劇場公開日 2021年1月29日

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「及第点は多々あるものの良作には映る、淡々と紡ぐ人の繋がりが写真から生まれる」おもいで写眞 かわちゃんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0及第点は多々あるものの良作には映る、淡々と紡ぐ人の繋がりが写真から生まれる

2021年2月1日
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鑑賞方法:映画館

楽しい

単純

これといった波はない。それがかえって、リアリティある会話の意味を大きくしており、コロナ禍の今から観ると、微笑ましかった。
深川麻衣演じる結子は、東京で挫折し、祖母の最期を看取ることもできない後悔から立ち直れないでいた。そんなとき、幼なじみの一郎に提案された遺影の撮影=「おもいで写眞」を撮ることを提案される。そうして動き出した、結子と撮影を通じて開かれた、晩年の人たちの思い出。同時に写る、後悔を抱えた自分へのけじめ。全体的にテンポもゆったりとしており、結子の言動に理解できない節もあるが、悪くは映らない。むしろ、人との交流が遠ざかった今だからこそ、人の想いに触れることがいかに有り難みを含んでいるのかを感じる。良作に出会った気分。
ラシーンで富山の古き良き街並みを楽しみつつ、思い出はいつまでも消えない輝きをしているのだと再び実感。傑作には映らないが、もっと評価されてもいいのかな?と思う作品。

たいよーさん。