劇場公開日 2021年8月20日

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「日岡と上林のデスマッチ。」孤狼の血 LEVEL2 ガバチョさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5日岡と上林のデスマッチ。

2021年8月31日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

警察と暴力団の対決ではない。日岡刑事と上林極道との対決である。日岡が一方の主人公であるがその孤立が際立っている。大上刑事から引き継いだ違法な捜査手法を上層部は快く思っていない。深く暴力団組織に入り込んでいるが、暴力団からも信頼されているわけではない。手駒に使うチンピラ青年の姉からは恨まれている。一方の上林は周りの極道たちがぬるく感じられてしょうがない。自分こそが極道の王道だと思い込んで対立組との均衡をぶち壊す。両人とも組織の中では特異な存在であり、生きるか死ぬかの体を張った生き方をしている所がよく似ている。しかしお互いに相容れないので破局まで突き進んでしまった。その緊張感がこの映画の一番の見所なのだろう。
日岡刑事の松坂桃李は、前作を見ていないとなぜこういう事になっているのか、警察として何を守りたいのかよく伝わらないのが残念だ。上林の鈴木亮平は極道の中の極道という感じで、「本物の悪い奴」を良く演じてくれた。暴力団対策法が施行されて今は昔となった極道の話である。

ガバチョ