「壮大なレトリック」約束の宇宙(そら) グレシャムの法則さんの映画レビュー(感想・評価)
壮大なレトリック
完璧な宇宙飛行士なんていない、完璧な母親(父親)がいないように。
『風の歌を聴け』(村上春樹さんのデビュー作)の冒頭の文章みたいな台詞が出てきます。
レトリックとか修辞とか、分かったようでいて実はよく分からないまま使ってしまう言葉がありますが、これは比較的わかりやすい好事例かもしれません。
レトリックとは、巧みな言い回しで効果的な表現、というようなことだと思うのですが、人によっては〝効果〟の中に、やや真実をはぐらかしたり、ごまかすような意味合いも込めて使っているケースがあると私は思ってます。
完璧な数式、とか完璧な正三角形というのは、(たぶん)存在すると思うのですが、完璧な宇宙飛行士とか完璧な母親なんてものは人それぞれのイメージによるわけで、客観的な基準などはそもそも存在しない。
それでも、聞いた人の多くが漠然とながら、あたかも完璧な姿があるように錯覚して、うんうん、そうだよな、と納得してしまうのですから、効果的な表現という意味では、〝完璧なレトリック⁈〟ではないでしょうか。
人間世界の面倒臭さと比べたら「完璧な物理法則」に基づく計算を積み重ねて〝ほぼ〟完璧な準備(ロケットや機体や各種装置や打ち上げ日の天候予測などのすべて)を整えたうえで打ち上げられる宇宙ロケット。
だけど、それをコントロールする人間たちには完璧な人などひとりもいない。
このこと自体が壮大なレトリックで、なにかのテーマを表現しているかのようにも思える、ある意味で実験的な映画のようにも思えます。
エヴァ・グリーンの美しさ。
私にとっては〝完璧〟でした。
私も今日は仕事が午後からだったので、仕事前に行ってきました。
算数は…勝手な解釈ですけど、苦手と決めつけず父親が教えて効果があったのか、ステラ本人のしっかりしなきゃという自立心からかなと思いました。
なんだかんだ良いパパさんになりましたからね。