「バレンタインデー消失!?」1秒先の彼女 caduceusさんの映画レビュー(感想・評価)
バレンタインデー消失!?
こんな、いい加減な話があっていいのだろうか!
人間の中に、時間の流れの早い人間と、時間の流れの遅い人間がいて、ある時、時間の流れの早い人間の時間が止まり、時間の流れの遅い人間の時間だけ、しずくが一滴一滴、器に溜まるように、一日延びてしまう。
時間は、止まったところから動き出せばいいようなものだが、なぜか、シャオチーのバレンタインデーだけが、一日消失してしまう。
掃除のおばさんや、お巡りさんの時間は消失しない。なぜか、主人公のシャオチーのバレンタインデーだけが消失してしまう。
ドラえもんがいたら、怒るに違いない!こんないい加減な話は聞いたことがない!
これで、映画を一本撮ってしまうのだから、すごいの一言だ。みんな、パントマイムのように、時間が止まってたじゃないか!
そして、やっていることが、ほとんどストーカーなグオタイは、ストーリーの都合上、終盤になって、車にひかれてしまう。そして、そこから363日の月日が経過し、シャオチーの働く郵便局に現れる。
交通事故の傷が癒えたのだと思うが、それなら、いっそのこと、93日目ぐらいに、ヨレヨレの松葉杖姿で現れた方が面白かったかもしれない。
この映画は、手紙と私書箱が鍵となるが、そこは観てのお楽しみだ。
バレンタイン消失は、いい加減な話だが、ラブストーリーとしては、ピュアでハートウォーミングだ。
最初はグオタイのことを気持ち悪い男だと思っていたシャオチーだが、グオタイからの手紙が私書箱に届かなくなると、一途にそれを待ち続ける。そして、グオタイが手紙を出すために郵便局に現れた時、思わず涙を流す。
ベタで、いい加減で、心あたたまるラブストーリーが観たかったら、迷わず観てほしい作品だ!
ほめてるように聞こえないなぁ…。シャオチー役の彼女も、とてもキュートですよ。バレンタインデー消失はご愛嬌で、ぜひ映画館で観てみてください。