「細田監督らしい平凡さがにじみ出てる感」竜とそばかすの姫 Geso_de_Nyoroさんの映画レビュー(感想・評価)
細田監督らしい平凡さがにじみ出てる感
サマウォーは未鑑賞で、おおかみこども→バケモノ→ミライと鑑賞、個人的にはバケモノが一番良かったのですがミライは×、さて本作はどうでしょうか。
細田監督の印象は毎作〝アッチが良ければコッチが駄目〟的な印象があってソレが今作も出てしまった感が否めません。自分が思うに、細田監督は他のアニメ監督の様な抜きん出た特徴がある訳ではないので、どうしても創りが優等生チックで変哲を欠き、そのため何か不具合があるとソレが際立つ傾向に思います(同じタイプにヤマカン)。
好き嫌いの話で説得力に欠けますが、まずアナ雪のデザイナーを起用したとは言え、バーチャル世界をディズニーの印象マンマのビジュアルにしたのは相当なマイナスです。
日本アニメは独自に進化しそのクオリティは世界一のものと信じてますが、あの絵面でハリウッドの二番煎じ感が否めずスンナリ受け付けられません。ベルのキャラデザも初出の際一瞬不気味に映るのもありましたし。
そのベルが竜に執着する理由がよく解らず、イマイチ行動原理が精査されていない様に感じます。同じ事が〝自治厨〟みたいなジャスティンにも言えます。
またベルが歌姫として世界中から支持される過程も省かれていて、風呂敷がデカい割にトートツに頂点に伸し上がった印象。実際ニコ動やYouTuberがバズるのってそんなモンでしょうが、賛否は吹出し表現で印象が薄く、もっと何か説得力が必要です。ソレ以前にあの〝空間〟も説明不足かな?(デカダンスのソレとは違う様な?)‥‥
加えて楽曲が微妙に暗いのもモヤりました。この辺は『歌』をテーマにした他作アニメの観過ぎなのかも‥‥w
そしてあのテンプレマンマの自治厨はネット警察的な存在でしょうか、ソレにしては頭悪そうな素行で悪役演出が時代遅れな感じ。それに権限が強大な理由も不明。などなど、それらシーンの経過・内容や細かい部分の脚本の練り込みも足りない印象を受け、蛋白で既視感も散見されました。
最後に声優、今作も鈴と忍が△。他は特に気になる程ではないにしろ宮野真守/島本須美くらいしか本職は起用せず他は俳優・ミュージシャン・モデル。鈴の中の人、歌以外の「あ゛あ゛あ゛」と奇声を上げるトコなどノイジーで、忍の中の人の棒読み加減と相まってギコチナイ。細田監督は声優嫌いなのかな?宮崎監督のソレは話題になりましたが‥‥
良い所は人物の心理描写と、ネット厨の「みんな解ってないなぁw」辺り。ただ物分りの良いネット厨で火消しがテキパキ片付く展開は疑問でしたが、そんな折角の長所も上記の件でだいぶ薄められてしまい残念。
今作も決して悪くはないのですが(クンちゃんよりはだいぶマシ)全体的にグッと来るものがない平凡な仕上がりに思えた作品でした。
作品と全く関係ない件なので、セルフコメントにて記載します。
映画鑑賞時に隣人客の腕に Apple Watch ? か何かの『バックライトが点灯する液晶画面』の腕時計を巻いていて、ソレがポップコーンを頬張るたびに点灯し、視界の隅でピカピカ光って鑑賞の妨げになっていました。
当初は、映画が始まると同時にスマホいじり始めた?と勘違いする程で、真っ暗な映画館では多少の明かりもかなりウザいです。
同類のデバイスを腕に装着してたり首にかけたりしてる方は、鑑賞中に手首の内側に回すか外すなどの気配りが必要だと思われます。