ビバリウムのレビュー・感想・評価
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『トワイライトゾーン』の一編のような映画
北欧のSFミステリーで『トワイライトゾーン』の一編としてあってもおかしくない話。
冒頭のカッコウの描写が、本作のテーマ(カッコウは他の鳥の巣に卵を産み育てさせる托卵という習性がある)。
個人的にこういう1つのテーマを掘り下げた作品は嫌いじゃない。
全体的に静かなトーンで話が進み、ジワジワと狂気に侵されていく夫婦の様子が描かれていく。
子供のいない若い夫婦、子育てのための家、出自不明の赤子。整然とした風景が逆に怖い。
演技派のジェシー・アイゼンバーグとイモージェン・プーツが好演していて自然と物語に引き込まれる。子役も常人じゃない雰囲気を出してて上手い。
この映画、一種の拷問のようなものだと思った!
主人公は若いカップルで、将来の家族計画のために、軽~い気持ちで不動産屋行くとこから始まるけど、そこからとんでもないことが待っているわけ。
案内された家を、冷やかし半分で内見していると、いつの間にか不動産屋さん消えちゃうし、同じ家しか並んでいないその町を出ようと思っていても、なぜか抜け出せなくなるの。しかも、その町にはだれも住んでいないことがわかるの。
まったく同じ家がズラーッと並んでる風景が、とにかくシュールでヤバいって感じ。しかもどの家も緑色で、結構かわいいデザインだからよけい怖い!(たまに私鉄沿線で、そんな風景あるよね。同じような感じの家並んでて、超ビビるから!)
それから、段ボールで赤ん坊が送られてきて、その子を育てることになるけど、すぐにデカくなるし、超キモい奇声をあげたりして、どう考えても人間じゃないんだよね。マジありえないって感じ。お母さんは必死に母性愛発揮するし、お父さんは現実逃避して、意味わかんない穴掘りに没頭するし、すべての展開が異次元の地獄なの。
食事は、デリバリーで毎日届けられるけど、見た目はおいしそうだけど、まったく味がしないんだ。家を燃やしても、次の日には普通に戻っているし、マジで拷問だよね。空見上げても嘘っぽい雲が並んでいるだけで、死んでもゴミみたいに処分されるだけとか、ほんとヤバかった。
これって罠?宇宙人による地球侵略?それとも子育てが大変だという不条理系メタファー?どっちにしても、この映画、悪意満載の97分間の拷問だわ~。
まあ、ビバリウムとは、本来「生物の住む自然環境を再現した空間」を意味しているらしいけど、それの人間版だからね。ホント驚きだわ。
トゥルーマン・ショーかなあと思いきや
予備知識ゼロで鑑賞。ホラーとかサイコサスペンスとかSFかと思いきや北欧にもヤオイ系ってあるんですね。もしかして隠された意味があるのかもしれないので、他の人のレビュー巡礼に参ります。
不条理スリラーはメタファー作品だった
「家を探してただけなのに…」
と、内見に行ったら異世界の何者かの子供を育てる羽目になったカップル。
妙に成長の早い子供、抜け出せない住宅街、徐々に精神を病んでいく彼氏、合間合間に見せるワントーンでまとめられた家と太陽(?)光の美しいコントラスト。
映像は好きだけど、最終的にあの生き物は繁殖するわけでもなく、なにがしたかったのか。
あそこまで文明が進化してたら、人間よりも優れてるだろうになんで人間に育てさせるんだろう。
負に落ちないなー。
と、思っていたけどナガさんの考察を読んで、あれは資本主義のメタファーとわかると急に腑に落ちた。
わたしの思考は資本主義の労働者側だなw
こんな置配はやだ
てっきり、コロナ禍における在宅勤務と置配生活が元ネタなのかと思いきや、本作公開後直後に欧米にコロナが蔓延し始めたというから、まさに予言的作品だったわけである。怪しい不動産屋の案内で“Yonder”と呼ばれる新興住宅地を見学しに訪れた夫婦(イモージェン・プーツ&ジェシー・アイゼンバーグ)が、なぜかNo9の家から抜け出せなくなるシチュエーションスリラー。
なぜ、7でも8でもなく9なのかというと、一度入ったらループから抜け出せなくなる“9”という数字の形状に意味があったらしい。監督さん曰く、この理由なき監禁物語は、安部公房の『砂の女』にヒントを得て創作を加えたものだという。オールド・ファンならばきっとブニュエルの『皆殺しの天使』なんかを思い出されるのかもしれない。
見渡す限り緑色の同じ形をした家が整然と立ち並ぶ光景は、昭和の高度経済成長期に建てられた没個性的な新興住宅街によく似ている。酔っぱらって帰宅して朝起きたら隣の家のかみさんが横に寝ていた、なんて笑い話をよく聞いたことが昔あったが、本作の場合、住んでる人間が自分たち+不気味な子供3人だけという異質空間なのだ。
近所で在宅勤務をしている方を脇から眺めていると、日増しにぶくぶく太りだし、髪や鬚もぼうぼう、身なりをまったく構わなくなってしまう残念な様子をよくお見受けする。本作の夫婦も明らかに人間ではない赤ん坊を押し付けられ、どこにも行けずネットにも繋がらない状態のため、精神的に病んでいってしまうのである。
一度自由主義経済を導入してしまうと国民の意思とは無関係に、二度とそこから離脱することが許されない。このアイルランド人の監督さんは、もしかしたら本スリラーを通してそんなことを言いたかったのではないだろうか。もし仮に離脱しようとしたならば、百舌の赤ちゃんのように、ぬくぬくとした資本主義の巣から排除(経済制裁)されるしか選択肢はないのである。
惜しい
なんとも惜しいです。
かわいい色のお家のオシャレな街並みだけど、
どことなく気味悪さを感じる街並み、
怪しい不動産屋、謎の赤ちゃん、
奇声を発する気味悪い子ども…
なんともワクワクするものだらけなのに、
なぜか中だるみしちゃう…
結局、宇宙人だったのかもしれないけど…
もうちょっとそこを掘り下げて欲しかったなぁ、と。
謎に彼氏が死に(気づいたら体調悪くなってた💧)、
そのショックと苛立ちからついにあの気味悪い子ども(大人になったけど)に攻撃して、気味悪いクモみたいな走り方で突然、アスファルトこじあけて逃げた時は、
「おっ!!やっと謎の解明かっ!」って思ったけど、
そっから謎のフラフラ〜、幻想⁇、あれ?同じような方々が〜⁇という事態にみまわれ、結局殺され、、、
エーッ!!って感じだった。
いや、もちょっと頑張ってよーっていう…
主人公たちが何故あの不動産屋に立ち寄ってしまったのかもナゾ。
たまたまなのか、あの謎の「何か」に目をつけられてしまったのか、、、
もうちょっとそこら辺はベタでもいいので、分かりやすくすればよかったのに。
なんとも勿体無い作品だなと思いました。
「住めば都」って誰がどういうつもりで考えた言葉なんだろう?
あこがれのマイホームを探している若いカップルがいかにも胡散臭い不動産屋に導かれるまま、すべてが無機質で不可思議な住宅街に軟禁されるストーリー。
そして、謎の男の子の赤ん坊の存在がより不穏な雰囲気へと鑑賞者ともども誘う。
全然観ていて癒されない「ビバリウム」である。
ストーリー冒頭、巣から落ちて死んでしまったひな鳥は
結局のところ、主人公カップルの行く末を暗示していた。
一見幸せそうな家族というのは
囚われた姿なのか?
そして、人間も生き物に過ぎず、
自然の摂理に従わざる負えない存在だということか?
あるいは、見落としていて気づかないところに実は自分達が望む道へのヒントがかくされているのか?
例えば、謎の男の子がTVで見ていた幾何学模様は実は住宅街の地図だったのか?持ってきた本の中にもそれが隠されていたのか?
鏡のように自分たちの醜い姿を真似する子どもにイラつく気持ちはわかるが、子どもはちゃんと見てるし、ちゃんと示しているということか?
「住めば都」という言葉は厳しくつらい環境も慣れてしまえば馴染んでくるという意味だが、
本作の主人公たちが「突き落とされた」風情も人情もない迷宮を見たら、
必ずしもそうではないと反論したくなるものだ。
しかし、それはひょっとしたら大人の驕りなのかもしれない。
人間の驕りが時に自然の怒りを買うかのように。
見限られない生き様をみせなくてはとちょっと焦った。
ゾワゾワ
あ~、こういう何か風刺しているというのはダメですね。ヨーロッパには時々あるからなぁ。
カッコウの託卵は知っていたけど、あのキモい子供を託卵させられてたって事?
ナゼあの2人なんだろうと終始疑問だったが、ブルーカラーだから?(そもそも教師ってブルーカラーなの?)
資本主義社会や人生を風刺しているらしいですね。ナゼわざわざ生きる事を絶望させるような作品を撮るのかね。
どんな立場でも、健康なら出来る範囲で人生楽しめば良いやないと、難病持ちで死ぬしかない私は思ってしまいました。
既視感ある!と思ったのはマグリットでしたか!!絵本の様な雲や積み木の様な家々。マグリットは好きだけど、この映画は二度と見たくないですね。(ミッドサマー程何これ?とは思わなかったけど)
ずーっと救われないだろかと祈リながら、これはファンタジー?ホラー?SF?と考えあぐねていました。比べるのもおかしいけど救われないという意味ではセブンの方が数段良い!(デビット・フィンチャーに失礼?)
不条理。本当に不条理。
名前くらいは聞いたことがあるであろうカッコウと言う鳥は、他の鳥の巣に卵を生み、その親鳥に世話をさせる鳥だ。親鳥よりも雛が巨大になるという滑稽とも言えるその様は、自然を生き抜いてきたそれぞれの生物の進化の過程の様子である。本作の冒頭でそれが描かれるのだが、本作はまさにその通りの内容である。9番の家の輪から抜け出せなくなった二人の元に運ばれてきた赤ん坊。それは僅か100日程で6〜8歳位の少年に成長する。その子どもこそがカッコウと全く同じ立場なのである。可哀想に家を見に来ただけのカップルはカッコウの雛を必死で育てる別の種の親鳥となってしまったという訳である。
では誰がそうさせているのかについては、本編には登場しないものの、地球外の生物である可能性が高い。それは、本編で描かれる「モノマネごっこ」のシーンや、既に30代位の大人になっている少年が持ってきた本の文字を見ると、そう感じさせる。この本の文字が「プレデター」の文字に似ていて個人的にはかなりハマった。
本作の見所は何と言っても不気味すぎる少年。人の真似事をし、空腹時は甲高い大声で叫び続ける。表情はほとんどなく、人間らしさの欠片もないそれが異様な怖さを放つ。また、無機質で永遠と立ち並ぶグリーンの家。この心底不条理感満載の世界観に主人公よろしく放り込まれるのだ。
残念な箇所は、何も明確に描かれないところだ。終盤まで不気味すぎる日常生活と、穴掘りに夢中になるボーイフレンドの様子が続き、いよいよ後半で動くのだが、結局のところ何をしても9番の家の輪からは抜け出せないという事が明確になっただけであり、最も知りたい所が分からなすぎるままエンドロールを迎えてしまう。
違和感が溢れていた謎の不動産屋の店員にまで話が及ぶのだが、エイリアンが非効率的な地球侵略では無く、徐々に緑の家に住まわせて不気味な子どもを育てさせ・・・という乗っ取り方法を考えだしたのかと色々と想像が働くが、一つの生命の輪廻転生の様にも見える。あの規模で一人の男の輪廻転生だけであれば効率とかの問題ではなく、何のためにやっているかも分からない。この様に、誰が、とこで、何故、という「?」の部分には一切明確な答えが無い強烈な作品であった。
ラストは、せっかく抜け出したにも関わらず、もう全人類はカッコウの雛を育てる別の種の親鳥になっており、帰る場所を無くして途方に暮れる位の大風呂敷を広げたラストでも良かった気がする。
ジェシー・アイゼンバーグの輩感
Twitterで回ってきた"雲の描写が何とも気持ち悪い"くらいの知識のみで、1人になりたい一心でこの映画を選んだため、最初のカッコウの映像で少し面食らいました。
ジェシー・アイゼンバーグ演じるトムが登場し、あまり見たことのない輩感のある演技に「この人多彩だな〜」と驚きつつ、意外とコミカルに話が進むのかな?と感じていたのですが…
ジェマとトムが不動産屋に立ち寄ったシーンから、あれよあれよという間に不穏な雰囲気に。
展開の早さというか、完結さが妙に心地よいのに気持ち悪い。
普段ホラー映画で「これいつ始まるの?」「これちゃんと終わるの?」と考えながら見てしまうことが多いので、「怖いからはやく終わってくれーーーー!」と思うのは映画サスペリア(新)以来でした。
終盤のカサカサカサッと行くシーンは声が出そうになりました。
ゴキブリ出た時と同じ気持ちだった気がします。
あーキモかった。
登場人物が極めて少ない作品ですが、それぞれの方の怪演が素晴らしかったです。
友人に『花束みたいな恋をした』も勧められていましたが、
今日の自分には『ビバリウム』が正解でした。
これから考察を読んで楽しみたいと思います!
まずは不気味。街並みも空も段ボール箱も。とくに幼少期の息子がヤバい...
まずは不気味。街並みも空も段ボール箱も。とくに幼少期の息子がヤバい。不気味かつ快感。この雰囲気はインザトールグラスのドラマ版に似てるかも。
ところで夫は必要だったのだろうか?穴掘り要員?
成長した息子が何を成し遂げるわけでも無いってのがまた不気味。
六壁坂
ただただ気持ち悪いキモ映画(褒め言葉)
98分ずっと不気味なシーンが続いてる。
予告の雰囲気そのままの本編で良かった。
変に仕組み、種明かしがなく理由のない不思議、気持ち悪さに徹底したのはよかった。
岸辺露伴は動かないの六壁坂みたいな話。
ただ始めにカッコウが映ったりだとかストーリーの展開が大体読めてしまったのは残念。
解放
なるほど、人間なんて、神様の目から見れば、ちっちゃな人生というマッチ箱の中で毎日、毎日、延々と長い歳月をかけて、同じような苦しみに耐えて修行しているようなものなんだろう。
差詰、マーチンは人間を苦しみから解放する天が遣わした水先案内人ってところでしょうか。
それにしても、死ぬことでしか救われない人間の存在って何なんでしょうか。
ちなみにトムと言う名は正直者という意味があるらしく、ジェマは宝石という意味があるらしい。
救われない人の世を皮肉った何とも薄気味悪い感覚は秀逸です。
世にも奇妙な物語(海外版)
終始不思議な世界やった。
ゲームの世界のように整頓された街並み!
行っても行っても戻ってくる最初の場所!不思議な系が好きな人は大好きな世界観です。
結論は色々な捉え方があると思いますが、宇宙人にさらわれたって感じなんやろか⁉︎
不思議さが残る映画でした。
最後はタモリさんが出てきそうな感じ🎤
嫌いじゃないんですけどね。
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