「【"自らの夢の実現と、愛する娘との暫しの別れの二律背反" 全ての働く母親は偉大であると言う事を再認識した作品。】」約束の宇宙(そら) NOBUさんの映画レビュー(感想・評価)
【"自らの夢の実現と、愛する娘との暫しの別れの二律背反" 全ての働く母親は偉大であると言う事を再認識した作品。】
■感想<心に残ったシーンなど>
ー 女性宇宙飛行士サラを演じたエヴァ・グリーンの蠱惑的な大きな眼が、印象的である。
幾つかのエヴァ・グリーンの作品を観賞した際の彼女の眼は冷酷で、妖艶であったが、今作品では、悩める母親の揺れ動く感情を、あの大きな吸い込まれるような眼で見事に表現している・・。ー
・サラの七歳の娘、ステラ(ゼリー・ブーラン・レメル)の、母親を想う、時に憂い、時に約束を反故にされて怒り、時に喜びを満面に表した表情が、実に愛らしい。
・ステラは、一時的に引き取られた元夫トマスの家に移るが、”学校に馴染めない・・”とサラに電話を掛けてくるシーン。
ー 自分の夢を叶えるために、娘に辛い思いをさせてしまっている・・、という想いを吹っ切るように、過酷な訓練を自分に課すサラの姿。
何となく、全世界の働く母親の事が、ふと心を過る・・。ー
・チームリーダーのマイク(マット・ディロン)や、同じクルーであるアントンの、サラを何気なく気遣う姿も、良い。
ー マット・ディロン、どんな役でも出来る職人の域に達している気がする。ー
・エンドロールで流れた数々の女性宇宙飛行士とその家族の姿も、良い。
特に"アンナ・フィッシャー"さん。
・ステラとの約束を果たす為に、規則を破ってサラが打上前のロケットを二人で観るシーン。そして、サラが乗り込んだロケット発射の瞬間を母親と何度も暗唱したカウントダウンのセリフを呟きながら、観るシーン。
ー それまで、愛娘との約束を果たせなかったサラが、決意し娘を自分が乗るロケットを朝日の中、二人で見る。良いシーンである。ー
<無事に宇宙に向かって飛び立つロケットを誇らしげな表情で父親と観る姿が、印象的な作品である。
サラは、ステラや、別れた夫トマスの協力により、多くの葛藤を克服し、幼き頃からの夢を叶えたのだ。>