劇場公開日 2021年10月1日

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「この作品はムーミン誕生秘話、と云うよりトーベの若き日の恋愛や、創作...」TOVE トーベ 銀麦さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5この作品はムーミン誕生秘話、と云うよりトーベの若き日の恋愛や、創作...

2021年10月16日
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鑑賞方法:映画館

知的

この作品はムーミン誕生秘話、と云うよりトーベの若き日の恋愛や、創作、彼女がどんな人だったのかを描いている。

ファーストシーン。
戦時下で防空壕に避難しながらもムーミンのイラストを描いていた。もう既にムーミンが誕生していた。

恋人の女性のヴィヴィカをずっと一途に愛していたが、向こうは気に入れば誰とでも寝てしまうタイプ。

正式にプロポーズされたアトスとも、ヴィヴィカを忘れられず別れてしまう。後にスナフキンのモデルになった男性だそう。
このシャンティ・ロニーと云う俳優もチャーミングだった。

アトスはトーベから『女性と寝た』
と告白されて、正直どう思ったんだろう?当時、同性愛は勿論タブー。病気であり、犯罪だったとのこと。

アトスはトーベともし婚姻関係を持ったとして、トーベとヴィヴィカ、アトス、ヴィヴィカの夫の4角関係になるのはさすがに無理だったんだろうなぁ。

トーベも、やがて奔放なヴィヴィカに耐えられなくなり、パリで別れを告げる。
たが、その時にトーベは『絵画もイラストも漫画も舞台もやりたい。だけど一つには絞れないの』
『だったら全部やればいいじゃない』舞台監督だったヴィヴィカが助言する。

ヴィヴィカは確かに魅力的。どことなく『燃ゆる女の肖像』に出てきた画家役の女優さんと重なる。格好良くて男前なのだ。

ムーミントロールの絵本は次第に子供たちに読まれるようになり、イギリスの夕刊紙にも6年間連載契約を結ぶ。

この辺りで映画は幕を閉じる。

何となく女性目線の作品だなと感じたのですが、やはり女性監督でした。

トーベの女達らの逞しさ、芸術家特有の際立った個性。繊細で傷つきやすいところ。煙草やワイン、パーティー、踊ることが大好き。愛に一途。情熱家。

そんな人間くさい彼女に魅力を感じた。トーベ役の女優さん、アルマ・ポウスティも人懐っこく、とてもキュートだった。

銀麦
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