「高クオリティでよく纏まっていた。アスナが好きになれた。」劇場版 ソードアート・オンライン プログレッシブ 星なき夜のアリア がくた男さんの映画レビュー(感想・評価)
高クオリティでよく纏まっていた。アスナが好きになれた。
SAOのシリーズはアインクラッド編の原作から何度も読んでいるが、アリシゼーションの辺りから話が複雑化してついていけなくなり、今はただプログレッシブの続刊を心待ちにしている。そうした中で、アインクラッド編を丁寧に描く劇場作品が公開されたので、勇んで見に行った。
見どころとしては、アスナの刺突剣による剣技が流麗に動いていてよかった。中盤以降のアスナの表情は、死を目前にして覚悟が決まったような感じがあり、鬼気迫っていてすばらしい。過酷な死闘を繰り広げるアインクラッド編は、いまも根強い人気のあるデスゲームものの傑作だということを思い出させてくれる。
じつは、アスナというヒロインのキャラクター性について、これまで苦手意識を持っていた。それは原作やゲームなどで、いかにも作者の思い通りのご都合主義的な女性像だという感じがして、メディアミックスがあれほどされてもいまいち好きになれなかったが、10年を経て公開された今作でようやく血が通い、筋の通ったキャラクターになったと感じた。
同様に、新キャラクターの作中の行動も、人間味があって「実際に居そう」だと思った。
過酷な世界を生き抜こうとする女の子を描くという点で、こういう塩梅が巧みだった。続編も見たい。
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