「オススメしたいけど、するべきか悩む作品」竜とそばかすの姫 Latiさんの映画レビュー(感想・評価)
オススメしたいけど、するべきか悩む作品
結論から言うと、映像と音楽を楽しみたい方は映画館へ行くべき。
ストーリーやキャラクターを楽しみたい方は少し考えてといったところです。
映像と音楽は背筋がゾワっとするほど 迫力と感動があり、CGとアニメーション その境界がとても滑らかで、素敵な世界観を演出してました。
中でもサマーウォーズの出だしを彷彿とさせる冒頭のシーンは何度も見たくなるほどです。
また、主人公役の中村佳穂さんの歌声には心をグッと掴むような魅力を感じました。
声優陣は本職でなく、多くが歌手や俳優の方ですが 聞きやすくて良い演技でした。
(YOASOBIの幾田りらさんがやっていたと知った時は驚くと同時に新たな才能を垣間見ることができました。)
だからこそ 映画館(その中でもIMAXなど)で、その映像と音楽を楽しんで欲しいと思います。
一方で ストーリーは散漫としていて、何となくはわかるが、主軸がパッとしない印象でした。
細田守監督の作品は「ぼくらのウォーゲーム」から拝見してますが、「バケモノの子」の頃から脚本家が変わった影響で、ストーリーがしっくりこないことが増えました。
今作は特に顕著で サマーウォーズの設定を軸に、SAOと美女と野獣、アナ雪やショーマンのようなミュージカル的要素、それに社会問題の提起を足して8で割ったような薄っぺらな感じでした。
重ねて キャラクター個々は良いのに その掘り下げが浅く、なぜそう思う? その経緯は?と感情移入がしにくいところも惜しかったです。
全体を通してやりたいことが多すぎると思いました。
2時間では足りないですね。
これがオススメするべきか悩む点です。
特にサマーウォーズのようなワクワク感を望む人や、話の先や裏を察するのが苦手な方は終始?となるかも…
長々と語りましたが 個人的には3年後?の次回作のストーリーに期待してます。