「僕の中ではグランプリです!」彼女来来 バリカタさんの映画レビュー(感想・評価)
僕の中ではグランプリです!
MOOSIC LAB[JOINT]2020-2021の
準グランプリを受賞されたってことで
アンコール上映で鑑賞です。
いやはや、観てよかったー!
めちゃくちゃ面白かったです。
MOOSIC LAB作品なので、音楽と映像の
コラボが主体ということ(ですよね?)で、
その趣旨では準だったのかなー?と勝手に
思ってます。
音楽はとっても効果的(ヴァイオリンの
音色って色んな表情があって良いですね)に
使われて、ストーリーを幾重にも厚く
させるものでした。
それはそれで素晴らしいのですが、
とにかく物語や演出が最高にイカしてました。
ほんとに良くできてました。
今回は上映前に監督のトークショーがあったからか、
作品内容がすっと腹落ちしました。
監督曰く、これまで何度も恋愛をしてきて、
付き合っていた彼女達にに対して
「君が世界で一番好きだよ。」って言ってきた自分。
そんな自分を気持ち悪く感じたそーです。
世界一が何人もいるっておかしくないか?と。
(と、おっしゃっていたと思います、
間違いならすみません)それが着想の素だと。
なるほどー。なるほどー。
ホント、僕たちは何を好きになるんだろう?
彼、彼女の好きなポイントが満たせれば、
相手に求めることが充足すれば、
「世界一好き」の感情表現を因数分解して
素数にしてそれがあれば好きになるのか?
え?そんな単純?なことなんかな?
好きって何だっけ?はて?
さらに、恋愛関係の危うさや人間の気持ちの
ゆらゆら、いくら好き合ってると思っても、
実は一寸先は闇、、、
なんて凄く当たり前のことも
主題と思しきエピソードと相まって、
サスペンスのように見せてくれます。
もう、秀逸です。
多分、寓話と捉えて良いんじゃないですかね?
斜め上のさらに雲の上の裏くらいの展開を使って
恋愛って?お前の気持ちって?って突きつけられます。
比喩表現や抽象表現ではなく、物語の中で語ってる
点が見事です。前述しましたがサスペンスタッチなので、ぐいぐいと引き込まれていきます。ホント。
次は?次は?って感じです。もう止まりません。
うまい!見せ方うまいなー。
本作は見る人によっていろんな感想が分かれると
思います。恋愛の形がカップルの数ほどある証拠。
素晴らしい作品でした。
うーむ、邦画豊作ですねー。
あ、書き忘れそうに。主演の前原さん素晴らしかった。
あと、この題名いいですね。
Google先生に聞いたら
「来来」=「いい加減にして」だそうで。
字の意味も考えると、うまい題名だなーと
改めて感心。
傑作でした。