劇場公開日 2021年10月1日

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「竜は人に懐かない・・」TOVE トーベ えびかに伯爵さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0竜は人に懐かない・・

2023年1月10日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

知的

難しい

寝られる

Oトゥトゥの『愛してる愛してない』を見た時を思い出した・・。
作品/ムーミンから来る→柔らかさ?先入観で、予備知識入れずに、のほほんと視聴し始めたけど、度肝抜かれた!
これはタイトルなり事前イメージが、内容と全く違う作品よ( ・∇・)?

最初に述べておきますが、めんどくさく、散文な、駄レビューになるかも?ですが、まぁ良かったらお付き合い下さい。

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映画は?娯楽の商業映画か?美術(や伝記も含む)の芸術作品か?に大別されると、ウチは思う。
本作は?商業映画として見始めたのが良くなかった。
コチラは伝記?史実を元にした作品(商品では無い)です。
エンタメとかショービズでなく、フィロソフィーとかイズムとかアイゼンティティとかに関する映画。
↑↑↑の『愛してる愛してない』を添えたのも、そう言う観点からです。


見始めて一番に思ったの作品は『ミスポター』と『カミーユクローデル』
ミスポターはピーターラビットの作者を描いた映画、彼女は英国湖水地方の環境保全に尽くした、佳き人物と伝えられる『貞淑な』女性だった。
カミーユクローデルはロダンの事実上の一番弟子である大きな才覚と小さな野心を内包する『(恋と芸術に)一途な』女性だった。
幸せかどうか?は死する時の本人しか分からない価値観なので、誰も何も言えないけど?
映画的に↓↓↓
・幸せな生涯だったと伝えられる→ビアトリクスポター
・何も悪くないのに精神病院に強制入院させられ人生を終えた→カミーユクローデル


見始めて一番に思い出した人物が『コナンドイル』と『グレースケリー』
→歴史書や旅行記を書きたく医師から随筆家?になったコナンドイルは、求められて軽い気持ちで推理小説『シャーロックホームズ』を書き始めた・・。
→偉大な父親に認められたくて、懸命にがんばった『モナコ大公妃』グレースケリーは、大公と出会う迄は、ハリウッドでの共演者とそれは数多の浮名を流したそう。

初稿シャーロックホームズの成功(ラストでホームズが死する終幕)で、大きく名を馳せたコナンドイルは、この業績でやっと自身の描きたかった旅行記が書けると意気揚々。
そんなドイルの元に来た依頼は『シャーロックホームズの続編(ワトソンの回顧録としての)』だった。
生涯、ホームズ作家であり続ける事を強いられたドイルは、いつも苦々しくホームズを思っていたそう(なので作中ホームズは奇異な感じに描かれたりしてる)。
70迄生き、心臓疾患で生涯を終える。

オリンピアン(しかも金メダル!)であり富豪にも上り詰めた父から、兄弟姉妹の中で「唯一愛されなかった」グレースケリー(かなり病弱であったらしい)。
彼女の『父親から認められたい承認欲求』は強烈なファザコンとなり、ハリウッドで数多な俳優と浮名を流す。
・・父親の様な年齢の共演男性らの、ほぼ全てと・・。
子供の頃の抑圧が?成年になり性に奔放になる形で具現化する。
一見清楚に見えて奔放だった?今で言う「清楚ビッ◯チ」の走りだったケリー、最終的にはまさかの王妃になり、不運な自動車事故(脳梗塞)で52の生涯を終える。

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やっぱり、めんどくさく散文な駄レビューになってる(涙

↑踏まえて、幼少期に彫刻家として大成した父親に厳しく躾けられ(北欧で第二次世界大戦も経験した)トーベヤンセンの、芸術志向も自身の性癖も破綻?したところからが、映画の序盤です。
ムーミンの柔らかいイメージ持ってると持ったままだと、かなり度肝抜かれた最初の15分でしたよ・・。
彫刻家の父に反抗?し、画家となったが、中々上手く行かず。出会った男女と・・

なるほど、女性監督さんなのね。
かなり破天荒でエロスは数多感じるのに、ポルノをあまり感じさせない作りは上手だな、と思いました。

彼女と一緒に見たい度】☆②
見た後に飲みたいお酒】アブサンやワインやウイスキー

これはネタバレでは無いですが↓↓↓
幼少期のトーベが、彫刻家たる父親の◯◯◯をしてた、てラストにサラッと添えられてる描写も?
実は、かなりトーベの人格形成(と性癖)に影響してるよなぁ?
その辺も、なるほど女性監督さんとして上手かった、と。

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欧米の竜は、翼竜の火竜→サラマンダー
亜細亜の龍は、蛇龍の水龍→ドラゴン

ある意味、魑魅魍魎ばかり?サラマンダーとドラゴンの織りなす、怠惰で淫らな、清廉で美しい、恋物語と、サクセスストーリー。

DVD旧作百円レンタル水準で☆④(*だけどこっちの勝手な先入観で度肝抜かれたので映画ドットコム的には③にしました!)

まさに今冬ですが、冬の夜(出来れば深夜)に一人で!ネガティブな時にでも見て欲しい作品。

人生に無駄や間違いや余計な事は無い、いや有るけどさ?
回り道でも必ず!何処か素敵なゴールに辿り着ける、て思わせてくれる作品でした。

・・本作、なんだかんだ好きです。

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めんどくさく散文な駄レビューにお付き合い、ありがとうございました。
御高配に感謝申し上げます(=´∀`)人(´∀`=)

えびかに伯爵