「前半と後半の対比がおもしろい」1秒先の彼女 おじゃるさんの映画レビュー(感想・評価)
前半と後半の対比がおもしろい
地元映画館で珍しく台湾映画が公開されたので、たまには趣きを変えてと鑑賞してきました。ちょっと不思議でファンタスティックなラブストーリーで、ほっこりできる作品でした。
何事も人よりワンテンポ早く行動してしまう、郵便局勤めの女性が、偶然出会った男性に惹かれ、彼と一緒に七夕バレンタインを過ごすことを楽しみにしていたのに、気がつけば七夕バレンタイン翌日になっており、しかも前日の記憶が一切ない。なぜ1日分の記憶が丸ごとなくなってしまったのか。その秘密は…というストーリー。
主演は、名前も知らない女優さんですが、どこにでもいる素敵な恋愛を夢見るOLを、等身大でいきいきと演じていて、観ていて心地よかったです。決して万人からチヤホヤされる美人ではありませんが、彼女の人柄がわかるにつれて、だんだんかわいく見えてくるから不思議です。そんな彼女が、前半をテンポよくぐいぐい引っ張り、気づけば観客は彼女の恋愛を応援しています。
そして後半、意外な人物にスポットが当たり、テンポは一気にスローダウン。しかし、物語はここからが本番です。消えた一日の謎がしだいに明らかになります。この前半と後半の対比が実にお見事です。アップテンポとスローテンポ、都会と田舎、明と暗、謎と解といった感じで、内容的にも絵的にも真逆となるような構成がなされています。
前半は楽しく笑い、後半は切なく涙し、ラストはほっこり心温まる、そんなラブストーリーを堪能させてもらいました。ただ、後半で描かれる切ない恋心は、純朴なものだとわかっていても、その行動にはストーカーや変態と紙一重のヤバさを感じ、ちょっと引いてる自分がいました。まあ、かろうじて踏みとどまっていたので、ギリセーフということにしておきます。
alpha23dさん、共感&コメントありがとうございます。
レビューを上げておられないようなので、こちらに返信いたします。
彼氏の行動は、ちょっと微妙でしたよね。気持ちには十分すぎるほど共感できますが…。後日、その日の写真を全部見て、彼から詳しい話を聞いたら、ヤン・シャオチーはどう思うんでしょうね?ちょっと気になりました。
解りやすいレビューで噛み締めながら思い出してつつ読めました。有難うございます。彼氏の行動は同じ感想を得つつも国民性の違い!?と自分に言い聞かせました。