「結婚することの普遍的真理を提示」パーム・スプリングス リボンさんの映画レビュー(感想・評価)
結婚することの普遍的真理を提示
毎日毎日同じ日を過ごすことになった主人公の2人、当初は特にカップルではなかった2人が、
だんだん「つまらなく同じ日を、今日はどうやって無駄に馬鹿馬鹿しく過ごすかを考える盟友」のようになり、いつしか相手にいてほしいと考えるようになる、最終的には「あ、自分はあの人を愛していたんだ。。!」といつの間にか気付いていく、というラブストーリーになっていって面白かったです。
無限ループの日に取り込まれる設定は、結婚生活を比喩していたのかな?と思えるようになりました。
結婚すると毎朝同じ布団に同じ人がいるし、たまの冠婚葬祭以外は、自分達から能動的にイベントに行くとか今日は何をする、作る、食べに行く、などなど考えなければ、職場とスーパーの往復みたいなものになりがち。誰も自分達2人を楽しませてあげようなんて人はいません。自分達で、自分達の今日をどう楽しく過ごすか、意見があればちゃんと本音で言いあえるか、相手の良い面も悪い面も見ていられるか?ということが試される日々が続きます。
それでも本音で話せて、やっぱりあの人と一緒にいたいと思える人が本当の相手なんですよ、と教えてくれてる映画に思えました。本当で話せる相手が大事っていうのは「まともじゃないのは君も〜」に通じるテーマでした。
あと人には寿命があるから「あなたがいないと生きていけない」ではなく、「私は独りでも生きていける。でもあなたがいられるうちは、2人でいるとつまらない日々も少しはマシな人生になると思う」と思えることがとても重要なので、共感しました。
伴侶が亡くなればいつかは独りになるし、それでも生きていかなきゃいけない。だから独りでも平気だけど、独りになる日が来るまで、この人と一緒にいたい、と思える人に出会えることは、幸せなことです。
主人公の2人が結ばれた、ハッピーエンドで良かったです。