僕たちは変わらない朝を迎えるのレビュー・感想・評価
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僕にはとてもすてきな作品でした
ずっと気になっていたのですが、レンタルにも出てなくてサブスクにもなくて、この度やっとプライムに上がってきてやっと観る事ができました。 髙橋雄祐が目当て、それとツダカンですか。 舞台や映画やエンタメで夢を叶えていく若者達の物語。 これが何とも心地良い。 しっとりとした芝居、穏やかな音楽、それとどうにも独りな空気感。 ネネとの電話。 「めっちゃあんのにな?伝えたいこと」 よく分からないけど、きっと何か思い当たる事があるんでしょう。 ゆっくりとした涙が止まらなかったです。 あとこの作品で初めて知りましたが「雨のパレード」、良いですね。 歌がすごい作品に寄り添っていました。 人を選ぶかもしれませんが、僕にはとてもすてきな作品でした。
幸せなはずの日常の積み重ねが二人の間に静かに亀裂を生む。一方でモヤ...
幸せなはずの日常の積み重ねが二人の間に静かに亀裂を生む。一方でモヤモヤを打ち消すかのように細々繰り返してきた善行貯金が、これまでの二人の時間からそれぞれが別の一歩を歩き出すきっかけとなっている。 何がいいとか悪いではなく、気づいたらそうなってしまっていることってたくさんあって、きっとその積み重ねがその人になっていくのだろう。 変わらない朝を迎えるということは、今日も明日も変わることのない藤井くんや寧々自身を正直に生きることなのだと思った。冷たい潮風が心地よかった。
まさに短編小説のような映画。
尺も51分と短く、短編小説のような映画だ。 別れた男女が、離れず、距離を縮めることもなく、川面の上の、木の葉のように流れていく。 主人公の藤井薫は、昔付き合っていた寧々から「私、結婚するの。」と告げられる。 「どう思った?」という寧々の問いに、藤井薫は「おめでとう…。」と祝福の言葉を伝える。 タクシーに乗り、窓から顔をのぞかせる寧々を、藤井薫はただ見送る。 そして、ラストシーンは、藤井薫の“やり直したい”寧々との最後の会話が描かれる。 藤井薫と寧々は一緒にタクシーに乗り、夜明けの海に到着する。 「潮の香りがする。私、刺身食べて、日本酒飲みたい。」 「そうだな。よく日本酒飲んだな。」 …と、二人の他愛も無い会話が続く。 寧々が「私、結婚するの。」と言う。 藤井薫は「おめでとう…。」と返す。 寧々が別れた理由を言う。 「同じ業界だから、私もいろいろ苦しかったの。」 藤井薫は待たせていたタクシーに、寧々を乗せる。 「じゃあ…。」 「えっ、乗らないの?」 「俺は乗らない。」 そして、藤井薫はタクシーを見送り歩きだす。 ラストシーンは、藤井薫の“希望”だ。 特に劇的なシーンもなく、物語は終わっていく。 川面の上の、木の葉は別々の方向へと流れ、いずこへともなく消えていく。 明日の朝はどんな朝だろうか…。彼女のことは記憶の中に残り続ける。 そして、彼女の言葉が、つい昨日のことのように蘇ってくる。 「あなたのこと、運命の人だと思ってた…。」 戻って来ることのない時間の中を、記憶はさまよい続けるのだろうか。 流れ去った木の葉のゆくえは、誰にもわからない。
たらればの美しさ、叶わなかった日に迎える朝
今年のムーラボ作品は5作品目。その中でも一番好きかも。変わらない朝が来ても、あの日を描くことなら出来るのだから。 主演の髙橋雄祐さんがハマり役。30にもなって行き詰まっている映画監督。昔付き合っていた彼女から結婚の話を聞いたことをきっかけに走らせた脚本には理想を乗せて書いたことをダメ出しされる。その時彼女になんて声をかければ良かったのか…。彼の希望の物語、美しくて優しかった。元々は土村芳さんが観たくて選んだのだが、かなり引き込まれてしまった。時折出る関西弁のクセもスイッチを持っているようで上手い。 監督は戸田彬弘氏。初めて観たのだが、『名前』などでその評価を聞いていたのでその魅力がわかった気がする。思い切りの良いカットや心の影を上手く引き出しながらストーリーを構築しているのが印象的だった。 どうして好きになってしまうのだろうか。終わったはずの恋にケジメを付ける話でもないのに、くすぐったくて微笑ましい。その時間の変化が美しかったのなら、それは希望の予兆なのだ。あの時言えなかった言葉、それがあるから変わらない朝を迎えているのかもしれない。これは定期的に観たい作品。
キレイごと
元彼女で今も一緒に仕事をする女性に声を掛けられ参加した飲み会で、結婚することを告げられた男のリアクションと、その後彼が書いた脚本についてのストーリー。 自分でも気付いていたけれど、Pにダメ出しされ、若手女優に指摘され、自分の本心は?現実は?とみせていく。 壊れるのを恐れ良い人でありたい自分を壊し、さらけ出すのかと思ったら自己陶酔か逃避か、それが理想なら、最初のでも大して変わらなくない? いや、寧ろ最初の情けない感じの方が伝わるものが…。 村上さんの件がピークだった。
綺麗事の人生はどうなのかな?
映画監督が脚本を書くがプロデューサーに理想の姿を追うな、と言われる。女優に演技指導をするも脚本の感想を聞くとプロデューサーと同じことを言われる。 現実の恋愛でも彼女に綺麗事言ってて結局振られた自分がいた・・・みたいな話。 上っ面じゃなく本音でぶつかる必要があるというメッセージなのかもしれない。 恋愛、仕事など、生き方について考えさせられる作品だった。 土村芳目当てで劇場に行ったが、桃果も良かった。
それも理想なんじゃない?
Ksシネマさんにて。 MOOSIC LAB[JOINT]2020-2021で鑑賞です。土村さん目当てです。 本気のしるし以降の土村さんファンです、はい。(笑) 土村さん良いですね。全く毛色が違う役所でしたが、ナイスな演技でらっしゃいました さて、この作品。 ストーリーって演劇界、映画界あるあるなんでしょうかねぇ?まぁ、ありそうですが・・・。 本作品内で言われる「理想を追うな」って。 その言葉をそっくり本作の脚本に向け たいなぁって思いました。 希望の物語はよいが、希望がカッコつけすぎで、それこそ理想なんじゃ? あまりにも綺麗すぎて・・・ヒネクレモノの僕は心は揺れませんでした。 とにもかくにも、痩せ我慢の消化のさせ方が、、、納得できないんですよね。 ほんと、格好つけてるというか、スカしてるというか・・・。 けど、演出面は、好きだったかな。まー、まー、ありきたりな曲の使い方ではありましたが、 雨のパレードの曲の内容、タイミングなど映画のなかで有効だったとおもいます。 MOOSIC LABの趣旨に沿った作品の一つだったのではないでしょうか?
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