「24のヒトミもいいねぇ」くれなずめ 唐揚げさんの映画レビュー(感想・評価)
24のヒトミもいいねぇ
結婚式披露宴での余興のために久しぶりに集まった高校帰宅部の6人組。
久しぶりの再会に思い出すのは、バカでしょーもない思い出ばかり。
しかも余興は赤フンダンス。
ただ…
予告時点でのネタバレや前半のちょっとした違和感などで、何がこの物語の核心なのかは分かってしまったものの、泣いてしまった。
カラオケシーンや披露宴後の二次会ゴタゴタなど、本当にくだらない駄弁りだらけ。
でも、それが良い。
それこそが生きることであり、青春である。
ジメジメとしていて汗臭そうな、あのカラオケボックスが全て。
男ってのはいつまで経ってもあんな感じなんですよ。きっと。
下ネタにバカ騒ぎ、男子高校生みたいなノリ。
男なら共感の嵐だったと思うけど、女性の目にはどう写ったんだろう?
(なんか差別的発言みたいになってたらごめんなさい。)
そしてあの前半のバカっぷりがあったから、分かっていても泣いてしまう後半。
確かにあの天国パートは超蛇足に感じたけど、蛇足を重ねて足の生えた蛇を作るようなこの映画には、ピッタリの演出だと思った。
死は突然に。
余命モノや病気モノで泣いてしまうのも、この「分かってるけど…」って感じですよね。
状況こそ違えど、突然の死とそれによる喪失感は『君の膵臓をたべたい』を彷彿させる。
生きている5人よりも生き生きとしていた吉尾。
パッと見、6人と5人ってそんなに変わったように見えないはずなのに、吉尾が消えると、その場にいないってすぐに分かった。
認めたくねぇよ。忘れらんねぇよ。書き換えてぇよ。
一連の流れの後の赤フンダンスは、ラ・ラ・ランドにもパルプフィクションにも見えた。
生きてても死んでても変わんねぇよ。
松居大悟監督の得意分野を上手く活かした、今年No.1号泣映画です。
余談:あのちくわぶのおでん屋店主誰かと思ったら、滝藤さんで笑った。
どの方も演技上手く、Myトラウマ俳優の藤原季節さん、前田のあっちゃんは特に良かった。
若葉さんは見るたびに好きになるので困る。
今後トイレにはち〇ち○洗浄機が必要笑
早く、こんな至近距離でカラオケできる日が来ることを願って。