「挑戦し続けるルーザー達へ贈る」BLUE ブルー まだまだぼのぼのさんの映画レビュー(感想・評価)
挑戦し続けるルーザー達へ贈る
努力は必ずしも報われない。
他人から見たら無駄な努力に見えるかもしれない。
それでも挑み続ける挑戦者達の姿が映し出されていました。
本作は最初から最後まで一貫して、汗臭く、泥臭く、静かで激しい熱を帯びて、ボクシングに人生を掛ける男達の姿が描かれています。「才能と熱量は別」という台詞が劇中にありましたが、その言葉を体現するのが主人公の瓜田。負け続きの彼は、敗戦後も飄々としていますが、内に秘めたボクシングへの熱量や闘志、勝利への執着は人一倍強い。努力も惜しまない。それでも、勝てない。
そんな瓜田を中心に据え、才能と熱量を持ち合わせた後輩、次第にボクシングへのめり込んでいく練習生など、様々な男達の生き様が、リアルで哀愁を伴い、時にユーモラスなやり取りも交えながら、吉田監督らしい表現で描かれていました。
主題歌である竹原ピストルの曲の歌詞「もはや足跡を残したいわけじゃない でも足音を鳴らしていたいんだ」が、本作にはピッタリ。歯を食いしばってキープウォーキングを続ける姿に胸が熱くなります。
熱くて不器用でカッコ悪くて物凄くカッコいい男達、最高でした。
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