく絡んでいて、すずが自分を取り戻していく再生物語としてまあまあといったところか。竜の正体はここらへんなのかなって予想をうまく外してくれてよかったと思う。
ただ、声優の演技は全般的に今ひとつ。中村佳穂さんは仕方ないとしても、主要キャラを演じた俳優たちの演技がちょっと棒読みっぽくなっていたのは残念だった。
久々の細田守だったが、楽しめたことは確かだ。
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