「【”簡単に、夢を諦めるな!。” 韓国の"水原勇気"が自らの信念、努力の結果を、彼女の家族の物語と絡ませて描いた作品。】」野球少女 NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【”簡単に、夢を諦めるな!。” 韓国の"水原勇気"が自らの信念、努力の結果を、彼女の家族の物語と絡ませて描いた作品。】
- ナックルボール。
且つて、揺れる魔球として、一世を風靡した”どのように動くか分からない”変化球である。
爪に引っ掛けて投げるために、多投すると、爪を割る事が屡々ある・・。-
■感想
・中学時代は、130キロを越える速球で鳴らしていたチュ・スイン(イ・ジョユン)も、高校入学後は、男子に体格が劣る様になり、自慢の速球も通用しなくなる。
一方、リトルリーグから、一緒に野球を続けて来たイ・ジョンホ(クァク・ドンヨン)は且つては、スインの足元にも及ばなかったが、今やプロから、声が掛かる逸材に・・。
が、彼女は女性であると言う理由だけで、プロテストさえ受けられない・・。
- チュ・スインの、周囲の否定的な声に負けない、只管練習する姿。血が付いた硬球の山。
スインの父も、宅地建物取引主任者の資格に長年挑戦しているが、結果が出ない。
そんな閉塞感溢れる中、母(ヨム・ヘラン:とても、良い・・。)は、スインの将来を思って、自分が勤める金型工場の仕事を特別にスインに与えようとするが・・。ー
・プロ選手に成れなかった新コーチのチェ・ジンテコーチ(イ・ジュニョク)が、赴任して来るが、彼も夢を追い続けて、家庭を破綻させているようだ・・。
- ここまでの、スインを取り巻く逆風の描き方が、”作為的であるが”良い。
何故、女子だから・・、と言う問いにも
”男性、女性関係なく、力のないモノは通用しない!”
という事がキチンと描かれているからだ。 -
・チェ・ジンテコーチに対して、監督が言った一言。
”チュ・スインの投げる球は、130キロ程度だが、回転数がとても早い・・。”
そして、コーチが言った一言。
”短所ではなく、長所を伸ばせ!”
・そして、スインはスピードガンでは130キロの速球と(実際には、回転数が早いという事は、打者の体感としてはもっと早い筈である。)無回転のナックルボールを組み合わせ、打者を翻弄する投球術を考え出すのである。
- イ・ジョンホが、スインに、爪を保護するためのマニキュアを”リトルリーグからずっと野球をやって来たのは、僕らだけだから・・”と恥ずかしそうに贈るシーン。良い男である。
そして、スインのプロ野球の入団テストのシーン。
今まで、彼女が野球をするところを観た事が無かった母が、スタンドで心配そうに見つめている。
(それは、コツコツと頑張る夫から、言われた一言がきっかけで・・。そして、スインに涙ながらに謝る母の姿も心に沁みる・・。)
スインは、スラッガーすらも、見事な投球術で、翻弄するシーン・・。
”カキーン”と打ち上げられた打球の行方は・・、スインのミットの中!
スインに、心の中で喝采を送る。-
・漸く、球団から、選手として採用かと思ったら・・。
- この、最終盤に来ても、一捻りする脚本の巧みさ。
そして、お母さんの一言に軽く脱力するが、何故か、涙が滲むシーンでもある。
◆お母さん、契約金は払うものではなく、貰うものですよ!。
しかも、2軍契約とは言え、6000万ウォンである。ー
<シンプルな素材を、見事に映像化した作品。
女性だから・・という事を余り前面に出さずに、
"一人の野球好きの、プロになることが夢だった若者”が、周囲から何を言われても、信念を曲げず、夢を実現する姿が、とても良かった作品。
鑑賞後、”さあ、私も頑張ろう” という元気が貰えます。>
NOBUさん、コメントありがとうございます。
私も一応父親なんですが、子供を理不尽に叱りつけてしまった思い出があって、子供が成人してから謝ったことがあります。
やはり、子供は覚えてませんでしたけど。
だから、この映画の母親には共感するところがあったんです。