劇場公開日 2021年9月10日

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「大久保さんの存在がまるで映画館のよう」浜の朝日の嘘つきどもと 牛津厚信さんの映画レビュー(感想・評価)

3.5大久保さんの存在がまるで映画館のよう

2021年9月13日
PCから投稿

映画にまつわる映画を作るという高いハードルに、本作は多少がむしゃらなフォームで挑もうとする。まずその姿勢に敬意を払いたくなるし、映画が人生にもたらす影響について改めて気づかせてくれる点も含めて、こういった作品に親しみを覚える自分がいる。正直言うと、構成上、スッキリしない部分もたくさんあるのだけれど、誰もが答えのない答えを手探りする現状で、「スッキリする構成」にどれほどの価値があるのかと。一方、嬉しい誤算もあった。それは、映画館がいちばんの要になってしかるべき本作で、大久保さんが全てをかっさらっていくところ。演技力が高いというよりは、普段からTVでよく見る大久保さんそのものの面白さと器の大きさが全てをアリにしてしまう。笑って泣いて、どうしようもなくて、それでも自分が不安に苛まれた時に「大丈夫」と背中を押してくれる存在。それは映画や映画館が持つ力でもある。両者の尊さが面白いほど重なって見えた。

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牛津厚信