「圧倒的な狂気」孤狼の血 LEVEL2 CBさんの映画レビュー(感想・評価)
圧倒的な狂気
アニキの出所祝いから始まる...アニキ=五十子(イラコ)会に忠義を誓う男、上林(ウエバヤシ)組の組長、上林。本作は、ひたすら鈴木さんが演じるこの上林の狂犬ぶりを描き続ける。それはもう徹頭徹尾。
大上(オオガミ)刑事が殺害された後を継ぎ、広島の裏社会を治める、松坂さん演じる日岡刑事。「(弟を)極道になんかさせたくなかったから、ガミさんの手下のあんたに預けたんよ。それがなんで、スパイみたいな仕事させとるん」と日岡刑事に迫る、西野さん演じる真緒。そんな姉を慕いながら、日岡刑事に正義を感じ、上林組でのスパイ役を演じ続ける村上さん演じる幸太。こういった面々の好演を、すべてふっとばして、上林が、暴れる、暴れる、暴れる。その狂気は、観ている誰にも「侠気=おとこぎ」などとは感じさせない、完全なる狂気。やくざの原点に潜む、決して美化してはならない狂気を、圧倒的に描き続ける。
そんなエネルギーに俺はぶっ飛ばされて、劇場を後にしたのでした。
2021/9/17 追記
友人曰く「仁義なき戦い 広島死闘編の大友(演じたのは千葉真一)をイメージした作品なのだろうな」 自分もまだそちらは観ていないのですが。
2021/9/22 追記
西野さん、もう一作くらい中島監督に鍛えられて、小松さんと並ぶくらいの女優になれたら、いいね。期待してます。
侠気っぽい感じのことを述べてはいましたが、まさに狂気でしたね。凄かった。
今のところ…と言ってもほぼ終わりですが(笑)今年観賞した邦画で1番良かったです。
今晩は
「仁義なき戦い 広島死闘編の大友(演じたのは千葉真一)」
そうですねえ。
個人的な意見ですが、上林の圧倒的な尋常ならざる悪の方が、遥に上だと思います。では。