カポネのレビュー・感想・評価
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監督のメンタルを注ぎ込んだ意識混濁ムービー
アル・カポネの晩年に対する興味が強かったのだが、果たしてこれは伝記映画と言えるのか? 手元にあったはずの上下巻のカポネ伝記本は売っぱらってしまったようで見つからないが、梅毒に侵されたカポネが、出所後にたどった運命はだいたいこんな感じだったと記憶している。ただ、あまりにも譫妄の領域に入り込んでいて、果たして今観たのはなんだったのか?とわからなくなる語り口は、面白いかどうかはともかく妙に癖になる酩酊感がある。
聞けば『ファンタスティック・フォー』で大手スタジオと揉め、作品は酷評&大コケの憂き目をみた悪夢のような実体験が反映されているらしい。一映画人の苦悩と、稀代のギャング王の凋落の軽重は、正直われわれ外野にはわからない。カポネを私物化することの是非は脇に置いて、かくも強烈なヘンな表現が生み出されたことは、ジョシュ・トランクに期待を寄せていた映画好きにまた次作も観たいと思わせてくれるだけの凄みでもあったと思う。
ネタバレになりますけど、隠し財産は「それは持ち出すな!」と怒っていたあの中にあったってことですよね?今からフロリダまで行ったら手に入れられますか?(譫妄)
欺けると思うな
過去に、レンタルで観ました💿
晩年のカポネを描いた作品ですが…。
正常なのか狂ってしまったのか分からない状態の彼を、トム・ハーディはうまく演じていたと思います🙂
反応の遅さや、一点を見つめる感じはリアルでした。
妄想に取り憑かれた感じの彼は見ていて哀れでしたね。
FBIに監視され続けるのも不憫でしたが、この映画では大金の真相は闇の中でしょう。
アル・カポネの晩年。
2020年(アメリカ/カナダ)監督:ジョシュ・トランク
トム・ハーディと言えば、かなり屈折した知性の持ち主、顔の見えない役を好む傾向がある(?)
そのトムがギャングとして世界一有名なアル・カポネに挑んだ。
刑期を終えてフロリダの邸宅に帰った彼の、1947年に亡くなる直前までの、カポネの最晩年を描いている。
梅毒の悪化による認知症の重いカポネは、「アンタッチャブル」でエリオット・ネスと張り合った「世界一有名なギャングスター」の面影は皆無だ。
過去の悪行がフラッシュバックして蘇り、悪夢にうなされる。
失禁するシーンが2回もあって、哀れなものである。
映画の中のシーンも彼の悪夢なのか現実なのか区別がつかない事が多い。
観客もカポネの意識混濁に付き合わされて、困ったことになる。
脳梗塞の発作の後は言葉も不自由になり、ますますカポネが正気なのか?
本当に異常なのか半信半疑になる。
ガウンを羽織った下半身はオムツに素足にスリッパ。
トムの認知症患者・成り切り演技は、いつもながら天晴れ。
喋れない制約すら、目ヂカラにモノを言わせて楽しんでいるようだ。
今、予告編を見た。
これは誇大広告だわ(笑)予告編より全然面白くない。
予告編を裏切る地味な映画。
ダイナミックなアクションなんかないので期待しないでほしい。
屋敷の外ではFBIが監視して盗聴を仕掛けている。
目的は、1000万ドルをカポネが隠しているとの情報だ。
この件も本人すら忘れてるふりなので、乞うご期待・・・は、しないで(笑)?!
トム・ハーディは毎日4時間かけて特殊メイクを施したと聞く。
素顔を見せない役の映画「ダンケルク」「マッドマックス怒りのデス・ロード」。
「ダークナイト・ライジング」に至っては被り物で顔は全く見えない。
4時間の特殊メイクにしては、「素顔と変わらないじゃないか?」と言いたくなる。
実物のアル・カポネには似せてない。
顔の傷(スカーフェイス)や、梅毒による皮膚の爛れ、皺禿げ上がった額の他は、トムの素顔とほとんど変わらないじゃない!
シカゴを牛耳ったカポネが晩年を暮らしたのはフロリダの広大なお屋敷。
主治医を「ツインピークス」のカイル・マクラクランが演じている。
彼も隠し金の場所を聞きたそうとするが・・。
それにしても450件の殺人事件に関与したのに、逮捕容疑は脱税と酒の密売(禁酒法時代です)
10年足らずの刑期で、出所。頭のいい男だ。
悪夢に苦しむ寂しい晩年はある意味で自業自得でしょうね。
どこまでが…
現実あるいは妄想、回想なのか分かりにくかった。結局隠した金も未だに出てこないということだし、48歳という若さに驚きだが痴呆が進んだ男のドラマチックでない話だった。
その後数年の間に家族のほとんどは名前を変え転居した
映画「カポネ」(ジョシュ・トランク監督)から。
冒頭「これは彼のその晩年を描いたものである」と
キャプションが入り、ちょっと興醒めした。(汗)
実は、歴史に名を残す人たちの晩年の作品は、
ほとんど、最高時の自分のイメージを消すことができず、
麻薬やアルコールに溺れるか、孤独にひっそり・・
そして今回のような、認知症などのボケ症状など、
幸せな晩年を送るケースは少ない。
まぁ、それではドラマにならないのかもしれないが、
「偉人伝」の最後に、文字で表現される程度でいい。
逆に「暗黒街の顔役」と恐れられた伝説のギャング、
「アル・カポネ」の凄さを教えてもらった方が、
映画として楽しむことができたのに・・と思う。
ラストのキャプションはこうだった。
「その後数年の間に家族のほとんどは名前を変え転居した。
隠したとされるお金はまだ見つかっていない」
冒頭とラストの説明で済んでしまう気がするなぁ。
残念…
トム・ハーディ大ファンなので、それを差し引いて出来る限り客観的に考えて、
・伏線の張り方も回収の仕方も雑…?
(濡れた所掘れ、なのに掘らない)
・情景描写(川・森林)が理解不能
・若い頃もう少し描いてくれないと、鏡に映ったの「誰?」
全員がカポネの事前知識あると思うなよ
・幻覚(ジョニーやトイレのシーン)に違和感を感じないまま実は幻覚だった!と気付かされる。もう少しグラデーションで判明してくれないと、観てる側は「ふーん」程度。入り込めない。
・テーマは「尊厳」?「信頼」?「家族」?
けど最後のキャプションで「家族」は苦労したって説得力をわざわざ下げる?
・風船飛ばせばミステリアスな雰囲気つくれると思った?
あらすじがとってもいいし、とっても期待していた。
いまでも、他の監督が撮ったらもっと良くなる、と信じてるくらい、残念。
トム・ハーディは、持ち前の強さを、影に潜めることに成功し、同時に繊細さを体現していて、哀れな姿を全身に纏っていた。
作品に恵まれなかった、と思ってしまう。
酷評してしまったけど、ちゃんとした作品を、真剣に観て、しっかり考えたうえでの感想なので、真摯な意見。
ただただ残念だった。
デニーロのフランケンシュタインを思い出した。
これね、むちゃくちゃ堕ちる話でした。
晩年の一年を描いたものである、というオープニングがすごかった。で、ちゃんと過去の栄光のシーンが全く挟まれないという構成が良かった。
葉巻もニンジンに変えられてもそれに気づかない(!)というのはコメディを超えてただただ憐れを誘ういいシーンだった。
デニーロのフランケンシュタインも思い出したけど、昔、志村けんが死に際の老人を演じるショートストーリーがあったのだけれど、ただただ自分が綺麗に死ぬことはできないという描写がこの映画にも描かれていてしみじみしてしまった。
一年で人は動けなくなって一気に死に近づいてしまうんだなあと。
老いることを考えるには良い勉強になる素敵な教材だった。
ピーターパンならぬフック船長の悪夢も連想させられる妄想シーンはよかった。おそろしすぎる。
そして隠し財産は沼地に沈んだのだろうか。
やっぱり演技派
やっと日本公開されたので観に行きました!
アルカポネの晩年を描く玄人好みな内容なので、初日なのに映画館は6人だけと少なめ。
CMの感じでは、隠し財産の行方を探るサスペンス要素もありなのかと思っていたけど、梅毒、アルツハイマーが進行して脳卒中まで起こして、さらに行った罪の重さからなのか疑心暗鬼にもなって身内さえも信じられない哀れな様を描いた映画だった。
そしてこういう代わり役させたらピカイチのトム・ハーディ。
まぁ個人的にはトム・ハーディの演技を見るだけの映画だっかなと。
カポネという男に興味が既にある人にはオススメ
作品冒頭で説明がある通りカポネの晩年を描いた作品。
カポネが良くも悪くも活躍していた全盛期とは程遠い姿であり、彼が最後どういう姿で余生を送っていたかという点に重きをおいている。
全盛期とは違う姿を描くのはそれはそれでいいが作品としては中途半端な気がする。
結局大金の在りかも分からなければ、カポネが病気を演じてるなんて政府の役人に言われそのような事を匂わそうとする割には特にそんな姿を感じられない。
カポネをあまり知らない人からすれば、梅毒を患い身体はボロボロな上に脳卒中を数度起こし、認知症となりそして尿便を度々漏らすただのボケ老人のような姿に見えなくもない。
幸いカポネという人物の知識を持ち合わせていた為最低限は楽しむ事ができたが、エンタメとしても伝記物としてもなんか中途半端な作品だなぁというのが率直な感想である。
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