「ドラマの熱量そのまま映画に、役者讃歌が涙を誘う」バイプレイヤーズ もしも100人の名脇役が映画を作ったら たいよーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
ドラマの熱量そのまま映画に、役者讃歌が涙を誘う
まさにアンサンブル。コロナ禍に撮られた作風も相まって、「それでも役者は終わらせない」と高らかに宣言するような映画だった。
ドラマとの連動がどうなるのか気になっていたが、映画として1本のパッケージになっており、凄く観やすかったのが第一印象。ドラマを観ていた人なら分かるでしょ?というスパイスのような使い方て味を引き立て、グッと満足度を増幅させる。
内容も結構まとまっていて、多角的に見せつつも、一貫して「役者讃歌」だったことに変わりはない。「役所」のコールは実は「役者」を称えるコールを意味を含んでいたりして…。
濱田岳の自主制作のあらすじの通り、犬が主役だったのは確か。スタジオを走り回り、ありとあらゆる役者が振り回される。ドラマや事前知識を入れていない人からすれば、なおさらこの豪華さに驚くはずだ。それぞれがドラマの内外でクロスオーバーし、アンサンブルする様はダイナミック。
個人的には、有村架純の使い方が別枠だったのが嬉しいところ笑。心地よいナレーションに保母の姿…抑えどころがわかってらっしゃる。笑
最後に触れたいのは、やっぱりこの作品は、大杉漣さんと共にあるということだ。シリーズ1作目からのリーダーであり、不朽のバイプレイヤー。ああいう形で出てくるなんて、ホント愛されてるんだな…。
ドラマの良さそのままに上手く映画として仕上がっている1本。ドラマから観ていてば、俄然評価は高くなってしまうものだ。私たちの人生も、バイプレイヤーズのような彼らに支えられて、エンタメを生きがいに出来ているのだから。
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