「映画という新しい嘘」浜の朝日の嘘つきどもと もちをさんの映画レビュー(感想・評価)
映画という新しい嘘
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映画館で笑いながら観て、最後には拍手も起きていたような作品。テーマ的にも映画館で観るべき!!
前情報なしで映画を見て、その後ドラマの存在も知り当日中に見た感じですが、以下はネタバレありでの感想。
今回の劇場版では家族の「血縁」を「嘘」と見る所に面白さがあります。通常、血縁とはよそ者との付き合いなどと異なり確固たるものとされるからです。
ではなぜ「嘘」と言えるか。それは、南相馬という地域が東日本大震災・台風・コロナ禍という「災害」と、さらに過疎化・高齢化により「傷ついた地域」となり、確固たる血縁ですらもはや自明性が疑われる地域となっているためです。
だからこそ人々は血縁が「ある」と信じたい=「嘘」を信じたいということなのでした。
上記のような全体構図により、不動産会社との対立も生じます。
劇中ではこの「嘘」への抗いに、映画という「新しい嘘」を対置します。家族の辛さや地域の過疎、さまざまな問題をいっとき忘れさせてくれる2時間の時間。大久保佳代子演じる先生の言う「半分は暗闇を見てる」は、この暗闇半分の「新しい嘘」にこそ希望を見て、茂木莉子を励ますのでした。
しかしそんな先生も恋愛ベタで、恋愛という嘘の前では「ヤっとけばよかった」と言うのがまた面白い。。
映画にできることはまだあるという主張は、ちょうど『サマーフィルムにのって』とも通じているように思います。
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