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「マドリに見えるユーモアが温かい余韻に、主演・平井珠生からも目が離せない」さつきのマドリ たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
マドリに見えるユーモアが温かい余韻に、主演・平井珠生からも目が離せない
少し評価が甘いかもしれないが、観ている道中からとても楽しめたので、つい。40分とショートながら起承転結がしっかりしており、優しい余韻をくれる意欲作。
さつきを演じたのは、『アルプススタンドのはしの方』で吹奏楽部の一員であるサチを演じた平井珠生。彼女に会いに行ったと言っても過言ではないのだが、かなりのハマり役で大満足。高校生から一転、彼氏に振られても省みない猪突猛進タイプの27歳に。ちょっとヤバい奴と自身が表現するくらいのキャラ。さらに、自身で歌も歌っているからまた良さが広がる。エンドロールも可愛らしい世界観を踏襲している。
さて、作品はというと、けっこう面白い。彼氏に振られたことで地蔵に願い事をしたら、男の顔が物件のマドリに見えるようになる…というぶっ飛んだ設定。ただ、男の浮気性や年収といった情報を例えているだけなので、地続き。
露骨に「結婚したい!彼氏欲しい!」なんて言うのは今の時代にそぐわなそうだが、それが幸せか否かを考えたくなることがテーマなので、その答えに余韻がポカポカくる。コミカルでファンタジーだけど、メッセージがどっしりしているので深い。かなりの収穫だった。
ちなみに、監督は本日登壇しなかったが、新作の撮影だそう。はやくも楽しみだ。
緑のドレスに身を包んだ珠ちゃんと写真も撮れて満足。これから来るであろう女優さんだけに、今後も目が離せない。そして、2足のわらじを履く監督、葛監督にも期待してしまう。
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